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加賀美雅之の『双月城の惨劇』(光文社文庫)を読んだ。 〜あらすじ〜 ライン川流域の古城「双月城」で起こった奇怪な殺人事件。美しい双子の城主の一人が、首を刎ねられ両手首を切断されて見つかったのだ!しかも現場は、完全なる密室だった。さらに滞在者を襲う新たな惨劇が―。パリ警察が誇る名予審判事ベルトランが、ベルリン警察の雄と熾烈な推理対決を繰り広げる!本格推理史にその名を刻む美しき傑作が、ついに文庫化。 ☆ 鮎川哲也編の『本格推理』シリーズでの短編の良さが認められた著者の長編デビュー作。 僕は同シリーズを読んだことが無いのでこの作家の名前は知らなかった。 その僕がこの作品を買ったきっかけは、、、 そう、もちろん書店で目にした文庫版の腰帯、二階堂黎人の推薦文に引き寄せられて、である(笑) 十年に一度、世に現れるか現れないかという大傑作だ。おー、あの本格の様式美を追究した超傑作長編『人狼城の恐怖』をものした二階堂黎人がそこまで言うのなら読んでみようじゃないか(←偉そう(笑) ということで読み始めた。もちろん、解説から(笑) すると、二階堂黎人による解説が、ノベルス版解説と文庫版解説の2つも掲載されている熱の入れよう。文章も熱い。もう少し引用するか。 加賀美雅之という作者は、碩学の頭脳から無尽蔵に吹き出すトリックを自由自在に操り、変幻自在の顔で読者を欺き、眩惑的な話術で人の心を迷わせる。彼は、これからの十年−いや二十年、本格推理小説シーンの先頭に立って我々をリードしていくであろう途方もない逸材なのだ。って、オイオイ、褒めすぎじゃないの?かなり期待が高まるじゃないか。 ☆ タイトルも、登場人物表も、目次も、城の見取り図も、いかにもな感じで、ワクワクしてくる。 そして読み進めると出てくるわ出てくるわ、本格ミステリの王道とも言うべきガジェットの数々が。これでもかと。双子、密室、古城、バラバラ死体,,,etc.二階堂黎人の諸作を彷彿させる。 かつて何だったかの記事で、たまには古色蒼然としたガチガチの本格ミステリを読みたい、なんてことを書いたが、『双月城の惨劇』はその意味ではかなり良い感じ。 まだデビュー作のためか、ところどころ違和感を感じる部分もないではなかったが、おおむね面白く読み終わった。600ページ弱もあるが、それほど長さも感じなかった。 そして図解入りで説明されるトリックや意外な犯人(+○○○)にやや無理も感じた(やっぱり褒めすぎ?(笑))が、ひとつ目のトリックなどなかなか良いではないか(←またもや偉そう) ただ、二階堂黎人の推薦文、解説文は言い過ぎではないかと^^ワトソン役のパトリック・スミスのようだ。僕としてはよほど「人狼城」の方が好きだ。 ということで、著者はこの後も厳格な本格ミステリ作品を書いているようだが、今後もその姿勢を貫いてほしい。その限りにおいて僕も読み続けていこうと思う。
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あ〜、、^^;私はノベルスで借りて読んだので帯でやられなくて良かった良かった^^;;おかげで意外と盛り上がって読めました(笑)。いや、でも、元々こういうのは好きなんですよ。
2007/3/3(土) 午前 0:40
記事ではくさすようなことも書いてますけど、僕も盛り上がって読んだんですよ(笑)こういうの僕も好きですしね。次作以降も読んでいこうと思っています。
2007/6/4(月) 午前 0:24