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『しんぼる』(2009年日本)
ダウンタウン・松本仁志の監督、第2作目。
セールスマンの売り口上で、客先でしてはいけない話=タブーが
3つあると言います。
1.宗教の話
2.政治の話
3.野球の話
いずれも、顧客がどこを支持していて、どんなスタンスでいるのかが見えないため、
反対意見を言ってしまったら、機嫌を損ねてしまうし、
逆に、話が合ってしまったら、商談そっちのけでその話になり、
まずい場合は、勧誘されちゃったりもするので、避けるようにというのが、
鉄則だそうです。
で、ぶっちゃけこの作品は、このタブーに触れちゃってます。
世の中の全ての事象は、何らかの見えない意思によって決定され、
その組み合わせによって成り立っているというコトを、
お笑いの目線で描いた作品です。
ストーリーは、メキシコの片田舎の、レスラー一家の一日の風景と、
そこが何処で、何時から、何故いるのかわからない不思議な部屋に閉じ込められた
主人公の男(松本仁志)の脱出劇の二部構成で展開します。
一見、何の関わりもないこの2つの物語が、ある瞬間に重なると、
松本監督の宗教に対する、ある一つの見解が読み解けてくると思います。
そうやって観ると、この作品の最初の登場人物が、何故その職業なのかという
暗喩にも気づいて、2度楽しかったりもします。
全体のテイストは、やはりコント形式で、細かい笑いを幾重にも重ねた感じで、
大爆笑といかないまでも、もうちょっと笑っていたいという状態のまま
上映時間が終わってしまうといった感じで、そこそこの充足感があります。
常に観客を裏切ろうという意欲が演出的にも、ストーリー的にも見て取れ、
実験的な意欲作だと思います。
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