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▲昭和10年代の川越高等女学校 屋根や地面の白いのは降雪によるもの(川女卒業アルバムより)
■川越汁
川越高等女学校では、昭和8年9月から「栄養給食」が始まった。給食といっても今日のものとは違っていて、生徒が持参した弁当などの副食物としての位置づけであった。
夏休み中に校内の元うどん食堂を改造して調理室とし、800人分の琺瑯食器や業務用鍋等の器具を購入した。炊事夫一人に補助の女性二人が朝8時頃から調理を始め、昼食時間に間に合わせた。
給食開始月の献立を見ると、主な品目は次のとおりである。
「白和え」「旨煮」「カレー煮」「野菜豆」「卯の花」「鉄火味噌」「キントンとロース煮」「煮豆とフライポテト」「利休すいとん」「トマト煮」「煮豆とキンピラ」「吉野汁」「スチュー(*シチュー)」「呉汁」 等
汁物が多いのはたくさんの材料を入れることができて栄養面に万全であること、家庭からの弁当の携行に汁物が適していないからでもあった。いずれも材料が記されているが、調味料類は省かれているので味付けがよくわからないものもある。それでも亀甲萬醤油や太白ザラメなどが廉価に使用できて味付けは好評だったようだ。
女生徒に多くみられた偏食の是正と、みんなが同じものを食べることによって、蓋で弁当を隠して食べる行為の減少に効果が見られたという。家庭からの注目も高く献立を書き写す生徒もいた。市内で操業していた石川製糸(現在の市立中央図書館のところにあった)では、献立を真似て女工さんたちに提供したという。全国の学校からの視察も相次いだ。
献立には「合多汁(ごったしる?)」「熱煮」などというよくわからないものもあるが、月末日に出されたのが「川越汁」
材料は生揚げ・甘藷・玉葱・鰹節・葵菜豆・・・・さつまいもが入っているので「川越汁」と名づけられたと想像できるが、さてどんな味付けだったのだろう。
■参考資料
○会報 川越高女 昭和8年
○栄養と嗜好 内務省衛生局 昭和6年
○栄養と食料経済 内務省衛生局 昭和6年
○聞き書埼玉の食事 農山漁村文化協会 1992年
▲現在の川越女子高等学校 |
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2011年03月25日
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