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双望会の初日、10月19日(金)の深夜に小惑星による恒星食、別名「掩蔽(えんぺい)」がありました。
この現象はNinoさんから双望会メーリングリストにてご紹介いただき、天文ガイドの10月号にもしっかりと掲載されていました。
小惑星による掩蔽現象、私は観測するのは2回目という初心者です。
1回目は一昨年だったと記憶していますが、観測場所はORPでした。このときも情報提供はNinoさんからでしたね。
1回目の観測は、恒星の導入、追尾などは上手くいきましたが、小惑星による恒星の減光は観測できずじまいでした。どうやら、予報(掩蔽が観測できる位置を示したもの)が少々ずれたようです。
さて、今回は食の対象となる恒星は、うお座のTYC 0018-00319-1という9.6等星。対する恒星を減光させる小惑星はIo(85)という10.4等級です。
当日夜は双望会の初日であり、味噌おでん宴会もあり、果たして開始時刻の午前2時半すぎに「観望」ではなく、「観測」ができる状態でいられるかが懸案でしたが、なんとか持ちこたえ、本番を迎えることができました。
肝心の天気ですが、晴れてはいるものの、雲が多く、対象となる恒星は見えたり見えなくなったりの一進一退でした。
私自身は対象の恒星をNinja320に導入するのがてこずり、一度は導入したものの、雲で恒星が隠され、再び晴れた後、対象を見失い、本番の3分前くらいにギブアップ。
Ninoさんに導入してもらうというなんとも情けない状態で本番を迎えることになりました。
自称手動導入派の私ですが、うお座付近、特に苦手領域です。もっともっと腕を磨かねばなりません。
小惑星は刻一刻と対象となる恒星に近づいて移動しているのがよくわかりました。月が空を移動しているのは望遠鏡で見ていると背後の星との位置関係が変わることで容易に確認できますが、こんな小さな点が動いているのがわかる、というのはなんとも驚きです。
時刻はもうすぐ2時34分。いよいよ、というとき、、、
対象の恒星は雲に隠され、視界には何も見えなくなりました。ここでいっしょに観望していたみなさんからは絶叫とも悲鳴ともいえない悲痛な叫びを聞くことになりました。
もしこの場に徒空さんがいらっしゃったらどのようなことになっていたか。
徒空さんがいなかったのが残念でなりません。
食の時間は1分ほどですが、ついにその間、雲が取れることはなく、その時はあっけなく終わってしまいました。
食が終わって5分くらい経ってからでしょうか。皮肉にも雲が取れ、対象の恒星と小惑星を確認したところ、見事に食の前と、恒星と小惑星の位置関係が反転していました。当たり前ですけどね。
そして今日、12月5日。天文ガイドの1月号が発売となりました。
その中に、この小惑星掩蔽を観測した人たちの名前がずらっと掲載されました。
Ninoさんはじめ、一緒に観望したみなさんが名前を連ねました。双望会軍団が総勢7名です。
実際には観測できなかったのになぜ掲載?
これもNinoさんの粋な取り計らいでした。
結局、今回の恒星食についても予報がずれたようで、仮に晴れていたとしても恒星の減光は観測できなかった可能性が高かったそうです。
ところで小惑星による恒星食は観測すると何がうれしいか、これまであまり考えたことがなかったのですが、一言でいうと、各地で観測されたデータを元に、小惑星の大きさ、形を計算で求めるのだそうです。
恒星食の始まった時刻、減光している時間、減光が終了した時刻と観測地の緯度、経度より小惑星の大きさ、形が計算できます。これもデータが多い方がよいとのこと。
18世紀の金星の太陽面通過の観測は地球と太陽の距離を求めることが大きな目的ですが、現代は直径数km〜数十kmという小さな天体の大きさ、形を計算するところまで来ています。ただ、我々がやっていることの本質は18世紀も現代も変わらないですよね。
こうしたアマチュア天文家が観測結果を提供し、天文学のデータが蓄積されていくという味を知ってしまうと、この小惑星掩蔽という現象に対する感度も上がってきますね。
肝心の小惑星食を観測できなかったのは残念ですが、私は天文を始めて30年以上経過したこの日、天文ガイドデビューを果たすことができました。
Ninoさん、今回もありがとうございました。大変良い記念になりました。
次回からはしっかりと自分で導入できるよう、修行いたします。
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2012双望会
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久しぶりの双望会レポートです。
今年の双望会にて、少なからず衝撃を受けたのが、こちらです。
