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週末の宵、映画「フラガール」を川越スカラ座のレイトショー(1000円)で観た。
キネマ旬報ベストテン第一位をはじめ、数日前の日本アカデミー賞も総なめの話題作。規模縮小で閉山の影が忍び寄る炭坑街を舞台に、炭坑会社が新規オープンする娯楽センターのハワイアンダンサーに、地元の娘たちが応募してプロデビューするまでの物語。ジメジメしすぎず、大げさにドタバタしすぎず、全体を通してカラリとした作品に仕上がっている。
ダンサー養成教師松雪泰子、ハスッパでいい味出している。蒼井優、助演女優賞だけあってラストのタヒチダンス圧巻。南海キャンディーズのしずちゃんはキャラだけかと思ったら、ちゃんと演技してるでねえの。そして富司純子サマ、芯の通ったおっかさん像絶品であります。犬神家の一族の松子役なんかよりずーっといい。
昭和40年という時代が上手に描写されていて、当時を思い起こす大道具小道具がわんさと出てくるが、強調されてなくて演技&展開の邪魔をしていない。画面全体に冬の午後3時の日差しのような色合いが漂って心地よい。なんといっても美術が素晴らしい。「三丁目の夕日」の美術なんてクソくらえ(予告編しか見てないけど)
小雨降る中、今宵の観客は約30人ほど。窓口で館主さんが元気にチケット渡してくれた。スカラ座では昨年のベストテン入り作品上映がこれからも続く。次回24日からは根岸吉太郎監督「雪に願うこと」を上映。この作品は昨年都内で観た。挫折した主人公が故郷に帰って心の温かい人たちに恵まれて再起するまでの物語は、実際にこんなだったらうらやましいなと正直僻みたくなる。でもこれが映画。主人公が痴呆症の母親に再会する場面に深い感動がある。割引券もらったので都合がつけばもう1度観てもいい作品。
館外に出ようとしたとき、ロビーのソファーにラフな格好でくつろいでいた人を一瞬ガン見してしまった。見間違えなければその方は・・市長さん・・!?
「あの娘(蒼井)はよっぽどダンス練習したんだろうなー」などと言いながら静かな夜道を帰って行く人たちの横を、自転車ですり抜けて帰宅の途につく。
しかし古い街の古い映画館でちょっと古い映画を見るって、実は複雑なものがある。
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