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ホームシアターで見る映画を批評するブログです。

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耐震偽装問題が、去年の末ぐらいに起きて

今もなお未決の事案だという事は、日々新聞やニュースを見ていて感じる。


耐震偽装問題が起こった頃、イーホームズ、姉葉建築士、ヒューザーの

三者が三様の異なった問答を繰り返し、真相は薮の中みたいな状況が

しばらく続いていたと思う。


実は、まさにこの状況に酷似した黒澤明監督の映画がある。

『羅生門』。原作は、芥川龍之介の『羅生門』ではなくて『薮の中』。

起こった事は、ただ一つの事実でしかないのに

3人が3通りの殺人事件を語る。

なぜか?

それは、みんな自分の都合のいいようにその殺人事件を語るから。

つまり、3人が3人とも自分の事しか考えていないのである。

だから、3人が異なった殺人事件の物語を語る。

黒沢は、人間同士が自分の事しか考えられない事態の

恐ろしさを表現している。


この『羅生門』という映画は、耐震偽装問題初期の、イーホームズ、

姉葉建築士、ヒューザーの3者がなぜ3様の問答を繰り返したかについて

明快に答えてくれる。つまり、自分の事しか考えてないってこと。

また、そのことは、すごく恐ろしいことだということ。



耐震偽装問題は、その後も色々の登場人物が出てきた。

総研、元国土庁長官の伊藤氏等。

ヒューザーが、今は一番悪いってことになっているが

こういう問題は、常に黒幕が存在するのが常だ。

そして、黒幕は常に逃げおおせる事に成功する。

悲しい事だが、それを教えてくれる映画が黒沢作品に存在する。


『悪い奴ほどよく眠る』

けっこう前に見たから、詳しくは覚えていないのだが

簡単に概要を説明すると、

談合か何かの決定的な情報をつかんだ正義感の強い男が

マスコミに公表する前に殺されてしまうというかなしい物語。

しかも、巧妙に自殺に見せかけて殺されてしまう。



耐震偽装問題でも、ライブドア事件でも自殺者がそれぞれ1人ずつ

出ているが、プロにかかれば他殺を自殺に見せかけるのは容易であるという事は

メルヴィルの映画でもなんでもそこら辺のフィルムノワールを見ればわかる。


つまり、耐震偽装問題でもライブドア事件でも

事件の黒幕は、悲しい事だが、逃げ切る事に成功してしまう。

そういうことを、教えてくれるのがこの黒沢の

『悪い奴ほどよく眠る』…。


ようちぇっく!!

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