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ニュースサイトを見ていると、京都の東本願寺 御影堂の屋根修理が完了し、ふき納め式が執り行われた事が報じられていました。

御影堂は今から約360年前の寛永13年(1636年)に建立され、その後幾度かの大修復を経ていますが、中でも屋根の修復は約110年ぶりだそうです。
これで約17万枚という途方もない数の吹き替えが完了したことなります。
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(撮影:上田潤)
 ・京都・東本願寺御影堂の屋根修理、17万枚ふき納め式(asahi.com)
 ・本願寺御影堂平成大修復/屋根瓦の葺き上げ完了!屋根工事終了式を挙行(本願寺web site)

東本願寺の御影堂と言えば、平成10年から始まった「平成大修復」が続いており、ここ何年かは近くを通っても御影堂全体が大きな仮設建屋に覆われてその姿を見る事が出来な状態が続いていました。

このニュースを聞いた私は、ふと自分が1年前京都出張中、電車時間の待ち時間に東本願寺に行ったときの事を思い出しました。
私が行った時も御影堂の中を見る事はできませんでしたが、敷地内で今回葺き終わった屋根の修復と瓦について修復前後のモックアップや瓦の現物展示がされていました。

丁度その時に撮った写真がiPhotoの中にあったのを思い出したので記事としてアップします。

平成大修復については、この記事の末尾の参考リンクの東本願寺のweb siteから、修復日記やライブカメラ等も交え見る事が出来ます。
また、記事末尾のYahoo!フォトリンク先ではこの記事に掲載した写真でもう少しサイズの大きい画像をアップしていますので、写真中の文字も読めると思います。

■ 建築探訪 in 京都(東本願寺〜修復編〜)

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【写真左上:御影堂(修復中)】
東本願寺の御影堂は修復のため、建物全体が仮設の建屋に覆われています。

【写真右上:御影堂外観パネル】
本来ならばこのような雄大な御影堂が見えたはず・・・

【写真下段:御影堂外観パネル】
屋根部分についての修復工事の様子が説明パネルとして分かりやすくまとめてあります。
事前調査の結果、建立から360年の年月が経つ御影堂の小屋組部分では雨水による腐朽、屋根荷重による小屋梁のたわみ、部材の亀裂などが確認されました。
また屋根瓦の損傷も激しく、割れや欠け、長い年月による凍害、瓦組織の柔らかい部分では虫喰いなども見られます。
屋根全体の約70%弱の範囲が損傷していたそうです。



御影堂の前には、実際に御影堂の屋根から引き上げられてきた瓦が展示されていました。
損傷の様子が分かりやすいよう、特に酷そうなのものが展示され(汗)見ていて痛々しいです。

元来、屋根材の中で瓦というものは特に耐久性の高い材料なのですが、流石に100年以上も風雨や日光、凍結融解にさらされていたわけですから損傷が激しいです。
とはいえ、その経過年月からすれば私には十分頑張ってくれた勇士達に見えます。

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【写真左上:瓦の展示)】
御影堂から回収された瓦が、瓦の種類や損傷の種別毎に展示されています。

【写真右上:瓦製作説明パネル】
「御影堂の新瓦ができるまで」として、原料となる土の調達から焼きまでと分かりやすく説明されています。

【写真中左:瓦】
この中で右下に小さく可愛い平瓦が見えますが、これが一般の住宅用の平瓦です。(ちっさ!いや、他が大きいのです(汗))
これで御影堂の屋根に葺かれている瓦がいかに大きいかがよくわかると思います。
目の前で実際に御影堂の瓦を見ると相当大きいです。

【写真中右:白華現象】
虫が食べたように瓦の表面がはがれ落ちています。
これは酸性雨の影響でこのように破損したのだと推察されています。

【写真左下:凍害】
瓦がはがれたように欠け落ちています。
これは凍害によるもので、瓦の内部に水分が浸透し、冬に瓦内部で水分が凍結し氷になることで膨張し(体積が増える)中から瓦が爆裂するように破損したものです。

【写真右下:凍害(拡大)】
吸水性の高い材料の場合、水分の凍結融解による凍害被害は見る事ができますが、瓦でここまでひどいものはそうはお目にかかれません。



御影堂の損傷は屋根の小屋組にも及んでおり、屋根の重量によって小屋組が大きくたわみ、損傷していました。
今回の大修復では、小屋組の補修と同時に屋根自体の軽量化もおこなわれています。

屋根を軽くする事で、屋根から下の部材に掛かる負担を減らすと同時に地震時に受ける力も小さくすることができるので耐震的にも有効な手だてです。

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【写真左上:御影堂屋根瓦葺模型(原寸大)】
この写真では見えませんが、模型の中央から左右で御影堂の屋根の修復前・修復後の構造が再現されています。

【写真右上:唐草瓦(本願寺印)】
”本願寺オリジナル”とでも言いましょうか、軒先部分につく唐草瓦です。
全ての唐草に本願寺の名が入っています。
この唐草、東本願寺周辺を歩いて他の瓦を注意深く見てみると全てに名入りがされています。発見とともにあっぱれ、贅沢(笑)

【写真中段:土葺工法(今までの葺き方)】
御影堂に限らず、昔の瓦は全てこの方法で葺かれています。
瓦の下に土を敷いて、その上に瓦を敷き並べ固定しています。瓦+土ですから当然屋根の重量は重くなります。

【写真下段:空葺工法(新たに採用された葺き方)】
瓦の下の土を無くし、瓦を直接屋根下地に固定する方法です。
こうすることで大幅に屋根荷重を減らす事ができました。

まぁ人間で言うところの内蔵脂肪の吸引ですな。メタボ治療(笑)




