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フランス語で楽しむ「メグレ警視」
メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます

書庫メグレの日常

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 Il s’endormit avant sa femme ー du moins le prétendit-elle, comme toujours,
comme elle prétendait aussi qu’il ronflait, ー et le réveil, sur la table de nuit,
marquait deux heures vingt quand le téléphone l’arracha à son sommeil.
(©Georges Simenon : Maigret et son mort; Chap.1er)

 彼は妻よりも早く眠った。ー少なくとも彼女は、いつものようにと主張した。またいびきもかいていたとも。ーそして電話が眠りから彼を引き剥がしたとき、ナイトテーブルの目覚まし時計は2時20分を指していた。
(#55『メグレと殺人者たち』第1章)

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Il s’endormit avant sa femme < s’endormir(イルサンドルミ・アヴァンサファム)彼は妻が眠るよりも前に眠った(単純過去形)

du moins le prétendit-elle < prétendre(デュモヮン・ルプレタンディ・テル)少なくとも彼女はそれを主張した(単純過去形・倒置法)

comme toujours(コムトゥジュー)いつものように

comme elle prétendait aussi qu’il ronflait < ronfler(コメルプレタンデ・トッシ・キルロンフレ)いびきもかいていたと主張していたように(半過去形)

le réveil, sur la table de nuit(ルレヴェィユ・シューラターブル・ドゥニュイ)ナイトテーブルの上の目覚まし時計

イメージ 1
*Crédit photo : Easehome Rétro Réveil matin
Réveil Silencieux de Chevet à Quartz
@Amazon.fr

marquait deux heures vingt < marquer(マルケ・ドゥズール・ヴァン)2時20分を指していた(半過去形)

*quand le téléphone l’arracha à son sommeil < arracher(カン・ルテレフォヌ・ララシャ・アソンソメィユ) 電話が眠りから彼を引き剥がしたとき(単純過去形)arracher à 〜 から引き離す、を奪う


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 Mme Maigret, qui avait sa sœur à dîner, téléphona à six heures pour s’assurer que son mari ne serait pas en retard et pour lui demander de passer chez le
pâtissier en rentrant. (---)
 Il n’oublia pas le pâtissier de l’avenue de la République, le seul à Paris, selon Mme Maigret, capable de faire de bons mille-feuilles.
(©Georges Simenon : Maigret et son mort; Chap.1er)

 メグレ夫人は夕食に妹が来ることになっていたので、夫が遅くならないことを確かめるために6時に電話をかけて来た。そして帰り道に洋菓子屋に寄ってくれるように頼んだ。 (---)
 彼はレピュブリック通りの洋菓子屋に寄るのを忘れなかった。メグレ夫人によると、パリで唯一の美味しいミルフイユを作れる店だという。
(#55『メグレと殺人者たち』第1章)

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*アルザス出身のメグレ夫人には妹が2人くらいいて、ここに出てくるオルガ (Olga) はパリかその近郊に一人で住んでいるらしい。ラヴェンダーの香水が好みのようだ。時々メグレ宅にやってきて夕食を共にする。

**参考サイト《メグレ警視のパリ》「メグレ夫人の妹に関する記述 」(La
sœur de Madame Maigret) の3番目にある短編『メグレ夫人の恋人』(これはメグレ夫人に対するストーカー行為が疑われる謎の人物の事件)でも、パリに住んでいる妹に言及している。

qui avait sa sœur à dîner < avoir(キアヴェ・サスーアディネ)妹が夕食に来ることになっていた(半過去形)

téléphona à six heures pour s’assurer que < téléphoner(テレフォナ・アシズール・プーサシュレ・ク)〜を確認するために6時に電話した(単純過去形)

son mari ne serait pas en retard < être(ソンマリ・ヌスレパ・ザンルタール)彼女の夫が遅くならないだろう(条件法)

pour lui demander de passer(プーリュイ・ドゥマンデ・ドゥパッセ) 彼に立ち寄るように頼むために

chez le pâtissier en rentrant < rentrer(シェルパティシエ・アンラントラン)帰り道に洋菓子屋に

Il n’oublia pas le pâtissier < oublier(イルヌブリアパ・ルパティシエ)彼は洋菓子屋を忘れなかった(単純過去形)

*capable de faire de bons mille-feuilles(カパーブル・ドゥフェール・ドゥボン・ミルフイユ)美味しいミルフイユを作れる(不定冠詞 des が形容詞 bons の直前となる場合は de に変わる)

