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次の日、天地家を出て海神家に健太郎は 居た。亡き妻 幸の 部屋がそのままになっていた。 もう17年も経つ。2人で写っている写真や友達との写真、そして海神一家の写真。元々は双子の姉妹だったが、幸だけが生き残った。元々体が弱く入院しがちで出会ったのも喧嘩をして病院で偶然会ってお互いに一目ぼれだった。写真を手に取りながら 涙ぐんだ目で少し笑い 笑顔の幸をなでる。 そんな様子を海神真一と未幸は、涙しながら見ていた。 あたりを見回した。自分が送ったプレゼントなどが 一部置いてあった。かけおちだったため 全部は持っていけなかったのかこんな日が来るのを予測していたのだろうか・・・。 「お茶でもどうだね?」と真一が健太郎を 居間へと案内した。 真一は どうしても幸の事が知りたかったが、未幸は時が来れば健太郎が話してくれるだろうと説得していたためたずねられずにいた。 健太郎は、一枚の写真をポケットから出して二人の前に差し出した。それは、光を抱いた幸と隣りに寄り添う笑う健太郎が写っていた。思わず未幸は涙し、真一は 写真をぎゅっと握り締めていた。 「申し訳ありません」といきなり 土下座をした健太郎に 未幸は 駆け寄って「あなたのせいじゃないのよ。あの子は 元々体の弱い子だったんだから。だから自分を責めないで」と慰めるが 健太郎は頭をじゅうたんにすりつけたまま 動かない。泣いているようだった。 真一は、最初 天地一家の息子だと知らずに健太郎と逢っていたため 昔の健太郎を良く知っていた。責任感が強く、しっかりとしたいい青年だった。後を継いでくれるものばかりだと思っていたが、天地寅之助の息子だと聞いてしかも長男だと知ってしまったため、反対をしてしまった。 幸の死を誰よりも辛く受け止めたのは彼であろうと真一は思った。 最初は、健太郎が そんな無責任な事をするとは 思っていなく、幸も反抗をした事がなかったため二人の説得を聞かずにいたため やもなく2人が駆け落ちをした事を憤慨した。というより、恨んだ。病気がちのしかもまだ16歳そこそこの若い2人がと。 後で分かったものの、それは その当時寅之助も気性が荒く 健太郎を幸と別れさせるため色々と手段を使い このままでは 幸に危険が及ぶ可能性があると知り、そして健太郎自身も政略結婚をさせられそうになって居て家を2人で出ようとしたと知った。 「座りなさい。」と真一が言うとうなだれたように 健太郎が前に座った。 涙が溢れこぼれているのが どれだけ 申し訳なくそしてどれだけ辛かったのかが 物語っていた。 真一も目頭が熱くなり 震える声で「君のせいじゃない。」と言ったが、健太郎は 首を振り「いえ、私の責任です。守りきれなかったのは、私の責任です。」と何度も何度も言った。 こんな健太郎を見るのは 初めてだった。3年間知っていてそして今17年後に再会したが、いつもの凛として堂々とした彼ではなかった。 「幸は、いつ亡くなったんだね?」と真一が 訊くと未幸が 「貴方」と少しとがめるように言った。 「14年前です。」と健太郎は 喉をつまらせながら答えた。 14年前・・・という事は 駆け落ちして3年で亡くなったという事か・・・。やはり苦労したのだろうか・・・虚弱体質だったため お産に苦労したのだろう。子供が産めるかも分からないといわれていたのだから、孫の存在は 真一にも未幸にも嬉しい事だった。だが、3年。経った3年しか健太郎と居れなかったとは・・・。 その時 真一は 気づいた。光は 大人っぽく見えるが、もし難産で死んだとしたら13歳ということになる。中学一年生にしては・・・・。 健太郎は、考えている真一になんて告げればいいのか分からなかった。 一方光の方は、マンションに居た。全ての状況が 見えていたが、今は こちらに専念すべきだと判断して勉強をしていた。試験も何個か受け、合格していた。年齢的には ブレイン達より一個下だったが、勘違いのため同じ学年に入っていた。高校を早く卒業してしまったため 今は 大学生となったが、実際には高校2年生の年頃。まだ誕生日が来ていないため16歳だった。母が駆け落ちした年齢と一緒だった。 光は ポケットから 写真を取り出した。大事にフレームされたその写真には 光を抱いた幸と健太郎が写っていた。これだけを頼りに今まで生きてきたと言っても過言ではなかった。 ドアが 開く音がして 光はさっと写真をしまった。ブレイン達が応接室に座っている光を見た。 「なんだ居たのか〜。集合かけたのに返事がなかったから」とボクサーが言った。 光は何も言わず ソファに座った。 ブレイン、ダーツ、ボクサーとボンも同じくソファに座り光を見た。 「それでおまえはどうする?」とブレインが光に訊いた。 光は それぞれを見た。 ダーツは 「取り合えず 俺は 大学で美術とSEを取ろうかと思って。」と答えた。 ボクサーは 「俺は 体育を専攻する事にしたよ。何かと役に立ちそうだろ?」と言うのに皆は 今更という顔をした。 ボンは 「音楽と教育を勉強しようかと思ってるんだ」とのんびりと答えた。 ブレインは それを聴いてから 光を見たが 光はブレインを見ていた。 2人がなかなか喋らないため しびれをきらした ボクサーが「それでおまえらは?」ととうとう口をはさんだ。 ブレインは、光を見てため息をつきながら 「俺は、取り合えず親父の家業の方と大学で法律と医学をと思ってる。」と言った。
光は、4人の進路の予想は 分かっていた。 そして自分がすべき事も。 4人はさぐるような目で 光を見ていた・・・・。 |
物語(自作小説)
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う〜〜〜ん。まだまだ謎が多いですね〜〜。事件のことも、事業のことも、、ドキドキですね〜〜^^
2007/10/5(金) 午後 10:45
あれ?コメが消えちゃった??
謎めいた話の展開のせいかしら〜〜。
謎が謎を呼ぶ〜〜。続きが楽しみです^^
2007/10/5(金) 午後 10:49
怪奇的な話だからでしょうか〜。
2007/10/5(金) 午後 10:57
たまにコメント消える時ありますよね〜。私も他の方のところにコメントして出ていない時があってガッカリする事があります。
2007/10/5(金) 午後 10:58