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男女のくされ縁の話だが、久しぶりに見たらたいへんおもしろかった。
一文無しで今夜の寝ぐらも無い若い男女(新珠三千代と三橋達也)は、東京州崎へたどりつく。
新珠は州崎遊廓へ渡る橋際の酒場の女中、三橋は酒場のおかみ轟夕起子の口利きで蕎麦屋に職を得る。 気の強い新珠は、内気でぐうたらな三橋に愛想をつかし、さっさと店の客河津清三郎とねんごろになって囲ってもらう。三橋は躍起になって新珠を捜すが、やがてあきらめて仕事に精をだすようになる。そんな三橋に同じ蕎麦屋で働く芦川いづみはやさしく接 する。
この映画をはじめて見たのは高校一年のときだが、妙に心に残った作品だった。いったいどこに魅かれたのか・・・
今回DVDを見て、新珠と三橋の話よりも、轟夕起子の話に心魅かれた。
幼子を育てながら女手ひとつで酒場を切り盛りする轟は、亭主に若い愛人と逃げられた過去を持つ。「あんな人のことなんか忘れました」と言いながらも、暖簾の向こうの人影を 亭主じゃないかと思ってうろたえたりするので
突然戻ってきた亭主を、文句のひとつも言わずに招き入れる轟。しかし平穏な生活もつかの間。亭主は追ってきた愛人に殺されてしまい、半狂乱で泣き叫ぶ轟がひたすら哀れである。
捨てられても亭主を忘れられない女を演じる轟夕起子に、なんともいえない情感がほのかににじみでて、この作品の魅力を輝かしている。
今ではほとんど消滅した東京の風景・風俗が楽しめる作品でもある。
監督は川島雄三。「娘はかく抗議する」「わが町」「グラマ島の誘惑」「夜の流れ」「赤坂の姉妹・夜の肌」「女は二度生まれる」「花影」などを見ているが、気に入っている作品は「雁の寺」「しとやかな獣」で、どちらも若尾文子主演。 いちばんの代表作といわれる「幕末太陽伝」は未見。
【州崎パラダイス 赤信号】
昭和31年 日活
監督/川島雄三 脚本/井手俊郎 原作/芝木好子
出演/新珠三千代・三橋達也・芦川いづみ・轟夕起子・河津清三郎・小沢昭一
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映画・演劇他
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■美しき女優たち
浅野温子・荻野目慶子・加賀まりこ・大地真央・戸田恵子・マイコ・牧瀬里穂・南沢奈央。
8人の女優共演の舞台観劇を誘われ、その魅力に内容も確認せず行くよと承諾。タイトルは「8人の女たち」と聞いて、2002年にカトリーヌ・ドヌーブらで映画化されていたことを思い出した。未見なれど予告編だけは何度か見ていて、おもしろそうな内容と思っていたのである。
出演者・内容ともに期待して、ル テアトル銀座へ。通常のステージ上に観客席が設置されて、従来の観客席との間にこの公演用ステージが設けられている。座席はステージ席で前から3列目の好位置。場内満席、ほぼ女性客。だから女性用化粧室が四ヶ所も。
雪深い山荘で殺人事件が起こり、そこに居合わせた8人の女たちが、犯人はこの中のいったい誰?と疑心暗鬼で模索しあう過程で、各々の秘密や嘘や思惑がボロボロと露呈していくストーリー。性格分けがよくできていて、随所に笑いも散りばめられて8人の女優の達者な演技をたっぷり堪能できた二時間半。いやはや満足。でも公演パンフが2000円!高いですなー。
23日にはWOWOWで生中継されるので、興味あるかたはご覧のほどを。
観劇前の昼食は、有楽町駅前交通会館地下
の「キッチン大正軒」で。
昼前だったので空いてました。
豚生姜焼きとトンカツ定食(1,000円) 生姜焼きは四枚半ありま
す。 肉屋直営の店なので、肉がうまい。生姜焼きの味付け
がなかなかな。定食はいろいろ組合せできます。煮込みハンバーグ
も気になるところ。
観劇後は地下鉄で浅草へ移動!!(つづく) |
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4月に南古谷ユナイテッドシネマで観た映画「津軽百年食堂」のDVDを購入。
父親の事故をきっかけに故郷弘前に帰った青年が、明治から続く家業の「津軽そば」の店を継ぐことを決意す る物語。森沢明夫原作の映画化。
映画鑑賞時のブログ記事はこちら http://blogs.yahoo.co.jp/maki57562000/51988312.html
夏に原作&映画の舞台となった弘前へ旅したおりに、「津軽そば」を食べたりもして馴染んだせいか、ふとDVDがほしくなってしまった。こういうことってありますね。DVDはとっくに発売されていて、地味に公開された作品でもあるのでショップにあるかなと思ったけれど、2店目の家電量販店で発見。ポイントで購入。
弘前旅行での津軽そば記事はこちら http://blogs.yahoo.co.jp/maki57562000/52335066.html
半年ぶりに観たら、また違った印象を持つだろうか。
オリラジの藤森慎吾が、父親との固執を乗り越えて家業を継ぐ青年を好演。ひさしぶりに帰省してバス車窓から岩木山を眺めるときの表情がいい。