**ミルフイユが一番だとメグレ夫人が認めた店は、現在ならレピュブリック通りとヴォルテール大通りに挟まれた一角にある店(写真例)のようなところだったと思われる。
イメージ 1

Crédit photo : Vue d’une boulangerie-
pâtisserie artisanale “Utopie” 20 rue de
Jean-Pierre Timbaud, Paris 11e
©Google street-view

***参考記事Link : Marie-Claire《マリークレール》5 adresses des meilleurs
mille- feuilles de Paris「パリで最高のミルフイユのお店ベスト5」


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 Il s’habilla, déjeuna, se rendit à pied place de la République pour prendre
son autobus, non sans avoir acheté les journaux du matin dans un kiosque.
(©Georges Simenon :Un échec de Maigret; Chap.7)

 彼は服を着て、朝食を取り、バスに乗るためにレピュブリック広場まで歩いていった。キオスクで朝刊を買わないわけではなかった。
(#76『メグレの失態』第7章)

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*メグレの朝の通勤経路は、自宅のあるリシャール・ルノワール大通りから11区役所があるレオン・ブルム広場のバス停まで歩き、69番のバスに乗ってシャトレで降りて、シテ島へ渡るのが普通である。上記のレピュブリック広場までは歩けばちょっと遠くなるが、気分転換のためか、あるいはキオスクで新聞を買うためだったのだろうか?
イメージ 1

Crédit photo : Vue d’un kiosque
de la Place de la République,
Paris 3e
©Google street-view

Il s’habilla < s’habiller(イルサビヤ)彼は服を着た(単純過去形)

*déjeuna < déjeuner(デジュナ)v.t. 食事をした(単純過去形)
朝食は le petit déjeuner(小さな食事)

se rendit à pied < se rendre(スランディ・タピエ) 歩いて行った(単純過去形)

pour prendre son autobus(プープランドル・ソンノトビュス)彼のバスに乗るために

*non sans avoir acheté < acheter(ノンサン・サヴォワール・アシュテ) 買わないという訳でもなかった(あまり積極的でもない行動)
non sans は二重否定(〜せずにという訳でもなく)

les journaux du matin(レジュルノー・デュマタン) 新聞の朝刊

dans un kiosque(ダンザン・キオスク)街角の売店で


**事件の概容についてはこちらへ #76


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 Mme Maigret remuait, repoussait sa couverture, s’écriait soudain :
ー Où es-tu ?
 Et lui, du fond de son fauteuil :
ー Ici.
ー Qu’est-ce que tu fais ?
Je fume une pipe.  Je ne pouvais pas dormir.
ー Tu n’as pas encore dormi ?  Quelle heure est-il ?
 Il alluma.  Le réveil marquait trois heures dix.  Il vida sa pipe, se recoucha,
insatisfait, espéra sans trop y croire retrouver le fil de son rêve et ne s’éveilla
qu’à l’odeur du café frais.
(©Georges Simenon :Un échec de Maigret; Chap.7)

 メグレ夫人が身体を動かして、掛け布団を押しやり、急に叫んだ。
「どこにいるの?」
 彼はソファの中から答えた。
「ここだよ。」
「何してるの?」
パイプだよ。眠れなかったんだ。」
「まだ寝てないの? 何時なの?」
 彼はランプをつけた。目覚ましは3時10分だった。パイプの灰を捨てて、しぶしぶ再び床に入った。見ていた夢の糸口を取り戻せるとはそれほど考えなかったが、入れたてのコーヒーの香りに気づくまで目を覚まさなかった。
(#76『メグレの失態』第7章)

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*メグレと部下は午後10時過ぎまで捜査資料を読んだり分析したりして働いた。家に帰って床に入っても、半分夢を見ながら色々な考えが頭の中を巡ってなかなか眠れなかった。

remuait < remuer(ルミュエ)v.t. 動かした(半過去形)

repoussait sa couverture < repousser(ルプッセ・サクヴェルチュール)掛け布団を押しやった(半過去形)

s’écriait soudain < s’écrier(セクリエ・スダン)急に叫んだ(半過去形)

du fond de son fauteuil(デュフォン・ドゥソンフォトゥイユ)ソファの中から

Je fume une pipe < fumer(ジュフュム・ユヌピプ)私はパイプを吸っている
イメージ 1

Crédit photo : L’écran sur Youtube
Téléfilm “Un échec de Maigret”
© Dune/France2  @macri rossi

Je ne pouvais pas dormir < pouvoir(ジュヌプヴェパ・ドルミール)私は眠れなかった(半過去形)

Tu n’as pas encore dormi ? < dormir(チュナパザンコール・ドルミ)まだ寝てなかったの?(複合過去形)  

Quelle heure est-il ?(ケルーァエティル)何時ですか?

