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昨日は誕生日。
今となっては悪夢のような日になってしまったが、生きていればこその逃れようのない日なのだから、逆に喜ぶべきことか。
最近は仕事がらみで、大好きな作品を見返す機会に恵まれた。
なかでも、スカイパーフェクTV「ホラーTV」チャンネルで11月に放送される『プロフェシー 恐怖の予言』(79)は嬉しかった。先頃ようやくDVDが発売された『ブラック・サンデー』(77)のジョン・フランケンハイマー監督作品で、脚本は『オーメン』の作者デヴィッド・セルツァー。
劇場公開時に観てからというもの、公害批判としての社会派映画として、それと王道の怪獣映画として……その2つの魅力を併せ持つ作品として大好きな一本だ。
ただ世間的には、その2つの要素がどっちつかずと見られてしまい、中途半端な作品として賛否両論の声を聞く。
展開としては、郊外にある製紙会社がタレ流す有毒廃棄物の可能性、それを調査する公衆衛生局の主人公が発見する巨大な鮭やオタマジャクシ、そして人間に襲いかかるアライグマなど、幾つかの異常な現象が描かれ、そして熊の怪獣が現われる。
しかも、山に住む先住民族(インディアン)の長はカターディン神話の怪物が現われたのでは?と思い始める。こうなると『ゴジラ』をはじめとするアメリカの50年代モンスター映画を王道で行くような展開なのだ。
ただし一般的にいう怪獣映画のカタルシスである怪獣の魅力(造型やキャラクター性)があるわけではないし、大きなパニック描写もない。出演者は『ロッキー』で注目されたタリア・シャイア、『オーメン2』のロバート・フォックスワースで、ちょいと渋め(いや、かなりか?)。映画ファンなら、アーマンド・アサンテ、『遊星からの物体X』でコッパー医師を演じたリチャード・ダイサートの出演は嬉しいけど。
それでも、『プロフェシー 恐怖の予言』が魅力的に思えるのは、やはり公害と怪獣をシリアスに捉えた描写にある。餌に含まれていた有毒廃棄物の影響らしく、熊の体には大きく変化が見られる。顔面から体にかけて皮膚がただれ、造り物とはいえ醜く、嫌悪感・不快感をさそう。しかも、その熊の赤ん坊が川に仕掛けてあった網に引っかかり、悲しげに泣いている。一匹は既に死んでいるが。
劇場公開時に、この怪獣の赤ん坊を見た時は、さすがに気持ち悪かった。今見ても、当時ほどの衝撃はないが、やはり不快だ。
そう、公害とは決して爽快なものではなく、不快に感じるからこそ公害である。醜い熊の怪獣は、その公害を具象的に表した姿であり、我々が怪獣映画に抱くような、心地よいカタルシスは与えてくれない。だから怪獣が倒されて、ハイッおしまい。めでたし、めでたしというわけにもいかないわけで、そのあたりの恐怖が、公衆衛生局のダンナ(フォックスワース)の妻(タリア・シャイア)に不気味に受け継がれていく。だから、最後に森の中に現われるオチも、単なるありがちなラストとは受け取らず、まだまだ公害の恐怖は続くという意味が託されている。タイトルのプロフェシーは予言という意味があり、本作そのものが、公害の恐怖はまだまだ続くという、予言そのものを担っているようだ。
(写真は、アメリカで発売されているDVDジャケット)
最後に近況を。
●スカイパーフェクTV「ホラーTV」チャンネル枠の情報番組「館長はホラーがお好き!?」の10月放送分の第3回の収録を済ませました。「ホラーTV」で11月放送の『プロフェシー 恐怖の予言』、10月劇場公開の『スネーク・フライト』などについて、簡単なコメントをしています。
●10月劇場公開の『16ブロック』の劇場パンフレットに寄稿。
●10月と11月発売の『マスターズ・オブ・ホラー DVD−BOX VOL.1&2』のブックレットの原稿を執筆しました(現在、VOL.2の原稿を執筆中ですけど)。
●10月20日発売の「映画秘宝」で、『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト』の紹介記事と『ベビー・ルーム』『リアル・フレンド』をレビュー。それと巷で『夕暮れにベルが鳴る』のリメイク版との噂が流れているDVDソフト『夕闇にベルが鳴る』(笑)をレビュー。
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2017/5/9(火) 午前 1:28 [ A ]