芳沢光雄ほのぼの日記

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 本日、ネットニュースをパラパラ見ていたところ、93日付の報知新聞に次の内容の記事が載っていました。その計算は、じゃんけん大会公式ガイドブック誌上のもののようですが。
 AKB48じゃんけん大会の予想で、上位8連単を当てるとAKBと雑誌の表紙に出られるそうで、その確率を書いてあります。トーナメントは8グループに分かれていて、8強に進出するメンバー全員の名を的中させる確率は3826万3753分の1。8人の順位が決まる確率は4万320分の1。よって、1兆5427億9448万640分の1が求める確率だと。
 そこで注目しなくてはならないことは、各グループには8人か9人います。なお、現在、欠場することになった3人の扱いは、私には補充するかしないか分からないので、とりあえず新聞報道のように、当初のトーナメント表をそのまま適用することにします。
 トーナメント表には9人入っているグループが7個、8人入っているグループが1個あります。したがって、全参加者は9×7871(人)となります。
 上記の記事で、「8人の順位が決まる確率は4万320分の1」は正しいです。これは、各グループの代表それぞれ1人が選ばれた段階で、その8人の順列の数は
 8×7×6×5×4×3×2×140320
だからです。ただしこの計算ができるのは、前提として、8人を一旦集めて、それから合理的な公平な順序付けをするものと解釈しました。あるいは、トーナメント表だけで決めるのは1位だけとして、あとの7人は2位から8位を合理的に公平に決めるとかです。要するに4万320分の1を信じる立場で考えました。
 また、8強を的中させる確率と8人の順位を決める確率をそれぞれ掛け合わせて、最終的な確率を出す発想も正しいです。
 問題は「8強に進出するメンバー名を的中させる確率は3826万3753分の1」という部分です。この計算は次のように間違ってやったと考えます。なお、最後の末尾の32の違いは御愛嬌で許したいものです。97回掛けて、それに8を掛けたのです。
 9×9×9×9×9×9×9×838263752・・・(*)
ところが、柏木由紀さんと菊地あやかさん、石田晴香さんと仁藤萌乃さんの初回の対戦組のように、グループトップの8強に入るためには、その他の人達より1試合多く勝たなくてはならない、運に恵まれていないメンバーがいます。その方々は4回勝たなくては8強に入りません。それ以外の方々は3回勝てば8強に入ります。4回勝つ確率は16分の13回勝つ確率は8分の1です。したがって、柏木さんや石田さんの名前を書いて当てる確率はずっと低くなります。それなのに、新聞紙上(公式ガイドブック誌上?)での上記の計算は、たとえば柏木さんのグループに入っている河西さんと柏木さんの8強進出確率、あるいは石田さんのグループに入っている石田さんと高橋さんの8強進出確率を等しいとして計算しているのです。
 その間違った部分を修正して計算すると、柏木さんや石田さんらの不運な立場で参加するメンバーを徹底して予想に入れて計算する場合、8連単を当てる確率は
 {(167乗×8)×40320}分の186586540687360分の1
となります。一方、彼女らのように不運な立場で参加しないメンバーだけを徹底して予想に入れて計算する場合、8連単を当てる確率は
 {(88乗)×40320}分の1676457349120分の1
となります。
 以上から、8連単を当てる確率は、「676457349120分の1から86586540687360分の1」が正解です。約6700億分の1から約87兆分の1なのです。
  私は、昨年8月末日に出版された「AKB48じゃんけん第1回選抜公式ガイドブック」に、1ページの執筆をFLASH編集部から依頼されて書きました。そして事前に発表されたトーナメント戦の形から、(人気投票で決めた)総選挙ベスト16人がじゃんけん選抜16人に何人入るかという期待値を計算し、結果の4.25人を誌上に残しました。当然、その計算では、上で指摘したようなブロック(グループ)内での運・不運をしっかり加味して計算しました。そして、921日に日本武道館で行われたじゃんけん大会での結果は4人で、どんぴしゃり当たりでした。これは記憶に残る嬉しい思い出です。さらに、その公式ガイドブックでは、それが4人になる確率も計算して残しました。結果として残した32768分の8602という数字も、ブロック(グループ)内での運・不運をしっかり加味して計算しました。この計算は、理系学部の入試レベルも超えると思う面倒なものでした。ちなみに、昨年の公式ガイドブックには、4人になる確率の32768分の8602ばかりでなく、それが0人から10人までの(可能性が0でない)場合はすべて計算して表に残しました。
  今回のじゃんけん大会公式ガイドブックの作成にはまったく関知していないので何も分かりませんが、はっきり言えることは、新聞報道(公式ガイドブック誌上?)の計算ミスの背景には、確率の基礎概念である「同様に確か」というものの理解を疎かにする日本の数学教育の問題点があります。だからこそ私は、昨年3月に出版して話題になった「新体系・高校数学の教科書(上・下)」では、その点をしっかり強調して書いたのです。今回の一件を前向きに捉えて、国民が確率を論じるとき、皆が「同様に確か」を意識することを期待します。
 
