|
コラム こどもの受難、奪われる短い命 (朝日新聞より)
2008年度の児童虐待相談件数は40,639件、統計開始の2002年の40倍。 わが国の幼児虐待、折檻死はあとを絶たない。こどもの日を前に、この問題をもう一度、社会全体で真剣に、考え直してみる必要がある。子供や幼児の虐待死は、あまりにも悲惨で成人が受ける拷問死以上に残虐であることが世間の大人がなかなか分からない。 大人の場合は、虐待や拷問を受けても、それを人に訴え助けを求める道がある。ある程度、体力もできている。子供の場合は、自分の親、義父母から受ける死に至る折檻や虐待は、誰かに訴えて、それから逃れられる方法を知らない。自分が一番頼ってきた人以外にだれにSOSを出せばいいのか。すなわち出口をふさがれて、袋小路に追いつめられた状態で永遠に終わることのない執拗な折檻、虐待が続く。この欄で7,8年前に、子供の虐待死について、いたたまれなくなって取り上げたことがあった。そのとき以来、情けないことに同じような事件は減ることなく今も続いている。その記事を、いま読みかえしてみてもつらい。 死亡した事件.
昨今、死亡の結東京都目黒区で虐待を受けたとされる船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が3月に愛(ゆあ)ちゃんの5歳、ノートに「おねがいゆるして」のメモが公開されて心のおくまで衝撃が走った。 これと同じ事件は前にも何回かあった。 その理由は、初めてひらがなでお書くことを覚えた幼女が、あの短文でおいつめらてたその閉塞された状況を端的にあらわし、その叫びが伝わってくる。 読み終わると、両の頬を涙が転げ落ちるように床に跳ねた。 それにしても東京都品川の児童相談所の職員は、ゆあちゃんのメモを生前に読なかったのだろうか。それとも涙腺もない干物のような地方の小役人だけだったのだろうか。 監督責任者の小池知事の意見、ヒューマニズムを知りたいが、多分、小役人と同じように5歳の幼児の命などかまっていられないと思っているかもしれない。 問題はこのような悲劇が二度と行わないようにするには、どうしたらいいかをここで本気になって行政は考えるときである。 おじような問題を抱える海外の先進国では、どうしているのだろうか。 まず、幼年期の子供は、まず個人の所有物ではない、とする前提がある。現在の日本では、子供は親の所有物であり権利を全面的に主張するため種々の悲劇を生む根源になっている。勿論、行政は多額の手当てなど出費している。 両親の子供の虐待がわかっていても、日本では親子の間に入って子供を引き離すことは、親に親権が強すぎて行政が躊躇する場合が多い。これが悲劇を生む根源だ。 十年一日のことく毎回繰り返す幼児の受難はいつまで続くのだろうか。 以下は、この20年ほど新聞に出てきた幼児折檻死の記事のリスト。
・「バイバイ」笑顔の幼子を、母は橋から落とした (2011年) ・「2児置き去り ゴミの山、寄り添い倒れていた姉弟 育児放棄し殺してしま った」大阪2児変死 (2012年) ・4歳児に食事1日おにぎり2個、両親逮捕(2010年) ・ 無言のSOS、江戸川区の7歳虐待死(2010年) 「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします。」(ゆうあちゃん6歳のさけび) 以上
橋中進 (2018・6・8) 「ある虐待死と餓死のこと」(2005/7/1) より再掲。
虐待死: 同級生にあざ見られ「言わないで」 杏実ちゃん 名古屋市南区で市立宝南小2年、鈴木杏実ちゃんが母親の唱子容疑者(32)らの虐待で死亡した事件で、杏実ちゃんが不登校になる直前、複数の同級生に、顔のあざを見つけられ「両親にたたかれた」と漏らしていたことが分かった。杏実ちゃんは友だちに「このことは言わないで。またたたかれるから」と口止めしていたという。 同級生の母親によると、3ヶ月ほど前、子どもが杏実ちゃんの顔のあざに気付き「どうしたの」と聞くと、「お母さんとお父さんからたたかれた」と打ち明けたという。 この母親は杏実ちゃんの死亡2日前に子どもからこの話を聞き「なぜ早く言わなかったの」ととがめると、「杏実ちゃんから『このことは言わないで、じゃないとまたたたかれるから』と言われた」と話したという。虐待への恐怖から杏実ちゃんは周囲に助けを求めることができなかったとみられる。 関係者の話では、杏実ちゃんが不登校になったあと、別の母親が学校の担任に杏実ちゃんの顔にあざがあったことを報告。その後、担任が家庭訪問し杏実ちゃんに確認すると「公園の鉄棒にぶつけた」と答えていた。また事件後、山本国臣教頭は「虐待に気付けず残念だ」と話していた。[毎日新聞から] この記事も読み終わってしばらく胸がつかえてボーゼンとしてしまった。まもなく目頭が熱くなって、涙がとどめなくあふれ出てきた。やりきれない。 親から、虐待を受けていた幼児がそれを一生懸命心の中に隠していた。が、誰かからの助けを欲しかったのだろう、それを求めていたんだ、きっと。そして亡くなった。 この記事を読んだのは、7,8年前のことである。その後、子供の虐待死は減っていない。 つい最近、2009年4月、大阪市西淀川区の事件。松本聖香さん 市立佃西小4年、松本聖香(せいか)さん(9)が3月下旬に1週間にわたり、連日、自宅マンションのベランダに閉め出されている聖香さんの姿が目撃されていた。 聖香さん宅のベランダでは、カーテンの閉まった窓に向いて立ちつくす女児の姿を、近くの工場で働く男性が目撃していた。4月5日頃、ベランダに放り出していた聖香さんが死んでいるとわかり、墓地に埋めた。聖香さん自宅マンションでは、3月20日過ぎの深夜、「ギャー」という女の子の悲鳴を住民が聞いて警察に通報している。 2009年4月、 もうひとつ同じ4月の事件。母「長男泣くたび夫がせっかん」。兵庫県小野市の夫婦が、自宅の冷蔵庫に長男(当時4歳)の遺体を2年近く隠していた。大塚美由紀容疑者(33)が、県警社署の調べに対し、「長男が泣く度に夫がせっかんした」義父(34)が、長男への虐待を日常的に繰り返し、折檻死させたとみている。 虐待死の死因調査によると、絞殺などの身体的虐待、食事を与えない、養育拒否などが大半である。年齢別では、まったく抵抗もできない6歳以下 が約9割を占める。加害者は、実母、実父、養継父母と内縁者だった。
これらの事件の大半で、関係機関が事前情報を把握してる。自治体の福祉事務所、病院、保健所、警察で把握していた。 無断転載厳禁 Copyright JCNCC 2018 |
全体表示
[ リスト ]




この写真の結愛ちゃんのひとなつこい眼を見るたび毎にかわいそうに涙がこみ上げてくる。国会でもこの問題を取り上げて議論をしていたが、この幼女の写真をもう一度眺めて議論を始めたらどうだろう。
2018/6/26(火) 午前 9:41 [ jst*ch ]