空を見上げて

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別枠 ヘミョンの苦悩

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ヘミョンの苦悩 3

ヒョン陛下とコン内官は部屋を後にした後、
残ったヘミョンとシオンしばらくの沈黙の後ヘミョンが緊張しながら言った

「こうしてお会いできるとは思いませんでした。」

「そうですか?僕はまたお会いできると信じていましたよ。」

「あなたは変わらないわ。」

「女帝陛下もあの時ままで…。」

「今は2人だけなのに昔のようにヘミョンとは呼んで下さらないのね?」

悪戯っぽく微笑みながら言うと

「いえ、一国の君主に軽はずみな事は、でもあなたが即位すると聞いた時、手の届かない人なんだと
 初めて感じました。」

遠い目で自分を見るシオンに寂しさを感じたヘミョン。

「私は何も変わっていないのよ、あの日から今までも…。」

「ヘミョン…」

「やっと呼んでくれた。」

「はーっ 駄目だな、ヘミョンには敵わないな。」

「シオンさんが留学先で飛び級で首席で卒業したって聞いてはいたけどさすがね。」

「ヘミョンだって2年の間に留学や奉仕活動で海外を周っていた事も聞いているよ。」

「それってお父様のから情報でしょ? いつ韓国へ?」

「2年前だ。ちょうどヘミョンの留学と入れ違いだな。」

「私には何も連絡してくれないなんて薄情よね。」

「決めたんだ。あの日、必ず君に似合う男になるまでは会えないと。」

「シオンさん」

「あの頃は僕も君も幼すぎて自分の力のなさを実感したんだ。」

「お母様に身分違いと言われて私は反抗して…、でも仕方がなかったのよね。」

「君の将来を思って言われた事だった、それにヘミョンを思うのなら納得させるだけの人間になれと
 今ではあの言葉を励みにここまでやってこれたんだ。」

シオンは懐かしそうに笑いその様子に時間の経過を感じたヘミョンは

「さっきは父からあなたを紹介されて驚いたわ、仕事はお父様の後を継いで?」

「いや、ゆくゆくはそうなるが、父が元気な内は好きにさせて貰ってる。今は文化省に臨時職員として
 勤めている。」

「意外ね?どうして文化省へ?」

「留学中にその国の文化に触れる事が多くてね、海外では自国の文化財に重き置くが、韓国では認識が低く
 世界から立ち遅れているんだ。
 自国の歴史的文化財が放置されている事を知って、その内に次世代への文化の継承を、お手伝い出来ればと
 思って入省したんだ。」

「そうだったの?だから父もあなたを高く評価していたのね。」

「そんな、まだまだだよ。それより公務の方は大丈夫なのか?さっきも…。」

「心配性ね?大丈夫よ。今はシンがいないから忙しいだけ、最近も女帝陛下に慣れてきたしね。」

「ヘミョンは頑張り過ぎるところがあるから、上手くセーブしないとダメだぞ。」

「ありがと。」

「あの…。さっきの話なんだけど、ヘミョンはソン氏の勧める夫君候補に会ったことあるのか?」

「ええ、今思えば就任のパーティーで候補らしきご子息を紹介されたわ。気になる?」

「気にならないと言えば嘘になる。」

「随分素直ね。」

「強敵出現って感じだな。」

「強敵?」

「あぁ、僕もその資格があるなら是非、参加するよ。」

シオンは少し冗談めかしてヘミョンに言うと

「シオンさんだって名家のご子息でしょ?」

『ふっ』と笑ったが、先程まではとは違い 突然、真面目にヘミョンを見据えて言った。

「正直、不安だった。ヘミョンが即位してから、君は僕をどう思っているか?僕は君を望める程の男なのか?」

「シオンさん…。」

「それに、ヒョン陛下や父からヘミョンの大変さを聞く度に胸が痛んだ。
 即位した経緯も聞いて、『何故ヘミョンが背負わなければならないのか?』って
 役に立ちたいんだ。今はすぐに君のそばにいる事が叶わないなら、少しでも力になりたい」

