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自己満足的観劇レポその7。 クライマックスのシーンを書き連ねていくうちに、前回の更新で結構重要なシーンをすっとばしていた事に気づいてしまったり(汗) 主人公と一緒に行動する春は、唐突に歌う、叫ぶ、そんな調子でどこまでもフリーダム。 いよいよ具合が悪くなるちょっと前くらいに、彼女ははこんな行動を起こしていました。 空を見上げて、突如大声で叫ぶ春。 「私は、キミのことが大好きだーーーーっ!!」 ギョッとする主人公。 春は続ける。 「せかーーーい!!」 あ…ああ、と納得する主人公に向き直り、春は一言。 「へへっ。世界、誘惑しちゃったぜ!」 「この世界が大好きだ」と叫んだ春ですが、このちょっと前に「私が初めて知った外の世界がキミで良かった」と言ってるんですよね。 春にとって世界と主人公は同義語でもあった訳であって。 思い返してみればクライマックスの展開に繋がるシーンでした、ココ。 風俗ライター・吉村が自刃した屋上の出来事から、時間軸はわずかに戻る。 ◆ 春を背負い高校に到着した主人公。 春は朦朧ながらも意識を取り戻している。 既に人気がなくなっている高校内を歩くうちに、ある一室で佇んでいる男と出会う。 「あ……僕は誰だの人だ」 主人公の背から降り、小さな小箱を膝に抱えた白衣の男に声をかける春。 「僕は誰だ。おーい。」 「…それは僕の名前じゃない。 君達、早く逃げるんだ。ここはもうすぐ崩壊する」 避難民や看護士たちは既に地盤がしっかりした西方面へ移動したと聞き、看護士の無事を安堵する春。 「あなたも早く逃げたほうがいいですよ」 主人公の呼びかけに首を振る白衣の男。 「僕には責任がある。君達と一緒には行けないんだ…」 小箱を持つ白衣の男の手が震えている。頭を抱える白衣の男。 「駄目だ…!僕にはできないっ…! 僕が、僕がこの箱を開けさえすれば全部終わらせられるのに! 世界は救われるというのに…!」 ◆ 白衣の男のいつかの記憶。 風俗ライターと白衣の男との対話。 ライターは白衣の男に語る。 「エキドナはね、ばら撒く予定の日時より早く太陽光線に晒すと死滅させることができるんだ。 ただ、箱を開けた時に新鮮なエキドナが漏れちゃうからねぇ、箱を開けた人間だけは助からない。 …何で僕がこんな事知ってるのかって? それはね、僕がずーっと"世界の終わり"を取材し続けてたからなんだなァ」 ◆ 「はっきりと思い出せる。今なら、あの男の言葉が」 白衣の男は自分に言い聞かせるように呟き続ける。 「これは走馬灯なんだ。だから、僕がやらなきゃいけない……でも…… 僕は…………」 「あのさ…」 朦朧としながら主人公に抱えられている春が口を開く。 「なんだかよくわかんないけどさ… それ、わたしがやるよ」 「そんな……何言ってるのさ、春」 「この人、放ってはおけないよ…… だからさ、キミはさ……、この人、助けてよ」 「そんなことできるわけないじゃないか! だ、だって、それって、それを開けたら春が死んじゃうって事だよ!」 「もう、人が死ぬのは見たくないの!!」 春の叫びに一瞬たじろぐ主人公。 「……キミも本当は気づいてるんでしょ…? わたし、外の世界じゃ長く生きられないんだ。 呼吸の仕方が下手なんだって。 そんな事言っても、無理だよねぇ。 こんな、生きてるーって、超実感してるのに、息するな、なんて」 「だから…だからって、春が死んでいいわけない!」 春は、白衣の男の手からエキドナの小箱を奪うと、よろよろと走り出す。 制止しようと手を伸ばす主人公。 「春!」 「ついて来るなぁーーっ!!」 立ち止まり叫ぶ春。 「わたしだって!!」 春の気迫に主人公の言葉が止まる。 「わたしだって、死ぬために生まれてきたわけじゃない!! 今までも、一瞬一秒、力の限り生きてきたし、今だって精一杯生きてる!! それにね。」 主人公に向き直り、笑顔で春は告げる。 「わたしはね……これからも生きていくんだよ」 立ち尽くす主人公。 春のその言葉に決意の固さと真意を受け取った主人公は、嗚咽を漏らしながら春に背を向け、白衣の男を肩に抱えて部屋を後にするのだった。 