☆黒木和雄監督遺作「紙屋悦子の青春」を見る
■昭和20年の鹿児島の小さな町。兄夫婦(小林薫・本上まなみ)と暮らす紙屋悦子(原田知世)に、兄の後輩明石(松岡俊介)から見合い話しが持ちこまれる。
相手は明石の親友永与(永瀬正敏)という青年。見合いしてみると永与は朴訥とした人柄で、悦子の印象は悪くない。だが悦子の心底にひっそりとあるのは明石への想い。それは明石も同じであった。
見合いを薦める明石の気持ちを図りかねるが、数日後にやってきた明石は特攻隊へ志願することを告げる。別れの挨拶をして帰っていく明石を呆然と見送る悦子に、彼女の心情に気づいていた兄嫁は「追いかけなさい(そして好きだと言いなさい)」と言うが、悦子はその場に激しく泣き崩れるばかりだった。
■何気ない日常会話の積み重ね、屋外の春らしい光景に加え、抑え目の演出が全編をしっとりと包み込んでいる。それだけに悦子が板の間に泣き伏す場面で一気に悲しみがあふれ出る。構成の巧さがジメジメ感を感じさせなくていい。
永与は明石から託された悦子への封を手に、明石の死を告げに来る。封を開けずに永与との結婚を決意する悦子。託された手紙の内容を察知して、自分が悦子を幸福にしようと密かに思う永与。ふたりを演じた原田知世と永瀬正敏はよかった。特に永瀬の老人演技は巧い。
■レイトショーはたった4人の観客。スカラ座ロビーとトイレに通じる廊下には、過去にここで上映された作品のポスターがずらりと張られて、館の栄光を楽しめる趣向がされていた。
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私も、川越スカラ座で、4月11日に観てきました。永瀬さんのことは、テレビで隠し剣見てから大ファンになりました。このスカラ座に紙屋悦子の青春は、ぴったりです。昭和にタイムスリップしたかのようでした。また 観たくなりました。
[ ゆかぼん ]
2007/4/19(木) 午後 6:07
ゆかぽんさん>コメントありがとうございます。「紙屋悦子の青春」は岩波ホールで上映された作品です。こういう単館公開の作品が川越で見られることはかつて無いことでうれしかったです。永瀬正敏は若い頃の「ションペンライダー」「みゆき」を観ています。あとビデオで大竹しのぶと出た作品・・タイトル度忘れしました。
2007/4/20(金) 午前 2:33
先日、新聞でスカラ座の閉館の事が記事になってましたね。リニューアルされイベント&映画スペース?になるって書いてあったけど、川越に映画館が無くなるのは寂しいですね。
2007/5/10(木) 午後 10:08
windさん>時代の流れで仕方ないことなのだと思います。埼玉県の古くからの映画館としては、このスカラ座が最後だと思います。大宮駅周辺も熊谷・飯能・春日部・幸手・川口・・既存の映画館はみな消滅してしまいましたね。
2007/5/11(金) 午後 5:29