↓でも藤森クンはやはりこちらがグー(笑) 何度でも見てしまうヘビーローテーション
DVD売場を見ていたら、日活100周年記念で名作シリーズ゛がオール1890円で販売開始されているのを発見。現在第二弾まで20作品発売中。
高校生の頃に東京12チャンネル(現テレ東)の「日本映画名作劇場」で放映されたのを観たきりの、川島雄三監督「州崎パラダイス・赤信号」があったので衝動買い。ひさしぶりに観るのが楽しみ。新珠三千代と轟夕起子がいいんですよねぇ。
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■特別展 「鎌倉の映画人 女優 田中絹代」
鎌倉市川喜多映画記念館で開催中の「特別展 鎌倉の映画人 女優田中絹代」を見てきました。
役作りのためには歯も抜くという役者魂で、亡くなるまで活躍した日本映画史に名を残す女優です。2009年には生誕100年を記念して、京橋フィルムセンターで女優としての足跡をたどった展示が開催されました。
展示会場には、出演作品のスチール写真・台本・ポスター・雑誌などがぎっしりと展示されています。絹代御殿と言われ鎌倉にあった田中絹代邸の見取り図が目をひきました。ゆったりとした間取りで高級和風旅館のような作り。鎌倉市の重要建築物の指定を受けていたそうですが、近年持ち主が変って惜しくも取り壊されてしまったそうです。
田中絹代の付き人だった鎌倉在住の女性へのインタビュー記事(地元の雑誌に掲載されたもの)のコピーがあって、とても興味深い内容でした。
しばらく前に田中絹代主演「風の中の牝鶏(小津安二郎監督/松竹/1948年)」をDVDで途中まで見たのですが、これは夫が出征先から戻らず、戦後の混乱の中を懸命に生きる妻が、急病になった幼子の治療費のために一夜だけ体を売り、その後帰還した夫との間にわだかまりが生じてしまうという物語。小津作品としての評価は低いのですが、ここに出てくる田中絹代がとてもいいんです。必死に生きてる姿がいいんです。
それから「母子草(山村聡監督./東映/1959年)」の母親役。後妻になり未亡人になって、ミシンでの仕立てをしながら血のつながらぬ子供たちを育てる母親役。その深い愛情に子供らは継母であることに気づくことなく毎日を送るのですが、長女(佐久間良子)は大学入試のために取り寄せた戸籍謄本で事実を知りショックを受けるものの、自分も母親のように深い愛情を子供にそそげられる人間になろうと教員を目指すのです。生活の苦労を顔に出さずにふるまう母親役の田中絹代は絶品です。
「愛染かつら(昭和13年)」のブロマイド
雑誌の表紙を飾る(昭和22年)
映画作品も何作か監督しています。監督作「月は上がりぬ」で
主演月丘夢路(左)とのスナップ写真
小津安二郎監督「彼岸花(松竹/1959年)」(スチール写真)
右から桑野みゆき・有馬稲子・田中絹代
*これらの資料は展示品ではありません。個人蔵のものです。
晩年の代表作「サンダカン八番娼館 望郷(1974年)」
からゆきさん(*)の取材をする女性ルポライター(栗原小巻)が、九州天草で元からゆきさんの老婆(田中絹代)と知り合います。からゆきさんの過去を持つため息子からは疎遠にされ、近隣からは後ろ指さされてひっそりと孤独に暮らす老婆は、最初はルポライターを警戒するのですが、親身な彼女に次第に心をひらき壮絶な半生を語りはじめます。取材の下心で老婆に近づいたルポライターも、いつのまにか肉親以上の愛情を持ちますが、仕事ゆえ東京に帰らなくてはなりません。帰るその朝、老婆は「おまえさんの手ぬぐいをくださらんか」と懇願し、手ぬぐいを握り締めて子供のように号泣する感動のシーンをyoutubeからどうぞ。
(*)からゆきさんとは明治大正期に様々な事情から海外渡航をして娼婦になった女性たちのこと。
↓こちらは若き日の田中絹代。
小津安二郎監督作品「非常線の女(昭和8年)」
アメリカ映画の雰囲気あふれた作品で、白いドレス姿が田中絹代。なんとパンプ役。
サイレント作品ですが、音声がついてます。
▲川喜多映画記念館の内庭
川喜多映画記念館前の道。 鎌倉は秋が深くなりだしています。 |
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■映画「無法松の一生」 川越ロケシーン映像
先日、川越スカラ座で上映された「無法松の一生(村山新治監督/三国連太郎主演/1963年・東映作品)」の川越ロケシーンがyoutubeにありました。
カラオケ「度胸千両入り」の映像に使用されているのです。第一小で撮影された運動会シーンと幸町埼玉りそな銀行東側の通りで撮影された祭りシーンの一部が見られます。時の鐘もチラリと映ります!元町の山車も映ります!ぜひご覧になってみてください。ただしテレビ画面用に、映画画面の両端がトリミングされています。
映像があることを教えてくれました、生徒役で出演もされた「トラガリ頭」さん、ほんとうにありがとうございます。さっそく記事にさせていただきました。
左の洋風建築が「加藤美髪店」の看板をつけて映っていました。美髪店=理容室です。
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