☆配達されない三通の手紙☆
1979年 松竹作品
■監督/野村芳太郎 ■脚本/新藤兼人
■出演/栗原小巻・松坂慶子・小川真由美・竹下景子・神崎愛・片岡孝夫・渡瀬恒彦・佐分利信・乙羽 信子・小沢栄太郎・蟇目良 他
川越ロケという理由だけで見た「鬼畜(松竹・野村芳太郎監督・1978年)」は、当時高校生だった自分に様々な興味を持たせるきっかけになった。まず原作者松本清張の小説を読むようになったこと。そして清張の映画化作品を見るようになったこと。とりわけ清張作品の映画化は野村芳太郎監督が多く評価も高いことから、推理作品以外の野村作品への興味、野村作品の音楽を手がけた作曲家芥川也寸志の世界へと枝葉はのびるばかりだった。
「配達されない三通の手紙」は「鬼畜」の翌年に公開された野村監督作品。エラリィ・クイーン原作「災厄の町」を、山口県萩市に舞台を設定し映画化した。銀行家の家庭で起こる惨劇を、三女と居候の日系三世青年が、残された三通の手紙をもとに謎解きをする筋立て。どんでん返しなどははなく全体的に大味。感動も皆無だが制作費かけているだけあって豪華キャストだし、丁寧な作りでテレビの二時間ドラマより数倍は楽しめる。栗原小巻の演技が大げさに感じられ、松坂慶子は阿婆擦れ役が似合ってそうで似合ってない。落ち着いて推理する神崎愛と、わずかな登場の竹下景子の存在感がよかった。そして佐分利信の重厚な演技。
当時都内のロードショーでこの映画を観た友人に、川越駅前でばったり会った覚えがある。川越公開は数週間遅れで、さらに翌年に再度ホームランにて上映された。当時は松坂慶子がブレーク中で、初主演作「夜の診察室」なんて珍作がリバイバルされたりしていた。ホームラン再上映もあきらかに松坂人気にあやかったらしく、このときは松坂出演作「事件」との二本立。ホームランオリジナル松坂慶子単色刷りポスターが販売されたはずである。
窓口へ行くと「戦国自衛隊(角川映画)は先週で終わったわよ」と無愛想に言われた。映画には松坂慶子のシャワーシーンがあり、高校生のくせにと思われたらしい。むしゃくしゃしてやっばり映画は都内の映画館でみるべきだなと当時思ったりした。もっとも少ない小遣いではもっぱら名画座専門で、封切り館へは滅多に行けなかったが。
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