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GWは単なる週末でした。

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森鴎外『舞姫』考

 『舞姫』は、高校国語の教科書にも収録されてるメジャーな作品。

 主人公の太田豊太郎は父を幼い頃に亡くした母子家庭で厳しく育ち、十九で学士&省官。お役人のエリート!明治維新の頃の男性は、立身出世すれば家名の誉れで、ま〜だ二君に仕えず。明治天皇が御崩御した時、殉死した軍人は多数。女性も未亡人になっても二夫にまみえず。古〜い価値観の時代のお話。

『彼人々は余が倶に麦酒の杯を挙げず、玉突きの棒を取らぬを、かたくななる心と欲を制する力とに帰して、且は嘲り且は嫉みたりけん。』
 ドイツ留学中、酒も飲まずかたくなに自分を律する主人公に、同じ留学生は嘲笑と嫉みの目。留学生同士の中で主人公は孤立。

『わが心はかの合歓といふ木の葉に似て、物触れば縮みて避けんとす。我心は処女に似たり。』
 合歓の木を比喩に使い、臆病な自分自身の描写。

『赤く白く面を塗りて、赫然たる色の衣を纏ひ、珈琲店に坐して客を引く女を見ては、往きてこれに就かん勇気なく、高き帽を戴き、眼鏡に鼻を挟ませて、普魯西にては貴族めきたる鼻音にて物言う「レエベマン」を見ては、往きてこれと遊ばん勇気なし。』
 臆病で勇気が無かったのに、嘲笑され、羨まれ、猜疑された。私にとっては相手の誤解も逆に都合が◎かな。(レエベマン=ゲイらしい?)

『鎖したる寺門の扉に倚りて、声を呑みつつ泣くひとりの少女あるを見たり。年は十六七なるべし。被りし巾を洩れたる髪の色は、薄きこがね色にて、着たる衣は垢つき汚れたりとも見えず。我足音に驚かされてかへりみたる面、余に詩人の筆なければこれを写すべくもあらず。この青く清らにて物問ひたげに愁を含める目の、半ば露を宿せる長き睫毛に掩はれたるは、何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか。』
 金髪&碧眼の泣いてる少女の描写。舞姫エリスが振り返っただけで、主人公の心の奥底にストライク。つまり、フォールインラブ。真面目なエリートほど刺激に飢えてる?

 舞姫エリスとの交際を同郷人が密告。省官で留学生という立場を追われてしまった主人公。帰国する船賃、滞在して勉強する学費を失い、エリスの部屋に転がり込む。

『このまま郷にかへらば、学ならずして汚名を負ひたる身の浮ぶ瀬あらじ。さればとて留まらんには、学費を得べき手だてなし。』
 帰国すれば留学中に遊び過ぎで解雇され、体裁&外聞が悪い。勉強を続けるには経済力も無い。逃げ場のない袋小路。

『我学問は荒みぬ。』
 オレは荒んじまったって、自己嫌悪&憐憫?エリートほど挫折に弱い?大臣秘書の友人が紹介してくれた、新聞の現地通信員のバイト生活。

『この一段のことは素と生まれながらなる弱き心より出でしなれば、今更に言はんも甲斐なし。とはいへ、学識あり、才能あるものが、いつまでか一少女の情にかかづらひて、目的なき生活をなすべき。〜中略。又彼少女との関係は、縦令彼に誠ありとも、縦令情交は深くなりぬとも、人材を知りてのこひにあらず、慣習といふ一種の惰性より生じたる交なり。意を決して断てと。』
 高い知性と才能を持ってるお前が、女に情を持って目的無しの生活すんな!友人の意見&忠告。本当にエリスに愛されてても、相手を知った上での恋じゃなく、異国での惰性の関係だ!止めちまえ!ってこと?遊びと本気の違い?同情と愛情の勘違い?主人公とエリスは、同情から愛情に育ったんじゃないの?

『大洋に舵を失ひしふな人が、遥なる山を望む如きは、相沢が余に示したる前途の方鍼なり。されどこの山は猶ほ重霧の間に在りて、いつ往きつかんも、否、果して往きつきぬとも、我中心に満足を与へんも定かならず。貧きが中にも楽しきは今の生活、棄て難きはエリスが愛。』
 大臣に気に入られれば将来安泰で、エリスとの生活は楽しいけれど漂流状態、フラフラ揺れる主人公の心情。マンションでペットを飼えないのに、拾っちゃった子供のような気持ち?親に怒られて、また捨てにいかされる気持ち?

