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【八州通商録 全』
明治30年12月刊 田中芳四郎編纂 芳流館編纂所
潤滑な商業取引の手引きとして刊行された商工人名録で、東京府・神奈川県・埼玉県・千葉県
・茨城県・栃木県・群馬県の市町村の有力商工業者の一覧です。タイトルに使われている「八州」
はいわゆる関八州(対象エリアの八つの旧国名、武蔵・相模・下房・上総・安房・常陸・下野・上
野)のこと。情報が乏しく交通や通信も不便であった時代、どこの町にどんな業者がいるのかが一
目でわかるこのような名鑑は重宝だったと思われます。
序文には発行目的とともに刊行までの紆余曲折が記してあります。資金面など様々な障害にぶつ
かるのですが、旧知の知人の援助により見通しがたち、武州川越町へ赴いて周辺地域の豪商へ掲載
勧誘をすると半月で300人余りが賛助してくれて刊行へのはずみがついたと書かれてあります。
川越町の掲載業者数は86。川越大火から数年しか経っておらず、町は復興途中だったと思いますが
有力商家のほとんどが名を連ねているようで、当時の川越町の商業の一片を知る手がかりとなる資
料のひとつでしょう。
か
川越町ノ部の一部分 文字の大きい業者はおそらく協賛費を多く払ったのだと思われます。
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埼玉資料