長く続いた修復工事も来年の平成21年3月で完了の予定です。

来年の春には晴れ晴れとした姿を私たちに見せてくれるでしょう。
その頃には改めて私も見に行きたいです。楽しい京都旅行も兼ねて・・・



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閉じる コメント(38)

修復がやっと終わるんですね。なんかずっと工事してたから・・・。

2008/5/25(日) 午後 9:15 [ わたこ ]

傷みが激しいとはいえ100年以上も瓦がもつなんて凄いですね。
先人たちの技術は凄いんだなぁ〜と思います。
ワタクシが手がけたマンションは2年で漏水したというのに・・・
ウソですよ〜〜〜〜!!!(爆)

2008/5/25(日) 午後 10:28 サバーイ

去年京都に行ったときに、見忘れた〜と思ったので
また行った際には忘れず見てくることにしますね。
建築家の方にはお勉強になることがたくさん詰まった建築物でしょうね。

2008/5/26(月) 午前 0:23 Blanca

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約17万枚ですか。
なんか、気が遠くなりそうな枚数ですね。
私も京都に行きたくなりました。

2008/5/26(月) 午後 10:08 hiro

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屋根だけでも110年も、もつなんてさすが瓦ですね。
現代でほぼ最高のステンレス屋根で、何年もつのでしょうかね?
修復工事は、TVでしか見た事無いです。見に行きたいものですね。

2008/5/26(月) 午後 11:46 kobayashieiji0011

わたこさんこんにちは。
そうですよね。遠くから来て時々目にする私でさえ「まだ覆われてる」と見ていたのですから、長い修復工事でした。

2008/5/27(火) 午後 1:13 m_s_k_z

サバーイさんこんにちは。
マンションの名前を教えてもらえれば・・・(笑)
建築の外装部位で一番過酷な場所にあるにも関わらず100年以上耐えたわけですから大したものです。
瓦の耐久性の高さを目の前にして改めて感じました^^。

2008/5/27(火) 午後 1:15 m_s_k_z

Blancaさんこんにちは。
今度京都を訪れる時には奇麗な御影堂が望めると思います。
ちなみに聞いた話では、このあとこの修復用建屋は隣の阿弥陀堂へと移動するそうです。

2008/5/27(火) 午後 1:17 m_s_k_z

hiroさんこんにちは。
瓦も量産品ではなく手作りですから、これだけの枚数作るだけでも相当な時間とエネルギーが掛かっているのを感じますよね!

2008/5/27(火) 午後 1:18 m_s_k_z

小林さんこんにちは。
この時は時間がなく中を見学できなかったのが一番の心残りです。
この時もこの素屋根を目の前に、TVで見た修復中の御影堂を外から想像してました(笑)

2008/5/27(火) 午後 1:20 m_s_k_z

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やっぱ京都は面白そうですねぇ〜♪

2008/5/28(水) 午前 9:12 stardomroom

stardomさんこんにちは。
京都を満喫しきるにはあと何度足を運ばなければならないか・・・(笑)

2008/5/30(金) 午前 11:09 m_s_k_z

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全く素人の私には、とにかく大変なんだ!ということしか判りません
でしたが、先人達の技術はこれまた凄いと感じさせていただきました。

2008/6/4(水) 午前 4:46 な〜が

な〜がさんこんばんは。
社寺建築の技術は希少な財産になりました。こういった修復も昔と同じ技で修復することが先人の技をこのあと100年先(?)に訪れるであろう修復の時の技術伝承にもなるわけですよね。

2008/6/9(月) 午前 1:10 m_s_k_z

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初コメです。

東本願寺の修繕工事に某大学大学院の友人が、先生と共に中に入ったそうです。
構造を専攻している友人だったので、帰ってくるや物凄い自慢されました。

正直自分も建築物を見るのが好きで、かつ建築学科出身なのでとてもうらやましく思いました。

しかし、日本建築の技術や宮大工さんの技術は恐れ入りますね。

2008/7/3(木) 午後 0:49 [ 大気中の水分 ]

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いいブログですね。今、オーストラリアでARCHICADの勉強をしています。もう年なんですが一応、日大の生産で土木の出身です。これからずっとここで日本の建築を見たいのでよろしくお願いします。

2008/7/3(木) 午後 4:06 [ まきた ]

nag*re*utok*non**adeさんこんばんは。
中に入った人は羨ましいです。私はその逆で外だけ眺めて指を銜えて帰ってきましたから^^;

2008/7/5(土) 午後 8:13 m_s_k_z

まきたさんこんばんは。
海外にお住まいですか!インターネットは時間と場所の壁を越えられるので素晴らしいですよね!
私は建築探訪が好きで、ブログに上げてる以外にも沢山ネタはあるのですが今はちょっと忙しく、記事更新が遅れています^^;ゆとりができたらもう少し更新頻度を上げたいので、しばらくは長い目でみてやってください(苦笑)

2008/7/5(土) 午後 8:15 m_s_k_z

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ほんとですね。どこに居ても近く感じますよね。ブログを拝見させて頂いた中でそのままこっちでパクってみたい建物とかありますし、やっぱり日本はデザインが豊富ですね。更新を楽しみにしています。

2008/7/7(月) 午後 6:29 [ まきた ]

まきたさんこんにちは。
遠くならばパクっても分かりません(爆)・・いやいやオマージュということで^^;;;
これからもよろしくお願いします。

2008/7/12(土) 午後 5:04 m_s_k_z


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