流風月海

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物語2 (自作小説 恋愛物)

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海道 弥生は、孫 愛の様子を彼女が帰国してから見ていた。結婚が近づいているというのに焦った様子も動揺している様子も緊張している様子もなく ただ淡々と毎日を過ごしているかのようだった。
昔から言う事の聞く良く出来た子だった。だが、今回は 夫の言う事を聞き 夫が昔交わした約束をずっと守っている。龍吾との結婚の話を出しても兄弟のようなものですと答えるだけで決心は変わらないようだった。

息子は 息子で有名企業の息子との縁談を勧めているようだったが、夫も孫も聞き入れないようで毎日苛立っているかのように見えた。
夫も 愛が お嫁に行く事が寂しいようには見えるものの約束は約束と頑として譲らない。
どうしたものかと考えあぐねていた。

欲目とは分かっていても美人で優秀で穏やかで優しくいつも物事をありのままに受け止め微笑んでいる孫 愛を見知らぬ所へ 嫁にやりたくないというのも本音だった。勿論自分の側に置いて後々は 夫の家業を婿にそして愛には 自分の稽古事を継いで欲しいという気持ちもあった。それよりも 長い間 遠くへ留学させ一緒にいなかったからこれからという時にという思いもふっと彼女の中にあったのである。

ここに居れば 幸せで裕福で何も困らずに過ごせるものの見知らぬ土地で見知らぬ人達の所へ嫁に嫁がせるなんてとこの一年間どれだけ説得した事か・・・。
それでも もし相手側が気に入らずに離婚をすれば 帰ってくる理由だからと自分にいい聞かせていた。
気に入られない事はないと思ったが、何せ嫁ぐ所が嫁ぐ所 いくら我慢強く優しく言いなりになる愛でもそこまで庶民の暮らしの中で 歓迎されずに 自由もなく 主婦をするだけなんてあの子には無理だろうと思っていたからである。もっても一年だろう。そうすれば、次は 龍吾と結婚すればいいものと 弥生は微笑んだ。龍吾と愛、そしてひ孫達と暮らすのを楽しみにしながら 待つ事にした。

嫁に行った後の手配もできていて いつでも帰ってこれるようにしてあったし、向こうへ行っても一部報告するようにと既に 信頼のおけるものを送っておいたのである。

お茶をすすりながら 明後日がとうとう 愛が旅立つ日だと思うと少し胸があつくなったが、直ぐに手元に帰ってくるだろうと弥生は 思い お茶を飲んだ。

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