研修講師『期待される管理者となるために』

「部下をパートナーとして職場目標を達成しよう!」

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 こんにちは。

 さて、夫婦も長年連れ添っていると“以心伝心”の仲となり、お互い相手の心の内がわかってくるものです。そのため家庭では奥さんに、
「オイッ、新聞読むときのあれどこだっけ? 探してきてくれないか」と、あいまいな表現が使われる。
「あれってメガネのことでしょう。たしか二階のテレビの上にありましたよ。ご自分で見てきてくださいな、今忙しいんですから」
「そんな冷たいこと言うなよ。俺とお前の仲じゃないか、取ってきてくれよ。そういえば、昨日言ってたあれはどうなった?」といっただけで当事者間では意思の疎通が図られている。気心の知れた夫婦間ならこれでもよいでしょう。

 しかし職場では、「こ・そ・あ・ど」、つまり、<こ(れ)・そ(れ)・あ(れ)・ど(れ)>などの言葉は基本的には不適切と考え、具体的に言う方が行き違いを防げるでしょう。
 それでも多忙な上司は様々なことが脳裏をよぎるため、口をついて出る言葉が往々にして曖昧になることがあります。“腹心の部下”には通じても、一般の部下が理解に苦しむような言い方があるものです。
 たとえば、 

 1.「いつものように頼むよ」と言われても、いつもの通りはいく通りもあり判別できない。

 2.「例の件よろしく頼むね」と言われても、どの件かがはっきりしない。

 3.「できるだけ早くやってくれたまえ」と言われても、いつまでにやればいいのかわからない。それ
  よりも「何日の10時までに」と具体的に言ったほうが間違いは起こりにくい。

 4.「あれを頼むよ」。これも、あれとは何かがわからない。

 5.「この間のあれは、どうなっているのかね?」といわれても、部下も色々な案件を抱えているため
  直ぐにはピンとこず、理解に苦しむようなこともある。
 
 これらの言葉遣いが仮に口癖になっているようであれば減らすのがよいでしょう。

 職場の報告では、「その件につきましては可及的速やかに善処いたします」といった国会答弁のような、ちょっと聞くとわかったような気がするが、よくよく考えると何のことかわからないような言い方は避けたいものです。

 同様のことは上司から、「これを大至急やってくれ」といわれると、部下は”大至急”という言葉にとらわれ、かえって間違いを起こす場合があります。
 それよりも、「急ぎで悪いが、これを午後4時までに頼む」といえば、部下は都合を付けてでも時間までに指示された仕事を仕上げるでしょう。

 よくあるのは、出先の部下から携帯電話で連絡が入る。「そうか、わかった。ただ、私は今忙しいんだよ。世界商事の件は君に任せるから適当に頼むぜ、よろしくな」と、部下を信頼して任せることが必ずしも悪いとはいえません。

 しかし部下との間に、よくいえば“阿吽の呼吸”が、悪くいえば“馴(な)れ”が生じ過ぎると、とかく曖昧な命令・指示がまかり通るようになる。馴れは“大脳の反応”が不活発になる現象であり、時には危険がしのびよる。大きなミスや事故をを招くことにもなりかねない。
 従って、ツーカーであるベテラン部下であっても、できれば“たとえば”の類の言葉を挿入してわかりやすく指示することが必要でしょう。とりわけ間もなく入社してくる新人に指示する場合には、気をつけたいものです。

 その際注意すべきことは、「この資料を明日午後の部内会議に提出することになった。そこで、この数表をヒストグラムに変換し標準偏差値を求めて挿入してほしい。明日の10時までにやってくれないか。間違えるなよ!」と指示をしたとする。
 指示の目的・納期が入っているのはよいのだが、最後の「間違えるなよ!」は余計である。これを言ったがために逆暗示となり、かえって間違えることもある。
 そのため指示をする時には、「松木君、君にとっては初めての仕事だが、明日の10時までに仕上げるにはどうしたらいいかね?」と、疑問形にしたほうが心理的には強い印象を与えるものです。 

 さらに付け加えると、「明日の10時までにやってくれないか」という口調にも問題がある。“くれないか”は否定的表現である。否定的表現はややもすると部下のヤル気をそぐことにもなる。また、「くれないか」の“か”は牙音(がおん)といって威嚇的に聞こえることもある。
 そこで、「これを明日の10時までに頼む」と“依頼型”にして、肯定的に短くすれば申し分ないといえます。
 
 欲を言えば、部下に難度が高い仕事を与える場合には、できれば「激励」・「期待」・「信頼」していることを、言葉に出して伝えることが意外と大切なことなのです。部下の立場に身を置き換えればご理解いただけることと思います。
 では、また。ご覧頂きありがとうございました。



■ 管理者研修講師 『人材教育研究所』 (ブログ寺子屋『ラッキー』)

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