|
今年も早いもので、師走となってしまいました。年末の古書目録も出揃い、まあだいたい抽選結果は年明けでしょうから、今年もそろそろ打ち止めです。
ここ数年で古書蒐集の仕方も様変わりし、価格破壊も続いて、古書を売るほうは、だいぶやり辛くなってきたような気もしますが、私のように買うほうは非常にいい時代が到来してきているような気がします。弊害としては、安くなったせいもあるのでしょうが、市場に状態がよいものが少なくなりました。昔は、汚いものは地方ではともかく、中央ではみかけないものでしたが。1ページでも落丁があるものは本ではありませんので。あと、オークションでよくみかけますが、古いから状態が悪いとかいう認識はおかしいですね。兎に角、大衆ものの本や雑誌に対する状態の認識は日本では甘いですね。アメリカのように本の状態を格付けしてくれる会社が日本でも欲しいくらいです。
まあ愚痴はこれくらいにして、私が主に蒐集している戦前から昭和20年くらいまでの絵物語や漫画本等の今年の収穫物は、
1.少年雑誌
少年雑誌は、今年も100冊くらいは、収集できたとおもいますが、そのほとんどが、昭和20年代後半の「少年」「少女」「少女クラブ」等で、比較的集めやすいところでしたね。だからあまり積極的に集めてこなかったところですが。これでほとんど昭和20年代の「少年」は揃いましたかね。アトム・鉄人の時代の「少年」になってしまうともう興味が薄れてしまいますが、昭和20年代は創刊号の頃から「少年」はリンとした感じがあっていいですね。
珍しいところでは、「コドモ漫画」「まんがえほん」「まんがランド」この辺りのペラペラ漫画雑誌がかなり揃ってきましたかね。
あと、私にっての目玉は、小松崎茂さんの昭和27年「太陽少年」増刊号の読切り短編の入手と、山川惣治さんの「少年王者」読切り短編が掲載されている2冊の雑誌の入手でしょうか!絵物語の2大巨頭です。残念ながらもう持ってないところがだいぶ減ってきましたが、やはり彼らの未読の作品を入手できると今でも嬉しいですよ。
2.付録
今年は、付録は量的にはあまり入手できてないですね。目立ったものは、小松崎茂さんのキングゴリラの2冊目の付録を入手できました。見た目は、小松崎さんの付録の中で一番ハデですが、これレアなんですよ。これで、おそらく小松崎茂さんの昭和20年代の付録は全部揃ったのではないでしょうか。小松崎さんは、付録はだいぶ少ないですね。おそらく売れっ子だったので、活躍の場が本誌のほうだったのが理由ではないでしょうかね。
あと、岡友彦さんの作品が併録されれている初期作品を入手!岡さんは、おそらく集英社の「おもしろブック」が戦後雑誌に登場してきた最初だとおもいます。その後に、秋田書店の「少年少女冒険王」でしょうか。この付録には、まだ連載前の馬場のぼるさんの「山からきた河童」の読切り作品が収録されていました。「山からきた河童」が連絡されたのは、秋田書店の「少年少女冒険王」ですが、こちらは「おもしろブック」の付録でした?でも馬場さんの「山からきた河童」はいいですね。
今年も杉浦茂さんの作品リストに掲載されていない作品を何点か入手することができましたが、時に面白かったのは「キリン号のたび」の最終回の付録でしょうか!作品リストには、もちろん「キリン号のたび」は掲載されていますし、筑摩書房の「杉浦茂マンガ館」にも収録されています。でも最終回については、「杉浦茂マンガ館」にも収録されていませんし、リストからも最終回の号数が抜けています。「キリン号のたび」は、個人的には初期の杉浦作品の中でも好きな作品で、オリジナルの付録は、号数によって大きさなんかもだいぶ違うところがよいです。カラーとかクイズとかは、「杉浦茂マンガ館」では再現されていませんね。
3.単行本
今年は、昭和20年代の単行本は、100冊以上入手できたとおもいますが、絵物語がぜんぜん少ないですね。メジャー系?のものは激減してます。まあ変り種も何冊かは入手できところがよしとしておきましょう。
今年サイコーだったのは、やはり山川惣治さんの戦前の最初の絵物語の単行本を入手できたことでしょうか?これはもう家宝ですよ。手に取るたびに笑みがこぼれます。
漫画系では、今年も大好きな大野きよしさんの単行本が続々と入手できています。嬉しいですね。戦前のものがまだまだなので、こちらに主力をおきたいですがね。
あと、東浦美津夫の初期作品も続々と入手できています!特に今年は、初期のSF作品として昔から知れれている「海底魔鏡」が入手できました。昔からのマニアであれば、この「海底魔境」を探していたかたもいらっしゃったのでは!戦後のSF漫画リストがあると必ず掲載されている作品でしたが、現物についてほとんど紹介されたことはありませんでしたね。やはり手塚作品の影響が色濃い作品の一つですが、東浦の初期のSFでは、「宇宙怪人」のほうが楽しめますかね。
近々発売される予定の中野晴行さんの「酒井七馬伝」(仮題)も非常に楽しみにしていますが(中野さんのサイン入りで、是非欲しいです)、今年は、かなり酒井七馬さんの単行本が入手できましたね。これで、酒井七馬さんの単行本の大部分は揃ったのでは!酒井七馬の全貌がほぼ明らかにってかんじです。最高傑作は、「怪ロボット」か?とおもいきや…。酒井七馬さんは、最終的には映画的手法を極めていました!
来年は、古書市場もだいぶ変革される年になるような気がします。大きな曲がり角にきているのではないでしょうか?
来年は、兎に角、コレクターにとってよい年でありますように! いい本が安く手に入りますように!
|