Il alluma < allumer(イラリュマ)彼は明かりをつけた(単純過去形)  

Le réveil marquait < marquer(ルレヴェィユ・マルケ)目覚ましは〜を示していた(半過去形)

Il vida sa pipe < vider(イルヴィダ・サピプ)彼はパイプを空にした(単純過去形)

se recoucha < se recoucher(スルクシャ)再び横になった(単純過去形)

insatisfait(アンサティスフェ)adj. 不満な、満たされていない

espéra < espérer(エスペラ)v.t. 望んだ(単純過去形)

sans trop y croire(サントロピ・クロヮール)あまり考えずに

retrouver le fil de son rêve(ルトルヴェ・ルフィル・ドゥソンレーヴ)彼の夢の糸口を再び見出す

ne s’éveilla que < s’éveiller(ヌセヴェィヤ・ク)〜まで目が覚めなかった(単純過去形)

à l’odeur du café frais(アロドゥー・デュカフェフレ)入れたてのコーヒーの香りに


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 Maigret dîna chez lui. Cette nuit-là, sa femme ne souffrit pas et il dormit
d’une traite jusqu’à sept heures et demie.  On lui apporta, comme toujours,
une tasse de café au lit. (---)
 Il venait d’entrer dans la salle de bain quand la sonnerie du téléphone retentit.  Il entendit sa femme qui répondait :
ー Oui… oui… Un instant, M. Lapointe…
 Cela signifiait la catastrophe.
(©Georges Simenon : Un échec de Maigret; Chap.2)

 メグレは自宅で夕食を取った。この夜、妻は歯の痛みがなく、彼は7時半までぐっすり眠った。いつものようにベッドにコーヒーが運ばれてきた。(---)
 彼が浴室に入ったばかりのところで電話のベルが鳴った。妻が返事をしているのが聞こえた。
「はい、はい、ラポワントさん、ちょっとお待ちください。」
 それは大事件を意味していた。
(#76『メグレの失態』第2章)

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Maigret dîna chez lui < dîner(メグレ・ディナ・シェリュイ)メグレは自宅で夕食を取った(単純過去形)

sa femme ne souffrit pas < souffrir(サファム・ヌスフリパ)彼の妻は(歯が)痛まなかった(単純過去形)

*dormit d’une traite < dormir(ドルミ・デュヌトレト)ぐっすり眠った(単純過去形)d’une traite 一気に、休まずに traite  n.f. 手形、交易、行程、道のり

comme toujours(コムトゥジュー)いつものように

*On lui apporta une tasse de café au lit < apporter(オンリュイ・アポルタ・ユヌタス・ドゥカフェ・オリ) ベッドに一杯のコーヒーを持ってきた(単純過去形)

イメージ 1
メグレの家には二人しかいないのだから、メグレにコーヒーを持って来るのは夫人だけなのに、ここでは主語を言いたがらない場合の on を使っている。毎日の習慣だからだろうか?

フランスでは朝はカフェオレを飲むのが一般的で、しかもベッドで寝覚めの一杯といった感じで、le café au lait au lit(ル・カフェオレ・オリ)とよく言われている。

Crédit photo : Lécran d’ Youtube

Il venait d’entrer < venir(イルヴネ・ダントレ)彼は入ったばかりだった(半過去形)

quand la sonnerie du téléphone retentit < retentir(カン・ラソヌリ・デュテレフォヌ・ルタンティ)そのとき電話のベルが鳴った(単純過去形)

Il entendit sa femme qui répondait < entendre, répondre(イランタンディ・サファム・キレポンデ)彼の妻が返事をしているのが聞こえた(単純過去形+半過去形)

Cela signifiait < signifier(スラ・シニフィエ)それは〜を意味していた(半過去形)

la catastrophe(ラカタストロフ)n.f.  大事故、大惨事、大事件


**事件の概容についてはこちらへ #76




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