|
半月ほど前に川越市立博物館収蔵品展「サツマイモ」を見にでかけた。会場で目をひいたのは石焼きイモの引き売りに使われたリヤカーを改造した屋台。見たとたんにチリンチリンという、引き売り時に鳴らした鐘の音が頭によみがえった。 幼い頃、冬場になると毎日石焼イモ売りがやってきた。昼少し前に遠くからチリンチリン聞こえてきて「あっ来た!」と思ったことをよく覚えている。大通りを曲がってくるとその音は次第にはっきりしてきて、やがて自宅裏四辻で音が止まる。石焼イモを売る細顔のおじさんは、そこでしばらくイップクするのである。当時自宅界隈で石焼イモを買うのは、我が家と他数軒が常連だった。いずれも幼い子供がいた家で、コンビニなんぞない頃だから、手軽なおやつの調達に重宝したらしい。買うにはテクニックがあって「○本ください」ではなく「○円分ください」である。目方売りだから本数で頼むと、大きい高いものばかり包まれてしまう。子どものおやつだから量はいらなかった。黒い艶のある石をザクザクかき回して芋を取り出し目方を計る。金額に見合う本数を、ぶらさがった古新聞紙の袋に入れてくれた。つり銭もぶら下がったザルに入っていた。煙突から煙が流れ、薪がプスプス燃えはじけていた。 展示されている石焼き芋売りの屋台は実際使われたもので、冬季になると青森からやってきた方の寄贈によるもの。川越北部落合橋あたりから所沢方面にかけて引き売りしたとのことだが、自宅裏を通った方と同じ人であるかはわからない。母親は「どこの県だったか覚えてないけど、東北の人だったよ」 昭和50年頃までは、このチリンチリンの音を聞いたと思う。 ■川越市立博物館第19回収蔵品展「サツマイモ」は、9月23日まで開催中です。
|
過去の投稿日別表示
-
詳細
2009年08月22日
全1ページ
[1]
コメント(10)
全1ページ
[1]




