流風月海

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物語(自作小説)

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寅之助が電話口にいた。また例によっていつ来るのか攻撃だった。健太郎は 少し戸惑うと共に怒りもあった。昔の事とはいえ、今更調子が良すぎると思わずにいられなかった。

それは、光も感じていた。勿論もしも両親が反対されずに結婚していたとしても 母が無事だったという保証はない。だが、反対して仕切りをまたぐなとまで言っておいて 勘当して戸籍からも外してあるのに・・・健太郎の怒りはもっともだと思った。だが、寅之助の気持ちもわからなくはなかった。罪滅ぼしのつもりだろう。今まで何も出来なかった事、そして母の死、孫の自分を知らなかった事、全てがきっと彼の中で積もっていたものが 健太郎と自分にあった事によって軽くなり後悔が一揆にきてそれを何とかして取り戻そうとしているのかも知れない。

健太郎は ため息をついて 電話を切った。雅次郎の葬儀から毎日この調子であった。父だけではなく、義理父からも毎日のように連絡があり、いつ来るのかと毎回訊ねられるたびに 口実を作ってはやんわりと断っていた。仕事だったり、光の学校だったり・・・だが、母達の事を言われると少し辛かった。特に幸の両親には 申し訳ない気持ちがあるため なるべく光を連れて行きたいと思っていたが、葬儀が終わってから光は殆ど家にいない。チャンスがあるたびに話を持ち出そうとするが、うまくかわされていた。やはり 辛いのだろうか。

光は、そっと抜け出し 夜の街をさまよっていた。ここまで来てしまった。もう後戻りは出来ない。だが・・・。何人かのチンピラが 前をふさいだ。すっとかわしたが、しつこい。今喧嘩する気にはなれなかった。それに単なる暴力は 好きではないため 光はなるべく 余程でない限り相手にしない。
武術を学んでいるものの 基本だ。人や自分を守るためにあるものであり、喧嘩に使うものではないと。
チンピラ達はそれでも食いさがってくる。よけながら 前へと進んだ。さすがに相手もここまでコケにされるとプライドが傷ついたのだろう。襲いかかってきた。するっと脇へ抜け チンピラ達が転びながらも次から次へと立ち向かってくるのをなんとか避けて通っていたが、大通りに出てしまい 人がちらほらと見えてきたため 光は止まった。こうなったら相手をするしかないだろうと思った瞬間、どこからともなく「やめろ」という声がした。

チンピラ達は、そちらの方向へと目を向けて相手を見て驚いていた。光には 予想がついていたため見なかった。無視をして その男の横を通りすぎようとした時、腕をつかまれそうになり かわした。
「相変わらずだな〜」と男は言った。
「礼もなしか」と通りすぎる光を見ながら言うとチンピラ達が 「そいつの事知ってるんですか?」と不思議そうに訊いた。

その男は 苦笑した。「おまえらは 分からないか。地獄の天使だよ」と答えるとチンピラ達の顔色が変わった。「あれって伝説じゃないのか」「あんなガキが」などとお互いに言い合っていた。
光はちらっとその様子を見た。チンピラ達はとまった。確かに噂に聞いたとおりだったが、目の前にしてみると信じられなかった。血の気が引いていくのが、分かった。

光は 何も言わずにそのまま立ち去ろうとしたが、男が 「挨拶もなしか」と後ろから声をかけた。
軽く手をあげ そのまま光は歩いて行った。
「いつか絶対に射止めてやる」とその男は 呟いた。
チンピラ達は けげんそうにその様子を伺っていた。

ある建物の前で光は とまった。その建物を見上げていた。まだ迷いがあった。事業を立ち上げてからの方がいいのか それとも今入るべきなのか・・・。だが、そう簡単にはいくまい。
海神真一の事もある。いくら引退したからと言って目がひからないとは限らない。聞きつけてしまうかも知れない。そうなるとまたやっかい事がふえるだけだった。
取り合えずは この状態のままで始めるしかないのかも知れない。だが、それは危険を伴っていた。そのリスクを果たしてあいつらにかしてもいいものか・・・光はまだ迷っていた・・・。






 

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またまた違うエピソードが出てきそうですね。^^

2007/10/9(火) 午前 11:43 ソーダ水

ちょっと複線はりすぎでしょうか^^;;

2007/10/18(木) 午後 11:57 lukagekkai


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