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今日の川越の空、まさに夏らしい色でした。
空を見ていたら、夏を感じさせてくれるこの映画を思いだしました。
1976年に公開された松竹映画「パーマネントブルー 真夏の恋」です。
リアルタイムでは見ていません。かつて日曜午後に「日曜映画劇場」という番組があって、時々この作品が放映されていたのです。この番組のあとは続いて「笑点」という流れでした。
愛媛今治が舞台。大学受験生の少年(佐藤祐介)が夏の日、海岸で行き倒れていた女子大生(秋吉久美子)を助けます。女子大生は政治活動を行っていて追われている身。少年は彼女を実家の旅館で働かせてあげるのですが、警察の動きを察知すると、瀬戸内海の無人島の洞窟に匿い、そこで二人は結ばれてつかの間の楽しい時を過ごすものの・・・
監督は山根成之。出演は秋吉久美子・佐藤祐介・神保美喜・岡田英次・夏純子・原田三枝子・南美江・佐野浅夫。
秋吉久美子のなにもかもにも疲れ果てた雰囲気、学生服のCMで人気だった佐藤祐介が見た目と違って男らしい役柄を好演。脇役陣もいいです。愛人にうつつをぬかしている主人(岡田英次)に代わって、いつも文句いいながら旅人宿を切り盛りする女中頭の南美江が出色。少年が女子大生に心奪われたことを知って嫉妬する同級生役の神保美喜もよし。
秋吉久美子か書き残した「だんだん(ありがとう)」という言葉に少年が絶句するラストシーンに、過ぎていく青春と季節を強く感じる佳品なのです。
映画の挿入歌だった岸田智史「パーマネントブルー」
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映画・演劇他
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■名花散る
とうとう山田五十鈴が・・・・・
それ以上言葉が出てこない、悲しい名女優の死。
ネット検索でたまたま見かけたあるファンの方の追悼文に、
昭和31年の東宝映画「流れる(成瀬巳喜男監督)」のことが、
書かれていた。寺にお参りするシーンで山田五十鈴が、ハン
カチを口に挟んで、着物の袖が濡れぬよう手をのばして柄杓
を取るのだが、その動作が見事で美しいとあった。
じつは自分もそのシーンの彼女の演技に見惚れたことがあっ
た。セリフもなくただお参りするだけだが、今の女優にこういう
演技はできないだろうと思った。
東宝映画「流れる」より
右から、山田五十鈴・田中絹代・賀原夏子
「流れる」は幸田文原作の映画化。東京柳橋の花柳界を舞
台に、左前になりかけた芸者置屋で繰り広げられる人間模様
を成瀬巳喜男監督がふんわりと描いた。
山田五十鈴・高峰秀子・田中絹代・杉村春子・岡田茉莉子
に引退していた戦前大スターの栗島すみ子が特別出演の豪
華キャスト。脇役陣も中北千枝子・賀原夏子・宮口精二・加東
大介・南美江・中村伸郎・仲谷昇とこれまた豪華。
かつて名妓と呼ばれ一目置かれるも、置屋経営の手腕を発
揮できずに没落していく女将を演じる山田五十鈴の、ほのかに
匂いが香るような色気がすばらしい。
「流れる」予告編
山田五十鈴を偲んで、書棚にあった「映画とともに(三一書房/昭和28年)」を再読。
写真は「流れる」のスチール写真。杉村春子・岡田茉莉子とともに。
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■映画本2冊
週末の夕方、春とは思えぬ冷たい風の中、用事で本川越駅へ行くと、駅前のテントで古本市開催中。
電車の時間まで余裕があったので、ぶらぶらと寄ってみた。
川越関係の本もちらほらあり。だいたいが市史だが「写真集 明治大正昭和 川越(1978年/国書刊行会」)の美本発見。すでに所持しているものの、予備用に2000円までならと思ったら、価格はなんと5000円。いっしょに並んでいる浦和などが2000円。入手しずらくなっているのは事実だが、なんで川越だけが高いのか?
即座にあきらめて棚に戻す。
「東京人」2003年10月号
小津安二郎監督特集号。
この特集号の存在はまったく知らなくて、昨年神保町の古書店店頭にたまたま見つけて知った次第。買ったものの、その後に入った喫茶店にしっかり忘れてきてそのまま。
書店のバックナンバーコーナーなどで探したが、なぜか見当たらず。あきらめかけていたら、思いがけなく再発見。
昨日から少しづつ読んでいるのだが、突貫小僧こと青木富夫と三上真一郎へのインタビュー内容がおもしろい。525円。
「日本映画戦後黄金時代(1978年/日本ブックライブラリー)」
中学生のときに30巻くらいのセットで発売された。映画に興味を持ち始めた頃で、ほしくてたまらなかったが価格は3万くらい、とても手が出なかった。
数年後に新宿の東映パラスの売店でバラ売りされているのを発見。すでに主要な巻は売れてしまっていたが、2冊くらい買った記憶がある。池袋の東武・西武デパートの古本市などで全巻揃いが売られているのを見かけたことがあるが、かなりの価格だった。
それでもたまにバラ売りされているのを見つけて、ほしい巻を10冊くらい購入した。一冊1000円くらいだったと思う。
その後は久しく見かけることもなかったが、ほぼ全冊がバラ売りされているではないか!!それも一冊525円・・・安くなったものである。
所持していなかった「シネマあらかると」を購入。
←表紙は、スーパージャイアンツの宇津井健!
