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容赦ない照り返しで白っぽく霞んだ両国の街。ちゃんこ鍋の看板ときらびやかなノボリがやたら目立つだけ。浅草へ出て昼食をと思ったが、水上バスの時刻にもかなりの間。
数年前に読んだ雑誌に紹介されていた定食屋のことを思い出したが、果たして今もあるのだろうか。真上にある太陽のもとを歩くのはしんどかったが、記憶にあるおおそよの位置の方角へ歩いてみた。ほのかな風は熱を帯びて汗が吹き出る。
国技館前を北に向かい、旧安田庭園前の交差点に出ると右手すぐに「下総屋食堂」のノレンが風にはためいていた。
通りの先には江戸東京博物館が。開け放された入口へ立つと「いらっしゃーい」とほがらかな声。
先客は二組4人ほど。奥のカウンター脇のガラスケースに惣菜類が陳列されていて、好きな品を選べるようになっている。なににしようか考えているとカウンター奥の厨房から「ごはんは大盛りと普通盛りどっちがいい?それと豚汁とみそ汁が選べますよ」とおばちゃん。
ごはんは普通盛りをオーダー。丼なのでけっこう量がある。味噌汁はワカメ。おかずは秋刀魚の開きの焼いたのと、マカロニサラダ。
店のおじいさんが熱い番茶を運んできて「水も飲むかい?ちょっと待っててな」
魚は他に数種あって、惣菜はイモの煮っころがし・ひじきの煮たの・ピーマンに味噌をかけたものなどいろいろ並んでいた。
味はいたって素朴。親戚に来てごはん食べさせてもらっているような、そんな感じ。
成瀬巳喜男監督の映画にでも出てきそうな昭和30年代っぽい店内。こういう雰囲気だと、ごはんというよりも「めし」をガッツリ食べている感じ。
クーラーのない店内は扇風機一台のみ。入口と窓全開で風通しがよいせいか、あまり暑さを感じなかった。
女性客ふたりがごちそうさまと出ていくと、あとは常連らしき男性ふたりがビールを空けながら食事をしているだけ。テーブルの一部は懐かしいデコラ貼り。大事に使っているらしい。
会計はしめて700円也。魚300円・サラダ200円・ごはん100円・味噌汁100円の内訳だと思う。
隅田川のほとりでひと休み。暑くとも空はどこか初秋のおもむき。 |
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