|
昔から言葉遊びが好きだ。 日本語は、言葉遊びという観点からも非常に恵まれた言語だと思っている。 そして、特に好きな言葉遊びの一つに回文がある。トマト、新聞紙、竹藪焼けたなどのアレである。 好きと言っても自分で創るわけではなく、人の作品を鑑賞して「おお、すげぇ回文」と思うのが楽しいのである。 ところで回文の歴史は古く、一説には平安時代くらいからあるらしいが、江戸時代になって盛んになり、以後も究極の言葉遊びとして現代に脈々と受け継がれている。 回文には大きく2パターンあり、清音濁音などの違いは容認するものと、容認せず完全一致のみとするものに分かれる。 容認する場合は多少作成のハードルはさがるが、これとてある程度のボリュームのものを創るのは容易ではない。 それが完全一致となると尚更だ。ネットで「回文は創出するものではなく、言葉の海に沈んだものを発掘するものだ」という一文を見つけたが炯眼である。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『バベルの図書館』に相通じる考えだと思うがいかがだろう。 現代では公開手段としてネットが普及したこともあり、驚くほどたくさんの回文をネット上で見ることができる。 また従来のメディアにおいても、雑誌で投稿回文を載せていたり、また回文をテーマとする歌や本などが発売されるなど、まだまだ言葉遊びとしての回文の存在は健在といったところである。実際、アマゾンコムで回文で検索しただけでも数十冊の回文本が発売されているのが素晴らしい。 ここで印象深い2冊の回文本を紹介しよう。 まずは『野茂のものは野茂のもの』(斉藤洋美、興陽館書店)。1993年に発売された新書で今では入手困難だと思う。この本は大学生当時、僕は立ち読みで読み尽くした(笑) 当時活躍していた野茂を題材に取ったインパクトの強い回文をタイトルに使い、書店で偶然見かけた人も「おっ?」と思わせるのに成功していた。 掲載されている作品もバカっぽい回文が多いが、僕は好きな回文が多かった。 中でも野茂シリーズみたいのがあって、覚えているだけでも 野茂、イカの買い物 野茂、ケツで漬け物 野茂のパパの物は野茂のママの物、しかし野茂のママの物は野茂のパパの物 などがあり、さらに一番笑った回文として オラ、寺尾 がある。これを写真付きでやられた日にゃ、書店で笑いを堪えるのに苦労したともさ(^^) 次にあの村上春樹も回文本を出していた。2000年発売の『またたび浴びたタマ』(文藝春秋社)である。 この作品、村上春樹が何を思ったか一念発起して作り出した五十音回文集。かなり苦労の跡がうかがえるものもあるが、友沢ミミヨの絵が何とも良い味を出してフォローしている(笑) ちなみに回文として僕の好きなのは 心はマルクス、車はロココ 裸体が渋い武士がいたら などである。 さて今までに僕が目にした中で好きな回文もいくつか挙げておこう。 なんて躾いい子、いいケツしてんな 肉の多い大乃国 「死にたくなるよ」と夜泣くタニシ お菓子が好き好きスガシカオ 最後に取っておき、まさに今試合をやっているようだが、 わたしが クロアチア 録画したわ おあとが宜しいようで(笑) ところであなたの好きな回文、スゴイと思った回文にはどんなものがありますか? もちろん新作回文を披露していただいてもOKです(笑) 追伸。 新作回文を募っておいて自分で何も掲載しないのも失礼なので、今思いついた回文を載せておきます。 加納朋子、過去も問うのか? これはイイ線行ってます?(笑)
|
日本語を愛でる
[ リスト | 詳細 ]
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]