そう。その名も「馬頭用アイピース」。
そもそも馬頭星雲、5年前、この趣味に復活したときは、眼視で見ることができるなんて思ってもいなかった対象です。
それがそこそこの大きさの口径では眼視観望ができることを知り、たいそう驚きました。まあそこそことはいっても25cm以上でしょうか。
眼視OKとはいえ、さすがに淡い対象ゆえ、条件が良い空においてもHβフィルターはほぼ必須です。
加えて最近はやりの超広角アイピースだとオリオン座三ツ星の一番東側のζ星(Alnitak)が視野の中に入ってしまい、ただでさえ淡い馬頭星雲が確認しづらくなります。
それじゃあ、倍率を上げてζ星が視野に入らないようにすれば、と思われるかもしれませんが、倍率が上がれば視野は暗くなり、馬頭の確認も難しくなります。
また、Ethosなどの超広角アイピースはレンズ枚数が多く(Ethosのレンズ枚数は非公開のようです)、いわゆるヌケがそれほど良くなく、淡い対象の確認にはどちらかというと不向きのようにも思えます。
ここで登場するのが、エルフレ25mmであり、60°という、いまどきはそれほど広角とはいえない見掛け視界と単純な構成の光学系です。
ちなみにエルフレ25mmとNinja320の組み合わせでの馬頭の見え方は、こんな感じです。
オリオン座ζ星は視野の右下に追いやることができ、それでいて馬頭が適度な大きさで視野の中央にきます。
同様に、たとえばEWV 32mm 85°を使用するとこんな風になります。
視界内の右下の星がオリオン座ζ星です。
馬頭星雲は暗黒星雲ゆえ、馬頭そのものは光を発していないため、見ることができません。
よって、周りの散光星雲をトレースしていき、散光星雲がくぼんでいるところが馬頭となるわけです。
空の条件がよければ、馬のたてがみが見えるとか、馬がウッシッシと笑っているのが確認できるなんてことはなく、あくまで散光星雲のくぼみの存在がわかるかわからないかくらいの見え方なので、ある程度低倍率で、散光星雲をトレースできることが重要となります。
さて、今回の「馬頭用アイピース」、出品者はCivetさんだったと思います。
フリーマーケットに出品されているのは、エルフレだけではなく、テレビューのプルーセル25mm、タカハシLE24mmといずれも25mm前後の長さのアイピースですね。
思えば馬頭星雲の眼視観望にエルフレ25mmがいい!とは、もともとケーメーさんに教えてもらいましたが、エルフレ25mm = 馬頭用 とはいまや全国区になってしまいました。
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双望会レポートの再開です。
今回のテーマは「イタリアン」
まずご紹介させていただくのは、そらさんのZINGAROです。笠井トレーディング取扱の「旅行用」分解組立式15cmF5ニュートンです。笠井とイタリア RP-Astro社の共同開発品です。
そらさんはこれを携えケアンズでの皆既日食ツアーにまもなく出発されるそうです。ZINGAROはツアー中での夜の南天星空観望用とのこと。うらやましいですね〜。南天もさることながら、どうか今回は3年前の上海での敵討ちを果たすことをお祈り申し上げます。
同じくイタリアRP-Astro社と笠井が共同開発したものにTORINO-400DXがあり、これは今年もヨヲイチさんが持ち込みの予定でしたが、残念ながらTORINOの構成パーツのうちの1つを忘れてこられ、今回は組み立てかなわずでした。
以下の写真は昨年のものです。
昨年のヨヲイチさんの機材紹介は、主鏡に蛙が跳ねてくるというネタで笑わせてもらいました。
さて、つづいてはhasyamaさんのドールカーカム GLADIUS 250です。イタリア Lazzarotti Optics製。
この望遠鏡、一言でいうと「とにかくカッコいい」につきます。
デザイン、細かいところまでのきめ細かい仕上げはまさにイタリアンテイストです。
そういえば天文ガイド12月号にhasyamaさん投稿の金星の写真が入選されていました。こちらの写真も機種は異なるようですが、ドールカーカムでの作品のようです。大変お見事です。
最後となりましたが、「イタリアン」といえばこちらを載せないわけにはいかないでしょう。
そうです。かつさん・すずさんの恒例となりました「イタリアンスコープ」、通称「痛スコ メロンちゃん」です。
今年はMewlon 300CRSが「キャンバス」となっております。MewlonとMelonを掛けているところがすでに絶妙です。
鏡筒バンドもキャンバスの一部となっているところや、バランスウェイトや副鏡裏にもしっかり描かれている点もさすがです。
それにしても毎年高まるばかりの周囲の期待にこたえるには並々ならぬプレッシャーがあると思います。ネタを考案、準備されるのも大変なご苦労と推察いたします。
