雑木林

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生活クラブ

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この小学校では、必ず一つクラブ活動に入る必要がありました。
その中でも、つっちゃ先生が主催していたクラブは、
独特のもので、世の中にもあまりなかったんじゃないかな。
その名も「生活クラブ」。内容はアウトドア同好会みたいなものだった。

クラブ活動の日は、毎週金曜日。今日のテーマは「火を起こして、
カレーをつくろうでした」

火の起こし方のルールはライター、マッチを使わない事。
あとはどんな方法でもかまわない。とりあえず火がつけばよい
というものだった。

シューシュー。ギリギリ。みんながいっせいに火起こしにかかった。
木の板に棒を立ててぎりぎりまわします。意外となかなかつきません。
「先生、こんなんじゃ火なんかつかんよ」
生徒が先生を呼びます。
「どれどれ、そらつかんわな。まずは枯葉や小枝を集めて来い。
それを周りにおいて、つきやすくしなきゃ。綿もあんがい有効よ」
先生はいろんなところから呼ばれます。
そのたびに、あっちにいったり、こっちにきたり、大忙し。

「先生、お手本も見せてよ。どれどれ」
先生はものの見事に30秒くらいで火をつける。
「うまいもんやね。先生、どこでも生きていけるな」
生徒達は偉そうに口々につぶやく。
「火がついたらまきをくべて、次は飯ごうでご飯を炊く。そしてカレーの
準備や」

この日は、みんなが火をつけたところ、クラブ活動は終了時間となった。
「先生、火つけただけで、終わってもうた。カレーくえんかったわ」
と先生に不平を言うと、
「最初はそんなもんやね。カレーは次回やね。おあずけってやつやね」
「延長したらあかんの」
生徒達は物足りないらしく、くらいつく。
「あかん、あかん。あくまでクラブ活動や。ルールはまもらなあかん」
先生からルールを守るなんて言葉が出てきたものだから、生徒は大爆笑。
「校庭で火つけたら、ルールもないんちゃう。すでにあかんやろ」
「あほか、校則にどこにも校庭で火をつけたらあかんとは書いてないわい」
いやはやどちらが生徒か先生か・・・。まったくもって破天荒な先生である。

これは後日談だが、先生はちゃんと校長に許可を得ていたらしい。
「校長先生、今日、校庭で火の起こし方、実験しますので、お願いします」
と話していたのだ。校長は理科の実験だと思い、許可したとのこと。
実はカレーを食べるのが目的だったのだが。モノは言いようだ。
(つづく)


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