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挑戦4度、夢の「金」 腕上げ「最高」新田選手2010年3月19日17時
バンクーバー冬季パラリンピックのスキー距離で18日(日本時間19日)、日本選手団主将の新田佳浩選手(29)が初の金メダルを手に入れた。長野大会から4回目の挑戦で初めての頂点。右腕を天に突き上げ、青空の下で日の丸が揺れる中、「最高」と叫んだ。
欧州勢の強豪がひしめくレースで、最初から力強い滑りでとばした。持ち前の大きなフォームで、ひとけりごとにぐんと伸びる。「いい滑りができていた。あとはいかに相手をあきらめさせるレースをするか」。最後は、2位に30秒以上の差をつけた。
雪の多い岡山県西粟倉村出身。3歳の時、祖父の達(とおる)さん(92)が運転する稲刈り用のコンバインに左腕を挟まれ、ひじから先を失った。両親が買ってくれたスキー板で4歳から右手のストック1本でゲレンデに出た。中学生の時、障害者ノルディックスキー日本代表の荒井秀樹監督に出会い、パラリンピックの頂点を目指し続けてきた。
前回トリノ大会ではスタート直後に転倒し13位。片腕の選手は左右で筋力が異なり、バランスよくスキー板を滑らすのが難しい。新田選手は左腕にロープをつけて懸垂を繰り返し、右腕と変わらない太さに鍛え上げ、ダイナミックなフォームを生み出した。そして選手団主将という責任も背負ってつかんだ金メダル。「トップでゴールしてガッツポーズするのがずっと夢だった」。両目の涙が輝いた。
ずっと気になっていた達さんには「早く報告したい。きっと喜んでくれると思う」。(宮嶋加菜子)
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