日没間近の狭山市駅前
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■川越シャラランおどり
「川越シャラランおどり」・・こんなレコードがあったとは!
歌いまするは三波春夫でございます。
昭和40年代っぽいジャケットだなとは思ったのですが、念のため調べてみたら三波春夫オフィシャルサイトの 年表にちゃんと出てました。昭和48年(1973)の製作です。
年表には委託製作とありましたが、ジャケット裏側に詳細が記されています。
企画制作は川越出身の政治家の方。この数年後に郵政大臣を務めました。川越に楽しい民謡がなかったこと が製作の発端だったとのこと。ティチクレコード製作で、価格表示が無いので配布されたものかもしれません。
作詞は北村桃児・・調べてみたら三波春夫本人でした。当時この名前で作詞活動もしていたそうです。歌詞に は川越の名所が散らばされています。
おどりの振り付けは人間国宝藤間勘十郎によるもの。これも先祖が川越藤間地区の出身であることから応じ てくれたようです。
ジャケット裏には写真入りで、振り付け手順が紹介されているのですが、モデルは息子である三波豊和。数年 後に歌手デビューしますが、デビュー曲「青春よ翔べ」・・♪おりからーの風を受けー♪・・しっかり覚えています (笑)
作曲は伏見竜治という方ですが、詳細はわかりません。
そして肝心のメロディーはどんなものかというと・・・レコードプレーヤーが無いので、どんな曲なのかさっばり わからないのです。ざんねんー
YouTubeにももちろん無いので・・穴埋め?に同じ時期頃にやはり委託製作されたこの曲でお楽しみください。
三波春夫「おまんた囃子」です。明るいいい歌です。
当時、深夜放送(たぶん谷村新司のセイヤング)で「おまんたー」の部分だけがやたら流されていたのを思い出しました。
おまんたー=あなた という意味だそうです。
東京だよおっかさん島倉千代子(ちよこれーと)もたしか川越の歌を歌っているので、どこかに仕舞いこんだレコードが発見され次第紹介しますね。
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■半世紀を映画から振り返る
山田洋次監督50周年記念展
池袋西武百貨店西武ギャラリーで見てきました。スチール写真・松竹大船撮影所模型・昔の撮影機材などいろいろあって、会場は大勢でにぎわっていました。
山田作品で観たものは・・・・そんなに多くないです。男はつらいよシリーズはほんの数本ですし、あとは「霧の旗(1965年)」「愛の讃歌(1967)」「家族(1970)」「故郷(1972)」「同胞(1975)」「幸福の黄色いハンカチ(1977)」「遥かなる山の呼び声(1980)」「母べえ(2008)」・・・
だいたいはテレビ鑑賞ですが、「幸福の・・」は県立川越図書館の名画鑑賞会で、「遥かなる・・」はビラ下招待券を貰い、川越ホームラン劇場で観ています。後者は桃井かおり主演「もう頬づえはつかない」との二本立でした。
演出や構図がとても自然なところがいいですね。さりげなく笑わさせてくれますし。「幸福の・・」で太宰久雄演じる旅館の親父の無愛想ぶりがリアルでほんと笑えました。
観た作品の中で気に入っているのは「愛の讃歌」ですが、これはまた別の機会に。「同胞」もよかったです。劇団の外交の女性(倍賞千恵子)が、岩手県松尾村の青年団に公演を持ちかけ、紆余曲折を経て彼らとともに公演を成功させるまでの物語ですが、実際の青年団の若者たちが素人以上の演技を見せてくれて素晴らしかったです。1975年の作品ですが、35年ぶりに山田監督と倍賞千恵子が村を訪れて、初老になった青年団の人たちと一緒に撮った写真が記念展会場に飾られていました。余談ですが、今再読している文庫本は「宇野重吉一座最後の旅日記(日色ともゑ/1998年/小学館)」 劇団の地方巡業日記ですがおもしろいです。
You-Tubuで探したら出てきたのが「霧の旗」の予告編。山田作品の中では異色のサスペンス。殺人犯の汚名をきせられた兄の弁護を、お金が無いからと断った高名な弁護士に対して、妹が復讐するストーリー。ただの逆恨みなのですが、弁護士を陥れて社会的に葬ってしまいます。人が恨みを抱いたらこんなに変貌する恐さを倍賞千恵子が見事に演じています。
予告編にも流れますが、音楽もとてもいいのです。先日亡くなられた林光氏の作曲です。
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