「シオンさん…。私は宮家に生まれ皇女としての天命を受けて女帝となったの。でも、あなただけの為に
 そばにいる事が難しくなったけど、私にできる事はあなたがいつも幸せでいてくれる事を祈るだけよ。」

「僕は幸せだよ。こうしてヘミョンの役に立つことができれば、それだけで多くは望まない、だから気にするな。」

シオンの変わらぬ思いに思わず立ち上がり駆け寄ったヘミョン、そんな彼女をシオンは優しく包み込んだ。

「シオンさん、ありがとう。」

2人はお互いを思い、必ず一緒になろうと誓い合うことはせずに、今ある現実を受け止め、互いの幸せを
祈ることが、精一杯の愛の証だった。

「これからは王族会の事でヘミョンと会える。君の姿が少しでも見る事ができる。」

「シオンオッパったら…」

嬉しそうに恥ずかしそうにしているヘミョンは皇位に就いてはじめて心からの安堵感を味わっていた。

「その呼び方も久々に聞くと新鮮だ。」

「ふふっ。」

「この後の予定は?」

「何も入れてないわ、コン内官が気遣って少し予定を調整してくれたの」

「そうか、ならばしばらくこのまま陛下を抱きしめていてもよろしいでしょうか?」

「ええ、構わないわ。」

ゆっくりと静かな時間が流れ、そこだけが束の間の特別な空間となった。

・・・・・・・

シオンは、ヘミョンとの思いがけない再会を惜しむように

「そろそろ行かなきゃ。」

「そう…。」

少し寂しそうに見つめたが、すぐにいつものヘミョンの笑顔になり

「じゃあ、また。シオンさん。」

と言って手を出すと、それに答えるようにシオンも手を重ね熱い握手をしながら

「ええ、ではまた、女帝陛下。」

と互いの立場に戻り、シオンは部屋を出て行った。
『これでいいんだ』と一言つぶやき再び歩み始めると、そこには皇太后ミン妃が女官を従え立っていた。
そのままシオンは歩み寄ると

「……。」

「お元気でしたか?」

以前のピリピリした感じとは違い、優しく微笑み懐かしそうにこちらを見ていた。

「はい、ご無沙汰しております。」

「少し、お話できますか?」

「はい。」

そう言って、ミン妃が先導するようにして、宮殿にある庭先のテラスまで歩いて行った。

「ご立派になられて…。」

「いえ、私はまだ学ぶべき事が多い身です。」

「ヒョン陛下からあなたのことを聞き、もしやと思いました。今ではお父上の片腕として王族会にも尽力している
 とか、あなたの活躍を聞くと、あの時言った私の言葉を後悔します。」

「そのようなお心遣い、ありがとうございます。
 そして、あの時の皇太后様のお言葉を胸に刻み、日々精進すべきと今までやってこれたのです。
 お気に病む事などありません。」

ミン妃はこの青年の変化に目覚ましい物を感じ、あの時には無かった落ち着きと信頼感が
『ヘミョンが彼の元へと望むならば、もう反対することはない、できれば温かく見守り仲良く添い遂げれば』
とも思った。

「女帝陛下とはお会いになったのでしょ?」

「はい、先程。ヒョン陛下のご厚意でお目に掛かる事ができました。」

「そう、ヘミョンはあなたの事忘れていないわ、あなたも望むなら私が…。」

「皇太后陛下。」

シオンは真っ直ぐにミン妃に向けミンの言う言葉を遮るように

「今、私に出来ることで、女帝陛下や宮家を御支えるのが、幸せなのだと思っています。
 多分、女帝陛下も同じ思いと思われます。それ以上は今の私には望めませんし、望んではいけないと
 思っております。」

