さて、聴こえない方がなんとか診察室にたどり着き、診察を受けることになります。
先生は「☆○■×♪◇…」と、いきなり話しかけてくる。まぁ、顔を向けて話してくれれば、唇が動いているのが分かるので、何か言ってるらしいなーと。
で、ここでも『筆談』(ひつだん)で、病状を説明するとしましょう。
患 「お腹が痛いのです」
医 「いつからですか。痛いのはどの辺ですか。」
患 「昨日の夜からで、痛いのは」(書けないからお腹を指差す)
医 「分かりました。痛みは、どんな感じですか?」
患 「どんな?」
医「シクシク痛いですか、ズキズキ痛いですか?」
患「それって分かりません…」
そうなんです。擬音(ぎおん)は、音声語の世界で通用するものなので、聴こえない人が痛みを音によって表すことは難しいのです。聴こえる人間同士だって、ズキズキと言ってそれが相手と同じ痛みを指しているかどうか確かめようがないですよね。
さらに、聴診器を背中に当てられるときなどは、口元が見えませんから、先生が話しているかどうかすら分かりません。
医者の説明を聞き漏らしたり、自分の症状を伝えられなかったりしたら、大変です。そこで、病院へは手話通訳者を同行することが多くなると思います。しかし、手話通訳者にしても 痛みの擬音を手話で表すことは難しい問題です。
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