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■幸町の蔵造り「長島家住宅(市指定文化財)」の裏手にある井戸。鋳物製の手押しポンプがすっかり錆びてすでに使用されてないが、覗くと井戸は往時のままの深さである。 かつて自宅にも手押しポンプ井戸があった。すでに使われていなかったが、幼少時代にはポンプを押して勢いよくほとばしる水の記憶がある。なにかの道具を洗うときには使用していたのだろう。普段は細い何枚かの厚板が渡してあった。板をどけてのぞき込むと、光りに鈍く反射する水面があり、そこらの小石を投げると水音が井戸内に反射した。 井戸のそばにはコンクリート製の大きい防火用水と、大きい柿の木があった。用水には金魚の姿を見ることもあったが、黒く濁って「ぼうふら」が湧いてることが多かったと思う。夏には蚊柱のたつこともあった。 柿は樹齢80年といわれ、風呂場脇にあった井戸の屋根上や、垣根を越して往来にもはみ出そうな見事な枝ぶりだった。秋に鮮やかな朱色が柿の木全体をたわわに飾ると、道行く人が立ち止まってカメラで撮影していたりしていた。 井戸も、防火用水も、柿の木も今は無い。30年前の自宅改築のおりに、すべて取り払ってしまって、記憶に残るのみである。 余談だが、大宮・浦和・所沢・飯能などは戦前に上水道が引かれたが、川越での水道給水開始は戦後の昭和29年(1954)である。当時埼玉県8市のうち、水道の無いのは川越・熊谷・行田のみであり、川越の水道導入はかなり遅かったのである。 |
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2007年10月29日
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