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『スペル』(2009年アメリカ)
近年では『スパイダーマンシリーズ』のヒットで、
すっかりメジャー監督といった体のサム・ライミ監督ですが、
自分の出に誇りを持っているのか、久方ぶりの本格ホラー作品です。
(『ギフト』(2000年アメリカ)もジャンルはホラーですが、サイコもので
監督本来の好みとはちょっと違う気がする。無論反論あり。)
物語は、銀行の融資担当として働くクリスティン(アリソン・ローマン)の下に、
一人のジプシーの老婆が現れたことから始まります。
彼女は、これまでに2回、不動産ローンの延長を申し込んでいて、更に3回目の延長をと
頼んできますが、結婚や出世の問題も抱えていて、早く実績が欲しかった
クリスティンは、この願いを断ってしまいます。
するとこれまで媚びるような素振りすら見せていた老婆の態度が急変。
カウンターを飛び越えて襲い掛かろうとします。
警備員に取り押さえられ、その場は収拾しましたが、
クリスティンが帰宅しようと、駐車場に向かうと、あの老婆が待ち受けていました。
敵意を露に襲い掛かってくる老婆に、必死に抵抗するクリスティン。
ところが、力でねじ伏せられた上、着ていたコートの袖からボタンを引きちぎり、
なにやら怪しげな呪文<スペル>を唱え始めました。
その呪いを解かなければ、3日目に悲惨な死を迎えるという恐怖の呪文。
果たしてクリスティンは、この呪いを解いて、幸せな生活を取り戻すことが
できるのでしょうか。といったスティーブン・キング原作の
『痩せゆく男』(1995年アメリカ)を連想させるようなドロドロとした内容のもの。
地を這うようなカメラワークや、人を小馬鹿にしているのかとさえ思えるような、
クリーチャーの不気味な動きなど、サム・ライミ監督自身の長編デビュー作
『死霊のはらわた』(1981年アメリカ)を彷彿とさせるような演出も随所に見られ、
往年のファンとしては、思わずニヤリとしてしまう部分もちらほら。
全体的なトーンは、1作目の『スパイダーマン』(2002年アメリカ)でも見られた
一般受けしそうな画調の中にも、暗いフィルターが一枚かかっているような暗さで
統一されていて、光と影のコントラストの使い方が、
いかにもサム・ライミといった感じ。
作品の出来としては、中盤でオチが読めてしまうという、ある意味親切なつくりで、
ホラー初心者にはちょうどいいくらいの出来だったと思います。
・・・ま、ホラー中毒者には、かなり物足りない作品と言っても差し支えない程度の
出来でした。
それにしても、2回ローン返済の期限を破っておいて、3回目に断られたからって
呪いをかけちゃうなんて、どう考えてもこの婆さんの方が悪い気がするなぁ。
<公式HP>
http://spell.gaga.ne.jp/index.html
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