『縦令いかなることありとも、我をば努な棄て玉ひそ。』
 私を捨てないでっ!大臣の通訳でドイツを離れ、ロシアに届いたエリスの恋文。

『余は我身一つの進退につきても、また我身に係らぬ他人の事につきても、決断ありと自ら心に誇りしが、此決断は順境にのみありて、逆境にはあらず。我と人との関係を照らさんとするときは、頼みし胸中の鏡は曇りたり。』
エリスの手紙を読んだ後の主人公の懊悩。

『嗚呼、独逸に来し初に、自ら我本領を悟りきと思ひて、また器械的人間とはならじと誓ひしが、こは足を縛して放たれし鳥の暫し羽を動かして自由を得たりと誇りしにはあらずや。足の糸は解くに由なし。曩にこれを操つりしは、我某省の官長にて、今はこの糸、あなあはれ、天方伯の手中に在り。』
 友人に別れろって言われても、エリスに言い出せない優柔不断な自身。留学当初は個人としての自分の行動を誇りに思ってたけど、足に縛られた糸は必ず誰かが持っていた。日本的な人間関係とエリスの愛の狭間でユラユラ。

『「善くぞ帰り玉ひし。帰り来玉はずば我命は絶えなんを」我心はこの時までも定まらず、故郷を憶う念と栄達を求む心とは、時として愛情を圧せんとせしが、唯だ此一刹那、低徊踟蹶の思いは去りて、余は彼を抱き、彼の頭は我肩に倚りて、彼が喜びの涙ははらはらと肩の上に落ちぬ。』
 「おかえりなさい。帰ってこなかったら死んじゃってたわ」涙を流す恋人を抱き締めつつ、帰国し出世を望む自分の出世欲が、エリスへの愛情を圧迫してユラユラ。

『何とか見玉ふ、この心がまへを。』
 偉いでしょ、この心構え!笑いながらオムツを指差すエリス。主人公の脳髄に衝撃!

『わが心の楽しさを思ひ玉へ。産れん子は君に似て黒き瞳子をや持ちたらん。産まれたらん日には君が正しき心にて、よもあだし名をばなのらせ玉はじ。』
 私の楽しさがわかる?産まれてくる子は、きっと、あなたと同じ黒い瞳よ。産まれて性別がわかったら、あなたが幸福な名前を考えてつけてね。

『「穉しと笑ひ玉はんが、寺に入らん日はいかに嬉しからまし」見上げたる目には涙満ちたり。』
「幼いって笑わないで、洗礼で教会に行くのがとっても楽しみなんだから」涙目で見上げるエリス。洗礼って、日本人のお宮参りみたいなもの?

『われと共に東にかへる心なきか』
 「一緒に日本に帰る気持ちはないか?」大臣の質問。

『承はり侍り』
 「はい、わかりました」って承諾。このチャンスを逃せば、国を失い名誉挽回の機会を捨て、ヨーロッパの人の海に沈んでしまうと思って……言ったものの、エリスに「帰国する」と言えるわけなく、雪の中をトボトボ。お部屋に帰って発熱&前後不覚。

『我豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺き玉ひしか。』
 あなたっ!ここまで私を騙していたのねっ!寝込んでたとき、友人が訪ねてきて事実を告げた。罵り、自分の髪をむしり、物を投げ、オシメを顔に当て泣くだけのエリス。

『精神の作用は殆ど全く廃して、その痴なること赤子の如くなり。』
 エリスは精神的に殺された。

『大臣に随ひて帰東の途に上ぼりしときは、相沢と議りてエリスが母に微なる生計を営むに足るほどの資本を与へ、あはれなる狂女の胎内に遺しし子の生れむをりの事をも頼みおきぬ。』
壊れたエリスとお腹の子を、エリスの母親にお金を渡し、大臣と共に帰国。ポイポイ。

『嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡に一点の彼を憎むこころ今日までも残れりけり。』
この最後のセンテンスは『イイ友達を持ったけど、彼を恨んでる』って、呟きのような言葉。最後まで、優柔不断な主人公。

読み手の感想が男女の性別によって、真っ二つに分かれる作品。男性は主人公に許しを与え、女性は主人公に激怒する。

  『自分の人生だっ!後悔したくないっ!』 ♂の一般論。    
じゃぁ、自己の願望実現の為に他者を傷つけてもイイの? 

  『中途半端な愛情なんて、かえって残酷よっ!』♀の一般論。 
じゃぁさぁ、エリスと一緒に錆びて朽ち果てけばイイの? 

で〜も、男女の区別なく人間は…大別すると二種類だと思う。自分だけに優しい人と、他者にも優しい人。
キレイ事だと思うけど、
私は自分が傷つけられても、他者に優しくありたい。悩みながら、自己と他者の両方の幸福を掴んでみたい。

国会の証人喚問で姉歯氏は『妻の病気』が動機のようなことを喋った。
責任転嫁するんじゃなく、全部吐け!
発注者・設計者・建設労働者達の三者が連携しないと、建物は完成しない。
妻を死に追いやったのだから、、、
反省して全部語れ。。。


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