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朱川湊人の『都市伝説セピア』(文春文庫)を読んだ。 〜あらすじ紹介〜 人間界に紛れ込んだフクロウの化身に出会ったら、同じ鳴き真似を返さないといけない―“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いたオール讀物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」をはじめ、親友を事故で失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など、人間の心の怖さ、哀しさを描いた著者のデビュー作。 ☆ 『花まんま』(文藝春秋社)で見事、第133回直木賞を射止めた朱川湊人。まだデビュー間もない新人だが、直木賞以前にもオール読物推理小説新人賞、日本ホラー小説大賞短編賞を既に受賞するなど、早くも確固たる地位を築きつつある。 僕が朱川作品を読むのは『白い部屋で月の歌を』(角川ホラー文庫)に続けて2作目である。 『白い部屋で月の歌を』を読んだ時にも思ったが、本作を読んでも、文章、物語展開など新人離れした内容であると思った。 ☆ そんな『都市伝説セピア』。全部で5つの物語が収められている。 「アイスマン」は、昔の夏祭りが舞台の異色ホラーだ。展開はそれほど意外でもないが、文章から雰囲気が滲み出ている。僕が子供の頃でさえこういう世界はなかったから、遙か遠い昔の話のように思うが、実際は数十年前まで祭でこういう見せ物もあったのだろう。幻想的な作品。 「昨日公園」は、友達の命を何とか助けようと、同じ日曜を繰り返し体験する羽目になってしまった男の子の物語。同じ日を繰り返すというのは先行作品も多いが、終盤の展開は見事だ。 「フクロウ男」は僕にとって本書中でも一番好きな作品である。153頁の展開はうすうすわかっていながらも、虚をつかれた思いで読んだ。タイトルの『都市伝説セピア』そのものの作品はないのだが、「フクロウ男」が都市伝説そのものを扱っているだけあって、最もそのタイトルに近い作品と思う。 「死者恋」は、異色作。凛子の独白が物語の主流となっている。その口から語られる物語が、やがて異形のものへと変貌していき...これぞホラーという作品かもしれない。 「月の石」は、どこかで見たようなことがあるモチーフが使われている。漫画「アウターゾーン」にこんな話なかったかな?思い違いかも。「パーマン」のコピーロボットを思い浮かべてしまった。 ☆ と全5編、どれもハズレがないが、個人的には「フクロウ男」、「昨日公園」、「月の石」の順に好きである。 作品数もそれほどではなく、注目度もまだまだと思われるが、生半可な才能ではないと思う。いずれ大ブレイクすることは間違いない。
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私も朱川湊人さん、私も好きです。なんといっても、私はこの方の日本語は綺麗だと思います。ちょっと、川端さんを思わせますよね。メモしておかねば。
2006/8/2(水) 午前 9:44 [ gak*1*66* ]
へぇぇ、これ、面白そうですね^^文章が巧い、綺麗というのは、それだけでアドバンテージですよね。それに「都市伝説」というテーマ。読んでみたいと思いま〜す。
2006/8/2(水) 午後 10:27
>gakiさん。確かに日本語きれいですよね。その文章から出てくる雰囲気。。。僕も大好きです。
2006/8/6(日) 午前 2:17
>アニスさん。なかなかオススメですよ。参謀も薦めておられる作家です。ぜひご一読を。都市伝説は僕も興味を持つ分野です。一度、都市伝説で記事を書いてみたいなぁ。
2006/8/6(日) 午前 2:19
あらすじからして面白そうですね☆短編小説だから読みやすそうですし^^今度読んでみたいと思います☆
2006/8/6(日) 午後 10:01 [ ナオ ]
naoさん、コメントありがとうございます☆この本はかなりのオススメですよ。短編、しかも文章も読みやすいのです。
2006/8/6(日) 午後 10:49
まぁさんも絶賛ですね。今、gakiさんのところで煽られてきたのですが、ここでもまぁさんに煽られてしまいました(笑)この方新人なのにすごい賞をとっているんですね!
2006/8/9(水) 午前 10:42
もう直木賞獲っただけあって、文章の良さはなかなかのものです。gakiさんの応援も得て、ここはプッシュしたい作家さんですね☆
2006/8/9(水) 午後 11:49