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横山秀夫の『真相』(双葉文庫)を読んだ。 〜あらすじ〜 犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつのドラマがある。―息子を殺された男が、犯人の自供によって知る息子の別の顔「真相」、選挙に出馬した男の、絶対に当選しなければならない理由「18番ホール」など、事件の奥に隠された個人対個人の物語を5編収録。人間の心理・心情を鋭く描いた傑作短編集。 ☆ 短編の名手、横山秀夫の『真相』は5本の短編が収められている作品集だ(吉野仁による解説では「六つの短編」となっているが、これは誤植だろう)。 しかし、本作はそれらとはちょっと雰囲気の違う短編集である。主人公は何かしら後ろめたいことを持つ者ばかりだ。 過去の出来事と決別して現代を生きているこれらの主人公が、あることをきっかけに過去と向き合わなければならなくなり、その果てに過去の出来事の真相が浮かび上がる……。 本書の短編はすべてこのような構成を取っている。 真相を炙り出す横山秀夫の文章は、ズンズンと読者の頭にも響き、それぞれの短編を読み終わるたびに、重たい気分になる。それだけやはり横山秀夫の文章は巧いのだ。 たとえば表題作「真相」。 主人公の税理士・篠田佳男の所に息子の殺人事件の犯人が見つかったところから物語が始まる。 犯人が捕まって、主人公にとっては喜ぶべきことなのだが、犯人の自供から主人公を取り巻く環境が歪みだしていく。 そして、p.68-69にかけて極まれり。あまりのリアルさにこちらまで血流がのろくなる。 この短編では、最後に一応の救いが用意されているが、「十八番ホール」となると、それも無い。 どれもこれもが重たい。読後の爽快感とは無縁の作品である。 しかし、横山秀夫の巧さは相変わらずで、1本の短編もアッという間に読めてしまう。ということでやはり読んで損はないと思う。
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横山さんの短編集はどれも短編とは思えない完成度の高さを持ってますね。表題作の「真相」は良い出来でしたね。
2007/2/10(土) 午前 0:58
横山秀夫の短編は、ほんとにすごい完成度ですね。無駄が無いというか。僕もこの作品集の中では表題作が好きです。
2007/2/10(土) 午後 11:18
素朴も読んだ事あります。短編なのに、凝縮された内容がいいですよね。「何で?何で?」と読み進めていくうちにすぐ答えが分かるのも短編のよさでしょうか・笑。読むのが遅い素朴でもあっと言う間に読めた1冊でした。
2007/2/12(月) 午後 2:38 [ - ]
読んだはずなのに、すっかり内容を忘れています;^^: もう一度読み返してみようかな、と思います^^
2007/2/12(月) 午後 10:42
この短編集は秀逸でしたね。特に面白かったのは「13番ホール」でした。ドキドキしちゃいました!!
2007/2/13(火) 午前 10:02
>素朴さん、確かに横山氏の短編はギュッと濃縮された印象がありますね。僕もこの本、アッと言う間に読めました☆
2007/2/14(水) 午後 11:13
>ちろママさん。確かに、ちょっと内容的には他の横山作品より忘れやすいかもしれません。でも、ちょっと読むと思い出すと思いますヨ。
2007/2/14(水) 午後 11:14
>ぞうの耳さん。「13番ホール」は、色々な要素が詰まっていて面白い作品でしたね。あの内容なら中編にでもできるところを敢えて短編で書くところが凄いです。
2007/2/14(水) 午後 11:16
ちょっと重めの大人なミステリーでしたよね。知った方がよかったのか悪かったのか…そんな「真相」の数々でしたね。TBさせていただきますね♬
2007/2/28(水) 午後 9:17
表題作がダントツに好きです。が、どれも良かった^^vそういえば、横山さんにしては変わった設定でしたね。最近読んだ「影踏み」も一風変わっていてびっくりしましたよ〜。
2007/3/3(土) 午前 0:43
>チュウさん。トラバありがとうございます☆横山秀夫作品の中でも特に重い作品でしたね。ひと味違っていて、またそれも楽しかったです。
2007/6/4(月) 午後 11:29
>ゆきあやさん。「影踏み」はまだサワリの部分しか読んでないんですよ。早く続きも読まなくちゃ。
2007/6/4(月) 午後 11:30