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■川柳&ウォーキング・ライフ■
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水月湖の年縞

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福島県いわき市在住の史学者が、月一度のペースで論文や福島県内で話題になっている学術的な新聞記事を送ってきてくれる。
今回の送付物の中に「いわき民報」に載っていた、いわき地方史研究会幹事・野坂和広氏の上記表題の記事を見つけた。
もともと現職中に地学をメシの糧にしてきた手前、すごく興味を惹かれて読んだ。(記事のほぼ全文は、下記の通り)
 
福井県・水月湖の湖底堆積物「年縞(ねんこう)」が、地質学的年代の世界標準になったのだという。
  水月湖は、世界的にも極めてまれな安定した環境にあるために、1年に平均0.6ミリずつ湖底に土などが堆積し、それが樹木の年輪のような「年縞」と呼ばれる縞(しま)模様を作り出している。この縞を1枚1枚数えていくことにより、年代を特定することができ、しかも年代ごとの縞に含まれる植物化石などを分析すれば、これまで世界中で測定されてきた放射性炭素年代のデータと比較して暦年代を特定することも可能だという。その誤差は1万年で平均30年である。水月湖ではおよそ7万年分の年縞が採取されており、年代の計数や堆積物の分析(放射性炭素年代測定など)もかなり進んでいるという。
  放射性炭素年代測定は、年代を測りたい試料に含まれる14Cという炭素を分析することによって、年代推定をするものであるが、大気中に含まれる14Cの濃度は宇宙線の影響などさまざまな要因によって、地域や年代ごとで異なるため、1万年で平均数百年もの誤差が生じるとされている。このため、「較正」という補正作業をする必要があり、主に樹木年輪や海底堆積物のデータを用いて行われている。自然科学の世界では、定められた方法で採取した試料を、定められた方法で分析し、定められた方法で説明することが求められるため、較正年代には国際プロジェクトにより定められた世界標準があり、現在は2009年版の標準データが使用されている。これが2013年版からは、水月湖の年縞が採用され、以前に比べて飛躍的にデータの信頼性が上がると予想されているのである。
 
いつも思うのだが、我が国の科学も化学も、物理も、いや匠わざと言えるものを含めて、すべてが国際的にはかなりの高水準にある。この水月湖のデータの例も、その一つの成果と言えるのではないか。
目立ちはしないが年代計測でとても貴重な貢献をすることになる。
これもひとえに生真面目にコツコツと努力を積み重ねる国民性に帰するところが大きい。
そんな国民性をないがしろにする輩が増えつつあるのが現代日本の姿だが、これだけは失ってはならない国民性で、失えば、日本の存在価値はないと思わなければならない。
 

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