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先月は半月ばかり、勤務先近所に住む顔見知りの70代女性の手助けをした。道の傍らにしゃがみこんでいる姿が尋常でなかったので声をかけると、足に激痛が走って立ちあがれないとのこと。 目と鼻の先の自宅まで送ったが、アパート2階に一人暮らしで近距離に身寄りなし、近所付合いも皆無なので大丈夫だろうかと心配になった。数時間後に職場に電話をかけてきて、痛みがひどくなるばかりだから病院へ行くので階段を手伝ってほしいとのこと。外は土砂降り。「私はもうだめだ!」何度もそう言いながらようやく階段を下りると、表通りでタクシーをつかまえて運転手に行き先ほ告げる。かかりつけの病院までは車で30分の距離。「あなたにご迷惑かけてごめんなさい。救急車を呼ぶと家主さんが嫌がるの。ここに住めなくなってしまうんです」痛みをこらえながらそう言うと車上の人となった。 それから半月ほどの間、同僚と上司も協力してくれて、電話がかかると階段の上り下りと買物の手助けをしたのだが、数日間電話がかからないと思っていたらすっかり元気になって現れた。痛みはほとんどひいたと言う。 「私は家にじっとしてられない性分なの。だからまたあちこち外歩きができるようになってとてもうれしい」 「あなた川越に住んでいるの?前に1度行きました。スポーツ店の蔵造りとてもりっばね」 かつての仕事は教員かな?と思わせる雰囲気のその女性に「じゃあまたゆっくり川越散策に来てください」と言うとニコッと微笑んでいた。 数日前に本丸御殿前にいたところ、タクシーから杖をついた御婦人3人が下りてきた。車で川越名所めぐりをしているらしい。記念撮影になると親切な運転手は想い出の一枚になるよう、傍らの人たちに頭を下げて退いてもらったりして、何枚もシャッターを押していた。このあと蔵造りの街並みなどを見たのだと思うが、存分に楽しめただろうか。 「しわのばし」という言葉がある。検索すると皺のばしクリーム関連ばかりヒットするが、明治の頃には「老人の気晴らし」の意味として使われていた。東京巣鴨はまさにしわのばしの町。川越も追随してもいいかも知れない。
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2008年06月14日
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