日本数学教育学会全国大会での、中学部会での講習会講演(7月30日)、
高校部会での講演(8月1日、2日)、それらがすべて終り、やれやれです。
予想外に多くの先生方が全国から集まっていただき、また非常に喜んでもらって、
心から嬉しく思います。
これを機に、各地での教員研修会や出前授業の出張も増えるかと思いますが、
せいぜい体力を付けて頑張りたいと思います。
この1週間は、札幌での北の教育文化フェスティバルから始まって、
主に全国の小・中・高校の先生方のべ1000人超の皆様に話したことになり、
真剣に耳を傾けていただいたことに深く感謝いたします。
 3年前に同志社大学理工学部に新設された数理システム学科は、「数学は役に立つ」「古き良き時代の数学科の夢を追う」等々のコンセプトをもってスタートしました。私も、当学科主催の講演会「見方で変わる数学の学び」や教員免許講習の講師をお引き受けしたり、微力ながら応援させてもらっています。
 先週末から私が前期に担当する「数理システム特別講義 I 」がスタートし、夢をもって学んでいる学生諸君と会うことができ、充実した気持ちになってきました。集中講義ならいざ知らず、のべ5日間(各3コマ)の授業のために、授業としての手当の他に往復新幹線代および宿泊費も出していただいているので、申し訳ない気持ちすらあります。後期に入れ替わって行われる「数理システム特別講義 II 」は、野村総研常務執行役員の此本臣吾氏、日本銀行金融研究所参事役の小田信之氏、衆議院議員の平智之氏の3氏が一緒に担当されます。
 同志社大学工学部時代から在籍しておられた数学の先生方を中心に、手作りの広報活動も精力的に行われてきたこともあって、当学科に対する社会、高校、予備校、受験生からの評価が年を追うごとに高くなってきていることが、手に取るように感じます。実際、非常に優秀な高校生が続々と入学されてきたことが様々な情報から理解できます。
 先日、近鉄の新田辺駅で乗ったタクシーの運転手さんがなぜか詳しく知っておられて、「お客さんが東京からお出でになった先生とは驚きですが、ここの数理(システム)学科は関東からも優秀な高校生が入学していると、偶然ですが先日のお客さんが話しておられましたわ。この辺りは昔の人の知恵で、災害とは無縁な土地ですし、住むには最高の土地ですわ。・・・」、と話していただきました。実際、どこの大学の入学試験合格でも、歩留まりを計算します。これは他大学にも合格する生徒のぶんも加味して入学者の数を予測するのですが、今年は”嬉しい?誤差”が出て、明るく優秀な新入生が多くなったとか。
 昨年の数理システム特別講義 I では、「私は数年前に、三重県の高校生対象に行われた芳沢先生の出前授業を受けて、いまここにいます」、と学生さんに言われたときは本当に嬉しかったです。このような出会いがあるので、体力的には厳しくても、今年もお引き受けした次第です。
私は3月12日に、同志社大学文化情報学部完成を記念するシンポジウムでの基調講演をお引き受けしました。
大学の事情に詳しくない方のために説明しますと、大学の学部は卒業生が出て初めて完成となります。
それで、そのシンポジウムを行うことになったそうです。私にとっては荷が重い仕事ですが、意義のある仕事であることは確かです。
考えてみると、同志社大学文化情報学部は数学や統計も駆使して、文学作品やスポーツほか様々な対象について斬新な研究を進めており、多くの大学にある意味がいま一つ定かでない学際学部とは異なって、非常に意義のある研究と教育を実現しています。
私は17年間に渡って様々な数学活動を展開してきましたが、数学が様々な分野で効果的に使われることを実践して示している同志社大学文化情報学部の活動には頭の下がる思いです。
3月12日は、立派な講演をするように準備しないといけませんね。
ふと思い出しましたが、その1週間前の6日には、大学コンソーシアム京都のFDフォーラムで「文系大学生に対する数学教育」について講演することになっていました。
これも頑張らないといけませんね。

数学で遊ぼう

約1年半前に出版した「数学で遊ぼう」(岩波ジュニア新書)は私の出前授業の内容が多く含まれていますが、サッカー日韓戦のあった日に、それが韓国の出版社から翻訳して韓国で販売したいとの連絡が岩波書店に入りました。すでに何冊かの著書は韓国や台湾で翻訳本が販売されていますが、熱く燃えた日韓戦の日に決定したことは偶然とはいえ、いままでの翻訳決定とは違った嬉しさがあります。来週は入試で、頭が痛いだけに元気がでました。

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芳沢光雄
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