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★川越スケッチブック-埼玉都民の川越暮らし
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★映画の本

 
 
 
 
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 最近夢中で読んだのが「その場所に映画ありて プロデューサー金子正且の仕事」 映画関係の質のいい本を出しているワイズ出版だが、この本は2004年の出版。今まで気づかなかったとは・・
 インタビュー形式の内容だが、抜群の記憶力とざっくばらんに話してくれていることが、映画史の記録としても貴重な一冊。
 
 作品・監督・俳優など内容は多岐にわたるが、女優の項では原節子や久我美子などともに、新玉三千代について語っている。彼女について語られたものは少ないのではないだろうか。
 小津安二郎監督が東宝で「小早川家の秋」を撮ったとき、彼女の演技を絶賛したという証言など興味深く読んだ。婿養子をとって造り酒屋を切り盛りするしっかり者の長女役で、昔の腐れ縁(浪花千栄子)のもとにこっそり通う父親(中村雁治郎)に、チクチクとイヤミを言うのががユーモラスで絶品の演技だった。
 
 「小早川家の秋」の動画がないかと探したがあいにくアップされてなく、そのかわりに見つけたのが成瀬巳喜男監督「女の中にいる他人(1966年)」 
 
 外国ミステリー小説の映画化。親友(三橋達也)の妻(若林映子)と密通していた男(小林桂樹)が、誤って彼女を殺してしまう。事件は迷宮入りとなるが、男は罪の意識にさいなまれて、妻(新珠三千代)に告白してしまう。私たちだけの秘密にしましょうと妻は言うが、男は次第に神経衰弱となりついに自首すると言う。幼い子どもたちの将来を考えた妻は、夫から取り上げて箪笥の奥深くしまっていた毒薬を手にする。
 
 雨のシーンが多いのと、全編に流れるピアノ曲、いつも精気のない顔をしている小林桂樹の演技が印象的。そしてラストシーンの、穏やかな日差しの海岸で遊ぶ子どもたちを見つめる新珠三千代のどこまでもやさしい表情が・・・・・こわい。
■東宝映画「女の中にいる他人」 予告編
 監督/成瀬巳喜男 出演/小林桂樹・新珠三千代・三橋達也・加東大介・草笛光子・長岡輝子 他
 
 新珠三千代は「乳母車(1956)」での知的な愛人役や、「赤信号・州崎パラダイス(1956)」の水商売の女役もよかったが、自分にとってはリアルタイムで見ていたテレビドラマ「細腕繁盛記」の加代にとどめをさす。「おみゃーに食わすめしはにゃあずら!」の正子役富士真奈美の怪演もさることながら、すべてを犠牲にして左前の温泉旅館を再興する、新珠三千代の優しいながらも根性ある浪花女は見事だった。
 
 余談だが新珠三千代の実妹は川越の政治家に嫁いだ。

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