「それでいいのですか?」

「はい。」

シオンは揺るぎない強い目で言い切った。

「ならば、今はこれ以上言いません。でも、私に力になれることがあれば、遠慮無く申しなさい。待っていますよ。」

「そのお言葉だけでも、心強くありがたく感じ入ります。」

シオンは今までにない皇太后の心遣いに感激し、一層、宮家への忠誠を誓いヘミョンだけではなく
この宮家に対して、私欲や権力だけの輩に立ち向かう決意をした。

ヘミョンの苦悩  完









*お知らせ*
昨日、新キャラの”シオン”についてのお話ですが、韓国では似たような発音では”シウォン”が妥当の様です。
しかし、私の勝手な都合で結局このまま”シオン”としてお話を進めようと思いますので、ご了承下さい。

ヘミョンの苦悩 2

ヘミョンは、謎の客を連れて来たという父を待たせている応接室へと着き、コン内官の先触れで
ヘミョンが来たことを知らせ部屋に入っていくと、そこには自分を迎え入れるように立ち上がった父と
立ってこちらに頭を下げて一礼する男性が1人ヘミョンを迎えた。

「お父様、しばらくですね。ちゃんと静養なさっていますか?」

「いきなりの挨拶だな、ヘミョン。」

と親子の挨拶ハグをして目線を隣で一礼している男性向けると

「ああ、彼は王族会理事のクォン氏のご子息で、クォン・シオンだ。」

『え?シオン?』

父からの紹介が終わると同時に頭を上げたシオンは少し緊張した面持ちでヘミョンを見た。

「女帝陛下、ご無沙汰しております。」

「……。」

そのシオンという男性の登場に明らかに動揺を隠せないヘミョン、そんな様子に気が付かないヒョン陛下は

「立ち話もなんだから、座ろうか?」

と着席を促し、ソファーへ座ると横に控えていた女官がお茶と菓子を出すと下がり、コン内官を残して
人払いさせるよう目配せした。

「彼とはね、私が皇帝時代に行っていた我が国保有の古美術や宮家縁の品の返還事業で片腕となって
 働いてくれたんだ。」

「そ、そうなの?」

「今回の王族会の資料も彼が協力してくれてね、なかなかの実力派だよ。」

と、頼もしげにシオンを見やるヒョン陛下とは対象的に、シオンも緊張しながらも『いえいえ』と謙遜の様子だった。

「そ、そうでしたか。」

「しかも、聞けばヘミョンやシンとは知り合いだそうじゃないか、それで昔語りも良いかと思ってね連れて
 きたんだ。」

「わざわざ、宮へいらしてご迷惑ではありませんでしたか?」

部屋に入って初めて目と目をまともに合わせた2人の視線は、互いに離せずしばらく見つめると

「いえ、ヒョン陛下にお声を掛けてもらい、女帝陛下との再会の機会を与えて頂き、嬉しく思っております。」

「シオン君はね、王族会の若手でも群を抜く程の存在だ、お父上も自慢の息子で安心だろう。」

「いえ、僕はまだまだで、皆様に教えを請う立場ですので、そのように仰ると、身の置き所もありません。」

「今日は、えらく謙遜しているね?久々のヘミョンとの再会に緊張でもしているのかな?」

ヒョン陛下はシオンの表情を見やって謙遜気味の彼に今まで以上に好印象を持った。

「お父様、シオンさんに失礼ですよ。 ごめんなさいシオンさん、皇位を降りてからこの調子なの。」

と、言ってようやく笑みを浮かべたヘミョン。

「ところで、お二人がわざわざ、再会を楽しむ為にいらした訳ではないでしょ?」

「早速だなヘミョン。そうだ、今回の王族会の会議では、王族会メンバーが理事達と対立している上に、
 妃宮の帰国も難色を示している。」

「ええ、大方の概要見て、先程会議のレコーダーを聞きました。」

「理事達は昔から宮家との繋がりが長く、シオン君の父上であるクォン・ソジン氏も理事の一人で
 妃宮の帰国を積極的に考えているようだが…。」

「メンバー側はどういった人達なのですか?」

「主に、戦後王族会に入った者達が多く、政財界に強いパイプを持っている者もいて、その分厄介な面も
