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今から約17年前に、私は日経文庫から「ビジネス数学入門」を出版しました。当時は、「ビジネスは数学と無関係」という一種の迷信のようなものが不思議に思われない世相でした。そこで、その迷信を過去のものにすることを第一に考えて出版したのですが、今から見直すと荒削りな内容で舗装されていない凸凹道のような面もあったと反省しています。しかしながら、佐藤優さん他の方々から評価していただいたこともあって、何回かの増刷の後、在庫が0の状況がずっと続いていていました。
転機が訪れたのが今春で、早稲田大学政経学部が2021年度入試から数学を必須化する発表がありました。このニュースは、上記の迷信は過去のものになったことを実感するものでした。そのとき、ふと「ビジネス数学入門」のことを前向きに思い出し、この本の第2版を出版しようと決めました。当然、第1版の荒削りな面を丁寧に書き直して、さらに新たに基本的ないろいろな題材を書き加えることにしました。その結果、第2版といっても第1版とは大きく異なる書として完成し、11月中旬に出版の運びとなりました。具体的な目次は以下です。
序章 なぜ数学力はビジネスに必須なのか 第1章 基礎的な発想を身に付けよう 1 言葉の定義と意味を大切にしたい 2 定理や公式は深く理解すべき 3 抽象的な概念はそれだけ応用が広い 4 数字だけではなく、視覚的に捉えよう 5 微分積分に対する意識過剰は考えもの 6 2 種類ある説明の仕方 7 数学の発想で理解するマーケティング 8 順序付けで注意すべきこと 9 統計調査の方法とモラル 10 適当な数学モデルと不適当な数学モデル 第2章 算数の応用で差をつける 1 2 通りに数えて確かめる 2 アナログとデジタルの違いに注意 3 図を用いた説明 4 金利計算で必須な端数計算 5 縮尺と方眼法を使いこなす 6 1 単位当たりで考える習慣を 7 名目と実質はどう違う 8 フローとストックの発想 9 裁定取引で復習する大小関係 第3章 最適を求める――1 次関数と符号の応用 1 有利なプランや所得税を求める1 次関数 2 先物取引も1 次関数の応用 3 最大売上高や最小仕入額を求める線形計画法 4 具体例から学ぶ「誤り検出符号」と「誤り訂正符号」 第4章 変化をとらえる――数列と対数の応用 1 株価を見るとき、なぜ対数がよいのか 2 累乗の恐怖と自然対数の底 e 3 3 種類ある平均と加重平均 4 積立貯金と元利均等返済 5 債券の現在価値とニュートン法 6 乗数効果を一般化して得られるビジネスでの発想 7 サービスカウンターの数を扱う待ち行列 第5章 戦略を立てる――確率の応用 1 1 人を公平に選ぶ方法 2 じゃんけんで復習する確率計算の基礎 3 まぐれ当たりと大数の法則 4 仕入れ方で学ぶ期待値 5 野球で学ぶ独立試行の定理 6 左右の癖で学ぶ二項分布と有意水準 7 まれに起こる事象を扱うポアソン分布 8 行列ゲームとミニマックス定理 9 市場のシェアの推移を扱う確率行列 第6章 効率化を進める――組合せ論の応用 1 最短通路問題の発想 2 逆向きに考えるPERT法の発想 3 デザイン論の応用 第7章 因果関係を見抜く――統計の応用 1 有効求人倍率と完全失業率 2 標準偏差と相関係数 3 傾向を表す回帰直線 4 正規分布と正規検定 5 χ2分布とχ2検定 6 仮説検定は単なる出発点 7 多変量解析の基礎となる距離と固有値の考え方 |
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2018年10月26日
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