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『ハプニング』(2008年アメリカ)
『シックス・センス』(1999年アメリカ)や『サイン』(2002年アメリカ)など、
常に観客を独特のダークな雰囲気や、ケレン味たっぷりの謎の中に
のめり込ませてくれるM・ナイト・シャマラン監督の最新作です。
冒頭、ニューヨークのセントラルパークで、読書を楽しむ2人の女性のやりとりから、
事件が始まります。
いつもと変わらぬ会話をしていたはずなのに、いつの間にか口調がおかしくなったかと思えば、
突然、何のためらいもなく、手にしたペンを自らの首に突き立てるショッキングな行動に。
また、そこからほど近いビルの工事現場では、何の前触れもなく、
建設中のビルの屋上から、人が落ちてきます。
あわてて助けを呼ぼうとした現場監督の目の前で、今度は我先を争うかのように、
次々に人が降ってきます。まるで、熟れ過ぎた柿が木から落ちるかのように。
この一連の導入部で、いったいこの物語は、どのように収拾されるのか、期待を煽られます。
それまで普通に暮らしていた人が、突然、次々と”積極的に”自殺していく。
ガスによるテロ?という疑問が、アメリカ全土を駆け巡りますが、
どこからも犯行声明は出ないし、何しろテロのセオリーである都市部を狙ったものではなく、
被害は、公園から住宅地、そして都市部へと、まるで逆の状況。
いったい原因は何なのか。
はたして人類は生き残ることができるのか。
この謎解きに、納得の行く説明はされるのか。物語の中盤に差し掛かる前には、
そんなコトが気になりましたが、
意外にもあっさりと、その原因が明かされてしまいます。
あれ?いつもなら、最後の最後まで謎解きしないで、時にはうやむやで終わらせる
シャマランらしくないなぁ、なんて感じてる間に、いつの間にか話は
1組の夫婦と、託された少女との信頼関係を中心にしたヒューマンドラマに。
『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006年アメリカ)で見せたハートウォーミングな部分も
垣間見えた気がしましたが、全体の出来としては、いまひとつ。
オープニングがショッキングで、のめり込めた分、拍子抜けした感じがしました。
M・ナイト・シャマラン監督流の環境破壊に対する警告といったこの作品、
あともう少し、何かが足りない気がしました。
お金を出して観なくても、そのうちTVで放映されるのを待った方がいいかもってな出来でした。
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