イタリア

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ベローナの夕べ

 オペラの開演時間を前にして、アリーナの周りは人々でごった返し始めました。
 
夏の盛りというのに、正装でオシャレしてワイングラスを前にしていました。
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人はいっときの感動に飢えています。
 
何度見ても、あの音、あの声、あの場面。それぞれに待ちに待っている感動の場面が
 
あります。
 
ふと我に返れば、それぞれに「悩み」を抱えているのに、その瞬間だけは忘れられる。
 
お金の悩み、家庭の悩み、仕事の悩み、女の悩み、・・・、でも音楽はいっときはそれらを
 
忘れさせてくれる作用があるようです。
 
 
 生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
 
 死に死に死に死んで死の終わりに冥し(くらし)
 
 
 迷えるすべての者は生まれても死んでも永遠に迷い続ける。
 眼の見えない者にもひとしい生きとし生けるものは、自分が
 眼の見えない者であることに気づかない。
 生まれても暗く、死を前にしても冥い(くらい)
 と言うことなのでしょうが、それでも気づかない。どこにそれらを
 超越するヒントが隠されているのでしょうか。
 
 ベローナのオペラは「トスカ」でした。
 ライモンディの声がいつまでも耳に残っています。暗く冥く・・・。
 
 
 

イタリア・地下鉄

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こんな電車が平気でホームに到着します。ローマの地下鉄です。
 
イタリアという世界遺産にあふれた国でもっとも目につくのが落書き。
 
電車はもとより、建物の壁、塀、扉、道路、シャッター、とにかく空間があれば
 
落書きで満ちあふれています。
 
これはイタリアの文化なのだ、と洗脳されるのにそれほど時間はかかりません。
 
なんとも言いようがありません。
 
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今年は、カラヴァッジョ没後400年と言うことでローマではいろんな企画がなされています。
 
カラヴッジョといえば、このサン・ルイージ・ディ・フランチェージ教会とサンタ・マリア・
 
デル・ポポロ教会です。なぜなら、この二つの教会のカラヴァッジョは、4世紀を経た
 
今も当時のままに礼拝堂を飾っているからです。4世紀前と同じ状態で観る事がで
 
きるのはこの二つの教会だけです。
 
サン・ルイージ・ディ・フランチェージ教会のコンタレッリ礼拝堂は、フランス人枢機卿
 
マッテオ・コンタレッリによるものです。
 
向かって右に「聖マタイの殉教」、向かって左に「聖マタイの招命」、そして正面が
 
「聖マタイと天使」。いずれも、聖マタイ(マッテオ)が主題です。これは注文者が、マ
 
ッテオ・コンタレッリ枢機卿の名前から来ているものと思われます。
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さて三枚の中の一枚、正面の「聖マタイと天使」は、マタイの福音書を書いている聖
 
マタイに天使が降りてきてなにか話しかけている、というところです。マタイによる福
 
音書成立の場面、その内容を天使が裏付けているということでしょう。まさに聖霊に
 
よるマタイ伝ということになります。それからちょっと滑稽にも見えるのですが、聖マタ
 
イの足下が、縁石から落ちそうで、その不安定さが何とも言えないリアリティを醸し
 
出しています。カラヴァジョの憎らしいところです。...................................................................... 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
サンタ・フェリチタ教会と言えば、なんてったってポントルモ。
 
マニエリスム絵画の代表作、「受胎告知」と「十字架効果」を見た人は多いと思います。
 
この絵画目当てでサンタ・フェリチタ教会をフィレンツェ観光の目玉の一つにされた
 
方が少なくないと思います。
 
 しかし、この教会の聖具室にはポントルモの他にもっと重要な絵画がいっぱいあります。
 
この聖具室はながらく非公開でしたが、今は毎週金曜日の午後3時半から5時半までの二時間
 
だけ一般に公開されています。
 
 それで、金曜日の午後を待ちかねて教会に向かいました。
 
 聖堂の中に入るとすぐ右に例のポントルモの絵画。薄暗くてよく見えません。
 
1ユーロコインを入れると照明が点いて鮮やかに浮かび上がりました。
 
一分もすると消えてしまいました。二度、三度コインを挿入して見ていましたが、その間誰も
 
教会には入ってきません。静かで閑散としていました。
 
 時間になって教会堂内を奥に入っていきました。右奥手にロープが張ってあってだれも
 
居ません。キョロキョロしていると司祭らしき人が出てきました。
 
金曜日のこの時間、タッディオ・ガッディの多翼祭壇画『聖母子と諸聖人』やネーリ・ディメビッチ
 
『聖女フェリチタと息子たち』などが一般公開されていてそれを見に来たことを尋ねました。
 
よろしいと、司祭は、ロープをはずして中へ入れてくれました。
 
驚くばかりの秘宝に目を見張りました。
 
その司祭は入り口で難しい顔をしてこちを見張るように立っていましたが、わたしは歩み寄って
 
説明をしてほしいと頼みました。意外にも、快諾を得て説明をはじめて貰いましたが、
 
彼は「日本人がガッディをなぜわざわざ見に来たのか」と聞きました。
 
わたしは目の前の秘宝を褒め称えるように言うと司祭はすっかり上機嫌になって、
 
シィーッとばかりに、人差し指を口に立てながら、誰もいないのに周りをうかがうようなしぐさをし
 
ながらついてこいと手招きしました。なんだか茶目っ気があります。
 
なにかいいことがありそうな予感。
 
彼に従いついていくと、厳重な鍵がかかったドアを二つ隔てた部屋に通されました。
 
次の瞬間、ああっと感嘆の声を出してしまいました。
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タッデオ・ガッディの弟子であったニッコロ・ピエトロ・ジェリーニによって描かれた
 
フレスコ画『磔刑図』が目の前にありました。↑
 
これが書物で知っていた『磔刑図』なんだとすぐに気がつきました。まさか、これを今日見る
 
事ができるなどとは、信じられない思いに興奮しました。
 
そして、天井には『七徳の擬人像』。ひゃぁーっ、と見上げるばかりでした。
 
『磔刑図』、司祭が、ちょっと部屋の外に出た隙に撮らせて貰いました。
 
これはなかなか貴重な写真と思っています。
 
 
 
 
 
 
 
 
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 ジョットの鐘楼の上まで、ここが頂上かと何度も願いながら、ああまだ上がある、と汗だくになりながらたどり着きました。
 頂上からの眺望は、フィレンツェの街をすべて晒してくれました。
 美しい町だ。

 鐘楼の上から、パノラマで見渡して、ぐるりと一回り。
 その景色の中でひときわ美しく輝いている、そうです、輝いているファサードに目がとまりました。
 サンタ・クローチェ教会。
 こんなに美しいファサードを持つ教会にお目にかかったことがありません。

 サンタ・クローチェ聖堂はフランシスコ会の世界最大の教会です。サンタ・クローチェ聖堂はアッシジのフランチェスコ自身によって建てられたと言われています。フランチェスコはキリスト教の聖者の中でももっとも好きな人です。小鳥たちと話したというのがその理由です。
有名な人達の墓碑があります。ガリレオ、マキャヴェリー、ミケランジェロ、ギベルティ、ロッシーニ等々・・・。
イメージ 2

↑ミケランジェロの墓碑

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