「繋いだよ」って事なんですよね。 春が「これからも生きていく」と告げた直後から流れはじめる『キミの隣で…』のイントロが反則級に切なくて良かったです。 ここからエピローグが始まるまでずーっと流れていたので、次のシーンのBGMも『キミの隣で…』です。 脳内再生推奨。 4つの椅子の空間。 女子高生とライターが座っていた椅子は既に空席となっている。 「これって、慣れれば結構楽しいんですね」 椅子から立ち上がり跳ねるように浮かびはじめる女子大生と、椅子に座ったままそれを眺めている秘書。 「ここでの記憶って、やっぱりもとの世界に戻ったら忘れちゃうんでしょうか」 「どうなんだろうね」 秘書の言葉に、どことなく名残惜しそうな女子大生。 「……それじゃわたし、そろそろもとの世界に帰りますね。 あなたは、まだ戻らないの?」 「………」 「…どうしたの?」 「ひとつだけ、わかったことがある。 ……どうやら、僕だけは死んでしまっているみたいだ」 その言葉に、女子大生は飛び跳ねるのをやめて秘書を見る。 「僕は、君達のように高揚感を感じることもないし、浮かぶこともできない。 多分、僕だけは、あの雪崩に巻き込まれた時……死んでしまったんだ。 だから僕は……戻れない」 そう言い、うつむく秘書。 女子大生は静かに口を開く。 全ての青佐萌えに捧ぐ。いや大真面目に。 マチネ観劇の萩原秘書&田中女子大生回は、秘書の「僕だけは死んでいる」発言に、ああ、やはり公式的には青山は富坂と一緒に沈んでしまったって事なのかな…と例によって1分程心ここにあらず状態でやりとりをよく覚えていませんでした。 で、心落ち着けてソワレの眞鍋秘書&三輪女子大生回。 正直、役者さんの立ち居地はよく覚えていないので、上記の喋る向きだとか顔を上げるとかは当方の創作が入っています。 ただ、眞鍋さん演ずる秘書の最後の「そっか」が、諦めを受け入れつつもどこまでも優しくて穏やかな声だったのがすごく良くて、私の中ではこういう方向に定まっています。 観劇した人によっては、秘書がした許されない事=黒服を平気で撃ち女子大生を騙してディスクを手に入れようとした事、と判断されそうなので、『秘書のした事の許されない具合』がそうでもないように思われるかもしれませんが、状況と原作準拠で考えると、おそらく女子大生の姉を殺した張本人も秘書なんですよね。実際、姉の霊魂を見た秘書は「どこかで見覚えがないか」と言っていましたし。 その設定を念頭に置いた上で観るこのシーン。 望む愛を得られずに悪事に手を染め消えていく秘書を複雑な想いを抱えて絶対に忘れないと告げる女子大生。 自分の存在を認識してくれた女子大生の言葉と自らの死を受け入れた秘書。 素直に泣きました。 引き続き、BGMは「キミの隣で…」。 しつこいようですが脳内再生推奨。 「この世界すべてを愛している」 そんな笑顔を浮かべたまま、墜落を繰り返す雪と共に春は墜落していく。 主人公は、そんな春の笑顔を見てはっきりと自覚する。 そんな笑顔を浮かべる春の事が愛しくてたまらくて、だけどどうしようもなくて。 どうしようもなくて見上げた空には墜落を繰り返す雪が降る。 けれど、主人公の目に見えていたのものは、雪ではなく―――― 主人公の目に映る風景、それは、一面の桜吹雪。 春が見たがった風景、そして、春に見せたかった風景。 春はこの世界を愛していて、君はこの世界を救ったから、 今、この世界は君そのもので。 主人公は、いつかの春のように、虚空に向かって泣き叫ぶ。 「大好きだ! キミのことが、大好きだぁーっ!!」 脚本の雰囲気に引きずられてポエマーモード全開でお送りさせていただきました。 桜については解釈が分かれそうですが、私は、桜は主人公の想いが見せた幻であって実際には降りつづけていたのは雪だという解釈をしています。 この桜の場面を描きたい想いもありましたが、逆にここを描いてしまうのは無粋だなぁとも思い、文章のみです。 慣れない久々の絵描きに精魂尽きたという説も(汗 |
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