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★川越スケッチブック-埼玉都民の川越暮らし
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【宇和島・菊美ど里劇場(昭和58年撮影)】

 ◆はじめての一人旅は四国でした。四国ワイド周遊券を利用して東京からは夜行、四国内も当時(1983年)は土讃線・予算線に夜行鈍行が走っていたので、これをフルに活用して宿泊費を浮かし、数回はユースホステル利用というまさに学生ビンボー旅行でした。

 足摺岬に泊まった翌日、土佐中村から窪川へ出て予土線に乗換えました。予土線は四万十川に沿って宇和島へぬけるローカル線。途中の土佐大正駅あたりで交換待ちのときの、付近の蝉しぐれが耳に焼き付いています。

 宇和島での下車は宇和島城を見るためでした。駅からアーケード商店街を歩いて、城へ向う途中に見かけて撮影したのが「菊美ど里劇場」です。館名といい建物の雰囲気といい地方映画館らしさがあふれていました。外観は改装されているようですが、外廻りをはずすとおそらく建築当初の姿が残っているように思います。
 四国旅行の写真で映画館を撮影したのはこの宇和島だけ。なぜ宇和島の映画館を撮影したのだろうかと言うと、おそらくは宇和島の登場する小説「旅の重さ(素九鬼子)」が頭にあったからだと思うのです。お遍路をする主人公の女子高生がふらりと宇和島の映画館に入るくだりがあって、館内で教員風の男に誘われて食事を御馳走になるのですが、男に下心を感じた主人公はさっさと食べると、ごちそうさまと男を置いて店を出てしまうユーモラスな場面でした。

 今はシネコン全盛で昔からの地方映画館も風前の灯状態のようですが、この「菊美ど里劇場」果たして今も健在かと検索で調べてみると・・・・昭和60年に火災で失われていました。残念!

 四国一人旅は和歌山からフェリーで小松島上陸、途中八幡浜からフェリーで別府に渡り、熊本の友人宅を訪ね再度四国へ戻るという12日間の旅程。帰りは東海道を鈍行乗り継いで帰ってきましたが、東京に着いたときの所持金はたったの500円でした。
 

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