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■川越ロケ映画
『裸の太陽』
昭和33年 東映作品
最近、北九州市がロケ地として人気なのだという。都会と田舎の景観があり、海山の地形に恵まれていることに加えて撮影を支援する地元のフィルム・コミッションの力強い活動ぶりが要因になっているそうだ。
川越にもロケ支援の窓口が開設されたと数日前に報道されたが、ぜひがんばってもらいたいなと思う。 記念にかつて川越でロケされた映画『裸の太陽』をご紹介。
機関車の釜焚きの青年(江原真二郎)と紡績工場に勤める娘(丘さとみ)は恋人同士。倹約して結婚資金10万円を目標に貯金をしているがなかなか貯まらない。娘は身内からの無心も断っているのに、青年は理由も聞かずに請われるまま同僚(仲代達也)に全額貸してしまい、険悪な雰囲気になってしまう・・・勤労に明け暮れるきつい日常の中で、様々な出来事に遭遇しながらも自分たちの夢を叶える努力をする男女を明るく描いた、昭和33年度キネマ旬報ベストテン第五位の秀作。
宇都宮・郡山・平・川越でロケが敢行され、主人公たちが遊びにでかける大きい
全編に蒸気機関車が登場し、難所で車輪が空回りを起こして、走行しながら車体下に身をのり出して砂を撒くスリルあるシーンもある。 クーラーが普及してない時代で、日傘・ハンカチ、トマトにぶっかき氷、窓全開の食堂など、夏の暑さが画面から溢れでている。
▲江原真二郎と丘さとみ。丘は時代劇
のお姫様スターで、現代劇はこれがは
じめてだった。江原はこの作品に出て
いる中原ひとみと、後に結婚。70年代
には家族出演の歯磨きCMで有名。
▲映画に登場した松江町2丁目「原田家住宅」付近。ここと一番街の「フカゼン」前あたりが登場するが、見逃してしまうくらい短いカット。わざわざ川越でロケしなくてもいい印象を受ける。
数年前に私の職場前の道路で、6時間交通遮断して人気ドラマの撮影が行われたが、放映されたのはやはりわずか数十秒だった。交通量の激しい通りで撮影しなくとも、そこらの路地で充分足りるようなシーンだった。
監督は家城巳代治。「異母兄弟(毛呂山町)」「恋は緑の風の中(深谷)」など、埼玉で撮影された作品がある。
■【裸の太陽】 昭和33年 東映作品
監督/家城巳代治 脚本/新藤兼人 音楽/芥川也寸志
出演/江原真二郎・丘さとみ・仲代達也・中原ひとみ・岩崎加根子・星美智子・飯田蝶子・東野英治郎・山形勲・花沢徳衛 他
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映画・演劇他
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詳細
コメント(18)
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★お使いは自転車に乗って
うだるような暑さが続くので、さわやかな笑顔を。
若き日の、女優・轟夕起子です。(とどろきゆきこ/1917-1967年)
▲「東宝四階劇場ニュース」表紙より、映画「限りなき前進」の轟夕起子 昭和12年
宝塚から映画界入りし、戦前から戦後にかけて活躍した女優です。戦前の写真を見ると明朗で近代的な顔立ちですが、私は戦前の作品は見たことがなく、戦後の恰幅が良くなった中年の轟夕起子しか知らないのです。
「あいつと私(1962)」では、石原裕次郎の母役で、夫がありながら若い恋人もいて「私にとって若い恋人は仕事のための潤滑油なの。本当に心から愛しているのはあなただけよー」と叫ぶ素っ頓狂で明るい有名美容師モトコ桜井役。すごく似合っていました。
そうかと思えば「女中ッ子(1955)」「陽のあたる坂道(1958)」での、気配りがあって子どもへの愛情もあるものの、どこか自分本位な冷たさをちらつかせた、田園調布の邸宅住まいの主婦役もたいへん印象的なのです。40代での死去は惜しまれます。
歌もこなしていることは知っていましたが、調べてみるといろいろレコードを出しているんです。
昭和18年の「お使いは自転車に乗って」は、彼女の主演映画「ハナ子さん」の主題歌。当時大ヒットしたそうです。「ハナ子さん」は漫画の映画化で、最近テレビで放映されていたのですが、見逃してしまいました。
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■映画「キューポラのある街」予告編
埼玉県内で撮影される映画・ドラマはたくさんありますが、大半は架空の町だとか、昔の東京のどこかとして使われるパターンが多く、埼玉として登場する作品は少ないのでは思います。そんな中で埼玉を舞台とした作品として名高いのは、やはり「キューポラのある街」でしょう。
1962年(昭37)の日活作品で、浦山桐郎監督第一作。主演は吉永小百合で、彼女が女優として飛躍する作品にもなりました。鋳物の町川口に住む中学生(吉永)が、貧しい生活の中で日々成長する姿を描いたものです。溌剌とした吉永小百合のよさは無論ですが、なんといっても東野英治郎が昔気質の融通の利かない父親役を演じて存在感抜群です。予告編にも出てきますが「ダボハゼの子はダボハゼだっ!中学出たら働くんだ!鋳物工場で!」のセリフ廻しがうまいなーと感じさせます。
この作品は、高校時代に都内五反田東映シネマで見ました。浦山監督作品三本立てで、混雑で最前列の席しか空いておらず、全部見終わったあとは首が痛くてどうしようもありませんでした。
▲川口駅
▲川口駅前 大規模なビルが林立して川越よりも都会的
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★もう森へなんか行かない
▲川越市 仙波河岸史跡公園
1979年放送の山田太一脚本のドラマ「沿線地図」は毎週見ていました。もう細部の記憶はあやふやですが、高校生の男女(広岡瞬・真行寺君枝)がふと知り合って恋におち、学校を中退して同棲してしまう。それを知った二人の親たちは別れさせようとするものの、青果市場で働き貧しいながらも生活を楽しんでいるふたりを見て、自分たちの生き方にも新しい視点を見つけ出す物語だったと思います。
女生徒の母親で電器屋のおかみに扮した岸恵子が出色でした。華麗な雰囲気の女優さんですが、こういう庶民的な役柄もすごく似合うんですね。娘に「おかあさんたちのような生き方をしたくないのよ」と言われて、ほしいものも買わず懸命に日々の生活を送ってきたどこがいけないのと憤慨するシーン(たしかあったはず)がおぼろげに記憶に残ってます。出演は他に河原崎長一郎・河内桃子・児玉清・笠智衆など。
主題曲はフランソワーズ・アルディの「もう森へなんか行かない」 走る東急線を空撮したオープニングに流れた曲で、ドラマによくマッチしていました。
▲単行本「沿線地図」 これは小説で、別に
シナリオもあり。
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