m12ozの日記

お絵描きと粘土遊びで考え感じた文字。

Pietra/高麗川の石

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

散り積もる白梅。

radioioStandards.
You Go To My Hwad./ Scott Hamilton.
Lush Life./ Rick holland.



埋められた高麗の石に向い散るその白色は、玄関までもを被いつくす。
白色の落ち果てた無数の小さな花弁下、地中に埋っている。昨夏の噴きだす粘りあるレモンの酸味を含むあの頃の汗、微妙に崩れゆく脳細胞からの信号も、折れ放つ心と動きも。
握り固められ湿りを抜かれた粘土塊も、梅の木下に高麗川から採取した石と共に埋められ地中に在る。
今、それ等が全て白色で被われ、その場は湿りを持つ。
で、それが、何なんだ。


Bemsha Swing./ Roy Haynes.
Stablemates./ Miles Davis Quintet.

梅の木の下。

SKY.FM - Solo Piano.
How Insensitive./ Fariborz Lachini.




雨戸を全て開け放すと、
もう春の朝日が部屋を満たし、磨りガラスを抜けて部屋を満たす。
梅の木が満開するもう三月なのだが、その下の地中には、大量の高麗石が埋もれている。ずいぶんの粘土を握り込み、たくさんの高麗石を運び、埋めて来た。
痕跡を残す大量の小さな粘土塊から抜けゆく湿り全ては、その埋められた高麗石が受けたはずの数年だったが、もう、いいだろう。

Throwing the Dice./ Isadar.
Golden Glow./ Louis Landon.




http://blogs.yahoo.co.jp/gigei10/57166255.html

たばことエスプレッソで小休止をして、gigei10氏のブログを覗いた。
何の変哲も無い箱の写真があった。ボイスの作品である。決して物を創る全ての人ではないが、驚く美しいサインに出会う事がある。ボイスのサインはやはり美しい、年号を記した数字までもが美しい。単なる記号ではあるが。

もう昔の事だが、南伊の小さな村、マンモラで一夏を家族と過ごした。
その地で、はじめて文字を書けない人と知り合いになった。50歳前後で崩れる事は決してない体躯と終り無き精力を感じさせる男で、日本文字での僕の名前を異様に興味を持つ男だった。
僕の名前を書き示した後、彼の名前を書く文字に驚いた。それは「XXX」。三つのXが横に並ぶ記号だった。
何度も書いて見せてくれる三つのXは微妙に変化しているが、美しいサインで、最初に書き示した僕の署名と比べるとその差は明白で、僕のそれは大きな何かが抜け落ちていた。以来、心してサインをしてるが、抜け落ちてる「何か」が今もわからない。
そんな事を、ボイスの数字とサインで思い出した夕刻だった。

Candle in the Wind./ Michele Allen Harrison.

Sigh.

SKY.FM-Solo Piano
Across the Waves. / Fariborz Lachini.
Touched. / Joe Bongiorno.
Candle in the Wind. / Kostia.



ため息をつき、うなぎの水槽水を取り替えようと思った。
一匹のうなぎは、沈められた高麗の石と石の間にいつも身を隠す。もう一匹は浮かぶ水草にその身を預け、ゆらりと預け切れぬ余る身を垂直に垂らす。どちらもゆるりの呼吸を忘れ、思い出した時に、二度ほどそれを繰り返す。どちらも僕を察知すると、わずかに動き隠れの意志は見せる。が、ほぼそのままの姿を晒すままだ。


Sigh. / Kate Moody.
Hey Jude. / Jon Simon.
The First Steps. / Dionisis.

高麗神社。

暖かい陽の中、高麗神社へ自転車で行った。
取りたててお参りする理由もないし、まして神社、仏閣に何かを願う事もない、信仰心も僕にはない。多分、今後もないだろうが、教会、神社、仏閣など信仰の場となる空間は好きだ。
蛇行する高麗川の川原は特に好きで、夏過ぎまでは何度も往復して梅の木の下に多くの石を持ち帰り、埋め込む作業に夢中になったのは川原の背後に高麗神社が控えていたからだろう。
サンタンブロージォのロマネスク教会、「御者の像」を祭るスーニオンも高麗神社の川原も僕の中では同様の位置を示し、何か「すーっと」心が抜ける空間だからだろう。
川原では黄色の素敵な腹部を持つ小鳥を見た。その色に魅せられ、その小鳥の他の部分を憶えていないが、ゆるりと流れる川中にある石の頭に止まり、その黄腹部を激しく動かし、飛び去った。
高麗の石は採取せずに帰ったが、神社の入り口に散っていた銀杏の葉、五枚は机の左に在る。

思い考える外の状況だった。
あの定め決められた場は輝きながら流れ去る全体の輝きに光り、増水していた。足首を捕え触る高麗の本流の流れにその場は戻り、その定められた場に踏み入る思いは膝下を触り流れ去る位置でたどり着いた。その場で輝きとその流れを真俯瞰する向こう側の底に石は在り、動き動きに見える様を確認して戻った。
今も触られた感触と水の冷たさは膝下に在るが、石は無い。

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事