 あるんだがね。」

「私は即位してから、日々の公務で王族会と宮家の関係まで配慮するに至っていませんでした。」

「それは仕方のないことだ、お前も突然の即位で慣れないことも多い。」

言葉の通り、ヘミョンは皇帝への準備もないまま即位し、すでに帝王学を学んでいたシンに助けられ、
公務や様々な事をこなしていた。

「彼らの狙いは何でしょうか?」

と訊ねるヘミョンにヒョン陛下はシオンを見て話すよう目配せさせると

「恐れながら申し上げますと、長老ユン様がご高齢であり、
 次期長老を巡って新参のメンバーの方が唯一押す、ある理事を推挙したいものと思われます。」

「その理事とは?」

鋭くヘミョンはシオンにある理事の名前を聞くと。

「ソン氏です。」

ヘミョンは数回しか面識のなかったソン氏を就任パーティーで息子の紹介に余念がなかった彼に困惑し
良い印象での記憶に残っていなかった。

「ソン氏の家系は3代前の皇帝時代に、ソン家の姫を側室に迎え入れた頃から宮家と繋がっています。
 彼自身も相当な野心家で、代々宮家に仕えながらも、王族会での存在は薄く、長老の座を巡り
 水面下で奔走しているようです。」

「そういえば、シンの皇太子妃選定で、私に姪の姫をと勧めて来た事があったな。」

思い出したようにヒョン陛下が言うと

「そんなことがあったのですか?」

「ああ、聖祖皇帝の遺言がなければどうなっていたか…、それに最近ではお前の夫君まで売り込みに来た。」

「わ、私ですか?」

ヘミョンは手にした茶碗のお茶を飲みかける最中だったため、危うく吹き出しそうになった。
その様子に複雑な笑みを浮かべるシオンは俯いた。

「私も、彼の存在については在位の頃から困っていた、彼の妻は韓国屈指の大企業の娘で政界にも
 多少顔が利く。へたに対応を誤ると厄介だ。」

「私も会議の内容を聞いて、気が気じゃありませんでした。
 彼の目的は私にその夫君候補と婚姻させ、宮家も王族会も名実共に頂点に着きたいという事でしょうか?」

「そういう事だろうな、ソン家の念願の夢を3代に渡って完成したい、それが狙いだろう。」

「他に具体的な動きはあるのですか?」

シオンに目線を向け話すヘミョン

「いえ、今のところコレと言った動きはありませんが、シン皇子の皇太子妃選定の時の事もあって、
 今回は慎重に事を運びたいのかもしれません。引き続き探って、何かあればすぐにご報告を。」

「ありがとう。シオンさん。」

「いえ、もったいなくもお言葉を賜り、恐縮しております。」

「ところでヘミョン、コン内官から聞いているが、最近オーバーワーク気味だそうだな?
 シンが帰国するまで少し私に頼りなさい。」

「心遣いありがとう、お父様。でも若いから大丈夫よ、数日でシンも帰国すると聞いていますし。」

「なら良いんだが、無理はするな、いいな?」

「はい、お父様。」

「では、久々の宮殿だ。ミンも太皇太后陛下のところへ挨拶に行っているから私も伺うとするよ。」

「では、私も失礼します。」

と言い、一旦席を立とうとすると

「何を言うんだ、折角の再会だ、ゆっくりするといい。」

「そうなさったら?シオンさん。」

「では、お言葉に甘えて。」

とまた同じ場所に座り直した。

「じゃあ、私は行くよ。」

とヒョン陛下と共にコン内官も気を利かせて部屋を退室した。







*注意&少しの疑問*
今回、ドラマには出てこなかった、キャラを初登場させました。
韓国のお名前にも明るくない私が書いておりますので、この”シオン”と言う名が
合っているかどうかは定かではありません。
”シオン”という名の音の響きだけ決めました。それに俳優&歌手でリュウ・シウォンさんという方が
いらっしゃるんですが、発音的にはこっちの方が正解なんでしょうか?
とりあえす、”シオン”にしていますがおかしいのなら”シウォン”にしようとも思いますのでご存じの方
勉強不足の私に教えて下さい。