すずさんに、「毎年大変ですよね。普通の望遠鏡持ち込むわけにもいかないし。来年はどうするんですか?ネタに困ったら来年はすずさんが萌え衣装着て会場の花になるしかないわな〜。」と振ったところ、「(衣装を着て登場した)最初のうちはいいけど、だれからもかまわれなくなった時が悲しいですよね〜。」とおっしゃってました。ごもっともなことです。
来年も期待させてもらいます。
つづく
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さて、ぼちぼちと双望会において気になる機材について書いていきたいと思います。
最初のキーワードは「田口鏡」。
まずはこちら。横山さんのビクセン クエーサー改 10cm F10。
この筒、主鏡は田口鏡に換装されています。斜鏡もオリジナルの短径25mmから22mmに変更されており、架台も高倍率での惑星観望のため、こっつい仕様となっております。
このクエーサー改では木星を見せていただきましたが、ものすごい切れ味でした。
10cmであることを忘れさせるコントラストと細部までの表面模様が圧巻でした。
そしてこちらが今回の双望会で楽しみにしていた横山さん自作の5cm F17ハーシェルニュートンです。ハーシェルニュートンは主鏡を鏡筒の中心軸に対して傾け、これに伴い、斜鏡も鏡筒中心軸からオフセットして取り付けます。
鏡筒先端に偏心絞りを設定すれば、実質、斜鏡による遮蔽はゼロとなる光学系です。
このハーシェルニュートンの主鏡は横山さんの自作です。
自作を後押ししたのが、あの田口鏡で有名な、田口武夫さんとのこと。
今回、横山さんが持参された機材紹介シートには、どれも主鏡のフーコーテスト写真が掲載されています。
わりと最近知ったことなのですが、田口さんはタカハシ製作所に在籍しておられたそうです。その田口さんが現在は「富士オプティクス」という会社を設立され、横山さんのハーシェルニュートンの主鏡の研磨キットは富士オプティクスの提供だそうです。
田口鏡ではないのですが、田口さんつながり、ということでこの場に登場いただきました。
さて、こちらのハーシェルニュートン、肝心の月、惑星の見え方はどうでしょう。
一言で申し上げると、5cmとは思えないコントラスト、シャープな見え味でした。
ほかの望遠鏡ともう少し見比べがしたかったですね。これは来年の楽しみとしときましょう。
さて、田口鏡シリーズ最後はNinoさんのTS-160Xです。こちらは田口さんがタカハシ製作所の研磨室室長だったころに製造された18台限定版だそうです。
見え味については、今更私ごときがあれこれ申すまでもありません。
私の中でこれまでに見た、「すごい惑星像」はことごとく、このTS-160X様が絡んでいます。このような筒をわりと頻繁に覗ける私は幸せ者です。
ちなみにGoogleで「田口鏡」と入力すると横山さんと私のブログ記事がトップに出てきます。それほどマイナーなキーワードではないと思うのですが。。
つづく
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双望会での楽しみ。もちろん様々な工夫を凝らした機材を堪能することと参加者のみなさんとの交流が第一ですが、もはや双望会で外せないものとなりつつあるのが、ケーメーさん、そらさんの「鍋」と「おでん」です。
昨年の双望会は2日目の夕食がおでんとなり、夜食メニューと被ってしまいましたが、今年はおでんはおでんでも、「名古屋風味噌おでん」です。と書くと私もおでん作りに参画しているような印象を受けますが、私は具材を提供しているだけで、毎度のごとく上げ膳据え膳です。ケーメーさん、そらさん、いつもいつもありがとうございます。私の場合、大根の皮をむくのも怪しい状況。たまには家で料理でもしてみようか、とも思うのですが、なかなか。。
人生を楽しくするために乗り越えるべき、次の壁かな。
名古屋風味噌おでん、愛知県に住み始めてから20年近くになりますが、まだ片手で足りるほどしか食べたことがありませんが、その味は絶品でございます。
さて、夕食前にさっそく「フライング」です。これも双望会での楽しみのうちの1つです。
あっという間に缶ビール2本を空けてしまいまいした。
自然の中で、特に青い空の下でのビールは最高!です。双望会に限らず、到着時間が早い場合、遠征先で軽く一杯やりますが、双望会の場合の開放感は格別です。
いざとなればバンガローでいつでも寝ることができるという安心感がそうさせるのでしょう。
時刻はあっという間に17:30。開会式に引き続き、夕食の時間です。
メニューはすっかり恒例となっているハンバーグです。
この合宿所のような雰囲気も好きですね。
つづく
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