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本日、ネットニュースをパラパラ見ていたところ、9月3日付の報知新聞に次の内容の記事が載っていました。その計算は、じゃんけん大会公式ガイドブック誌上のもののようですが。
AKB48じゃんけん大会の予想で、上位8連単を当てるとAKBと雑誌の表紙に出られるそうで、その確率を書いてあります。トーナメントは8グループに分かれていて、8強に進出するメンバー全員の名を的中させる確率は3826万3753分の1。8人の順位が決まる確率は4万320分の1。よって、1兆5427億9448万640分の1が求める確率だと。
そこで注目しなくてはならないことは、各グループには8人か9人います。なお、現在、欠場することになった3人の扱いは、私には補充するかしないか分からないので、とりあえず新聞報道のように、当初のトーナメント表をそのまま適用することにします。
トーナメント表には9人入っているグループが7個、8人入っているグループが1個あります。したがって、全参加者は9×7+8=71(人)となります。
上記の記事で、「8人の順位が決まる確率は4万320分の1」は正しいです。これは、各グループの代表それぞれ1人が選ばれた段階で、その8人の順列の数は
8×7×6×5×4×3×2×1=40320
だからです。ただしこの計算ができるのは、前提として、8人を一旦集めて、それから合理的な公平な順序付けをするものと解釈しました。あるいは、トーナメント表だけで決めるのは1位だけとして、あとの7人は2位から8位を合理的に公平に決めるとかです。要するに4万320分の1を信じる立場で考えました。
また、8強を的中させる確率と8人の順位を決める確率をそれぞれ掛け合わせて、最終的な確率を出す発想も正しいです。
問題は「8強に進出するメンバー名を的中させる確率は3826万3753分の1」という部分です。この計算は次のように間違ってやったと考えます。なお、最後の末尾の3と2の違いは御愛嬌で許したいものです。9を7回掛けて、それに8を掛けたのです。
9×9×9×9×9×9×9×8=38263752・・・(*)
ところが、柏木由紀さんと菊地あやかさん、石田晴香さんと仁藤萌乃さんの初回の対戦組のように、グループトップの8強に入るためには、その他の人達より1試合多く勝たなくてはならない、運に恵まれていないメンバーがいます。その方々は4回勝たなくては8強に入りません。それ以外の方々は3回勝てば8強に入ります。4回勝つ確率は16分の1、3回勝つ確率は8分の1です。したがって、柏木さんや石田さんの名前を書いて当てる確率はずっと低くなります。それなのに、新聞紙上(公式ガイドブック誌上?)での上記の計算は、たとえば柏木さんのグループに入っている河西さんと柏木さんの8強進出確率、あるいは石田さんのグループに入っている石田さんと高橋さんの8強進出確率を等しいとして計算しているのです。
その間違った部分を修正して計算すると、柏木さんや石田さんらの不運な立場で参加するメンバーを徹底して予想に入れて計算する場合、8連単を当てる確率は
{(16の7乗×8)×40320}分の1=86586540687360分の1
となります。一方、彼女らのように不運な立場で参加しないメンバーだけを徹底して予想に入れて計算する場合、8連単を当てる確率は
{(8の8乗)×40320}分の1=676457349120分の1
となります。
以上から、8連単を当てる確率は、「676457349120分の1から86586540687360分の1」が正解です。約6700億分の1から約87兆分の1なのです。
私は、昨年8月末日に出版された「AKB48じゃんけん第1回選抜公式ガイドブック」に、1ページの執筆をFLASH編集部から依頼されて書きました。そして事前に発表されたトーナメント戦の形から、(人気投票で決めた)総選挙ベスト16人がじゃんけん選抜16人に何人入るかという期待値を計算し、結果の4.25人を誌上に残しました。当然、その計算では、上で指摘したようなブロック(グループ)内での運・不運をしっかり加味して計算しました。そして、9月21日に日本武道館で行われたじゃんけん大会での結果は4人で、どんぴしゃり当たりでした。これは記憶に残る嬉しい思い出です。さらに、その公式ガイドブックでは、それが4人になる確率も計算して残しました。結果として残した32768分の8602という数字も、ブロック(グループ)内での運・不運をしっかり加味して計算しました。この計算は、理系学部の入試レベルも超えると思う面倒なものでした。ちなみに、昨年の公式ガイドブックには、4人になる確率の32768分の8602ばかりでなく、それが0人から10人までの(可能性が0でない)場合はすべて計算して表に残しました。
今回のじゃんけん大会公式ガイドブックの作成にはまったく関知していないので何も分かりませんが、はっきり言えることは、新聞報道(公式ガイドブック誌上?)の計算ミスの背景には、確率の基礎概念である「同様に確か」というものの理解を疎かにする日本の数学教育の問題点があります。だからこそ私は、昨年3月に出版して話題になった「新体系・高校数学の教科書(上・下)」では、その点をしっかり強調して書いたのです。今回の一件を前向きに捉えて、国民が確率を論じるとき、皆が「同様に確か」を意識することを期待します。
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