ヘミョンの苦悩 1

「はぁー、やっとだわ。」

そう言って、書類の束を決済箱に入れて、天井を仰いだ。

ここ2,3日は公務と事務処理で、一日の大半をここで過ごす事が多いこの女性は
大韓民国で祖母の太皇太后、母の皇太后に次ぐ3番目に地位の高い女帝陛下である。

名前はイ・ヘミョン。
年齢は20歳、独身である。
彼女は、韓国伝統の宮家に、先帝の第一子として生を受け皇女としてここ「宮」で育ったのだ。
祖母譲りの好奇心旺盛と母譲りの美貌、そして、父譲りの知性を兼ね備えた彼女は若干20歳にして
この国の皇帝の地位に思いがけなく就くことになった。

それまでの彼女は世界を巡り、皇女らしからぬ行動力で、見聞を広げていた。
そんな彼女も、日々侍従にかしづかれ、女帝陛下としての生活に慣れた頃、弟に緊急事態が起こった。

正確には弟ではなく、義妹の妃宮の妊娠騒動がヘミョンの知らない所で起こり
知らない間に解決したが、肝心の片腕として頼りにしている弟が帰国しないと言うのだ。

祖母から聞いた話から、やむ得ない状況と普段の弟の労をねぎらいご褒美として、帰国の遅れを容認していた。
その分の事務処理が一気に来たものだから、この数日の缶詰状態は、覚悟していたもののさすがに
疲労困憊していた。

「女帝陛下。ご休憩でしたら、お茶をお持ちしましょうか?」

「あ、そうね、用意してもらえるかしら?コン内官。」

「かしこまりました。」

そう言ってコン内官は部屋を後にした。

「ふう、あと少しで今日の分は終わりね。 にしてもこれだけの事シンもよくやってたわね。
 なんなら、皇太子を辞めたついでに専属私設秘書として抱えたいくらいだわ。」

と弟の能力に感心していた。

ふと、目線を別の書類に向けて、一つ溜息をついた。

マル秘扱いの『王族会会議』のボイスレコーダーと、内容を起こし書きしたレポートや、ある人物の『報告書』に
目を向けて、まず、出席者リストに目を通して、次に軽くリポート読み、人物報告書に手を伸ばそうとした時、
お茶の用意が出来たコン内官が戻って来たようだ。

