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★川越スケッチブック-埼玉都民の川越暮らし
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川越スカラ座で「母べえ」

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             【夜のスカラ座入口】
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 スカラ座に着くと、入口脇のポスターを筋向いのおばあさんが熱心にのぞきこんでいて「ずいぶん重そうな(内容が)映画らしいねえ」と大きい声で言っていた。

 夫が思想犯として投獄され獄死。残された妻と子供の生活描写をとおして、戦争が引き起こす深い悲しみを滲ませた山田洋次監督作品。男はつらいよシリーズに代表される喜劇も得意とした監督は、さりげなく笑いの場面も入れ全体的に押さえた演出だけに、そんなに重い雰囲気はしない。しかしすべてを説明せず、見る者に考えさせるように仕向けているから、見終わったあとでズッシリとくるものがある。

 主人公の住む家にリアル感があったが、その周辺はいかにもセットっぽいのが残念。品川駅出征シーンはもちろん大井川鉄道ロケだが、せめてもう少し山がわからないようにして!
 主人公の家は大通りから路地を入ったところにあるのだが、この手のパターンって多い気がする。「3丁目の夕日(2005)」も「あうん(1988)」もそうだった。なぜだろう・・

 吉永小百合の母親像は見事。「細雪(1983)」で口数少なく控えめながらもシンのある役をこなしたあたりから、役柄の幅が広がったんじゃないだろうか。もちろん溌剌とした役が多かった若い頃の「だれの椅子?(1968)」「美しい暦(1963)」「私、違っているかしら(1966)」「光る海(1963)」などもよかった。
 出色はやまちゃんを演じた浅野忠信!存在感あって圧倒された。新人時代の「青春でんでけでけでけ(1992)」でもセリフが巧かったことを思い出した(この映画の浅野は今からは想像つかない顔)
 特高警察役を演じた笹野高史も巧い!おっかない!

 山田洋次作品はあまり見ていないのだが「愛の讃歌(1967)」はわりと好きである。瀬戸内海の島を舞台に若い男女(倍賞千恵子・中山仁)の愛情を描いた内容で、2人を取り巻く島の人たちがみなひょうひょうとおもしろおかしくて秀逸だった。

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【夕暮れのスカラ座路地】

 ●母べえ(かあべえ)
 監督/山田洋次 2007年 松竹作品
 出演/吉永小百合・浅野忠信・壇れい・戸田恵子・倍賞千恵子・笑福亭鶴瓶・板東三津五郎

 ★「母べえ」は7月13日までスカラ座で上映。

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