「陛下。ジャスミン茶でござます。」

「ありがとう、コン内官。」

そう言って、優しい香りのジャスミン茶に束の間の安息を求め一口飲んだ。

「この議事録どこで手に入れたの?」

「はい、なんでもヒョン陛下が目を掛けている方で、王族会理事のご子息だとか。」

「そうなの?かなり際どい内容まで報告していて、内情が良く分かるわ。」

「さようでございますか?
 それから陛下、後ほどこちらにヒョン陛下もお越しになると連絡が参りました。」

「お父様が?温洋(オンニャン)の御用邸から来られるなんて急用かしらね?」

「詳しい事は存じませんが、この後のスケジュールは空いておりますし、
 未決済の書類も明日に回せるよう手配しておきました。」

「そう、助かったわ。書類に埋もれて溺れそうだったのよ。」

と冗談交じりに微笑みながら言った。

「では、ヒョン陛下がお見えになりましたら、また参りますので、失礼いたします。」

「わかりました、いつもご苦労様、コン内官。」

コン内官は返事の代わりに一礼して退出していきました。

「さて、さて、議事録の内容はと…。」

会議のレコーダーの再生スイッチを押すと生々しい肉声が聞こえてきた。

当時の密かに行われた王族会での会議には、女帝推進派とシン皇子復位派に大方は別れ、
残りのどっちつかずのメンバーが数人の中


ある王族会理事は
『そもそも、先帝の健康を気遣っての暫定的即位であって、正式な皇位継承の決定ではない。』とか

ある、王族会メンバーは
『皇室典範も同時に変えられ、在位される女帝陛下は正当な直系で、皇位継承に問題はない。』

など激しい激論が飛んでいたようだ。

ならばと理事側は、
『女帝陛下は未だ独身で次継の皇位後継は空席というのもおかしな話だ。シン皇子が皇太弟として
 復位なさるのが筋ではないか?』


「なるほどね、それはそうだわ。」と自分もその会議に出席しているかのようにヘミョンは頷いた。


反論するメンバー側は
『シン皇子におかれては、ご自身での退位を望まれて、皇太子を降りられた。そんな皇子に復位を促すのは
 如何かな?』

『では、皇位後継にどのような展望がおありか是非聞きたい。』
 と王族会理事が反撃すると

『簡単なこと、女帝陛下が早々に婚姻なされ夫君をもたれ、是非とも御子をお産み申し上げれば解決する事だ。』

と、案にヘミョンの結婚問題を持ち込んで来た。


「はっ?どういう事よ。私即結婚なの?しかも子供まで産めですって?私をなんだと思ってるの?」


ヘミョンは呆れて物も言えないとばかりにその先を聞くのもはばかるほどに一気に疲れた。
しかし、協議会はシンの帰国を待って近日中の予定なので、放置しておくわけにはいかず続けて聞いてみた。


『話にならない、婚姻相手も未だいない状態で御子などと、宮家を冒涜なさっているのか?』
 と理事側も負けてはいない。

『ならば、シン皇子が復位なされたとして、妃宮様の処遇はいかがなさるのですか?』
 と、メンバー側も攻撃の手を緩めない。

『それは、今現在、お妃教育も含め国民への謝罪として、単身海外に身を置かれている、そのような妃宮様に
 支持する国民も多いと聞きます。
 女帝陛下の婚姻、御子誕生より、妃宮様がお戻りになり御子をお産み申し上げる方が、より現実的では
 ないか?』と、理事側が攻勢するも

『確かに、同情的な国民もいる事は私も存じていますが、あのようなスキャンダルを起こした上、
 皇太子夫妻共々宮家の伝統を、地におとしめた事実は消すことは出来ない。今後、宮家の有り様を考えれば、
 汚点以外の何物でもない。』とメンバー側が言う

『しかし、シン皇子は無実の罪に陥れられた被害者であって、地に落とすような事はなさっていない、
 その上に今回の騒動の責任を、重く捉えての皇太子退位であると私は聞いています。それこそ皇位後継に
 相応しいお方とお思いにならないか?』

と理事側のもっともな意見にまだすがり付くメンバー側は

『せめて、シン皇子が復位なされたとしても、妃宮様に関しては帰国なされるにも時期が早い、あの様な事態に
 なっても離婚なされない事が不思議なくらいですな。とにかく、妃宮様の早期帰国は見合わせた方が
 よろしいと思いますよ。』

と小憎らしい事を言っている、話は平行線のまましばらく続き、決着も付かない状態で会議は終了したようだった。
ボイスレコーダーを停止して、大きな溜息をつき、今座っている椅子の背もたれにうなだれ落ちた。

「やっぱり、一筋縄では行かないわね。このメンバー側のリーダーが曲者ね。」

と資料をめくろうとした矢先にドアをノックする音がした。

「女帝陛下、よろしいでしょうか?」

「はい。」

コン内官がドアを開け執務室へ入ってくると

「ヒョン陛下がお見えになられました。応接室にお通し致しましたのでお越し下さいませ。」

「こちらにはお見えにならないの?」

「はい、お連れの方もご一緒ですので応接室へお通し致しました。」

「お客様も…?わかりました。参りましょう。」

そう言って、先程の資料とレコーダーを鍵付きの引き出しに入れて施錠すると、執務室を後にして父の待つ
応接室へと向かった。

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