♂!♀?

GWは単なる週末でした。

掌編小説

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ACT8!

 ドアベルをカラン。
「おはようございます」
「おはよ。マキちゃん、ボックス入って」
げっ、こ〜んな早い時間にみんなで浜田さんを御大尽さま!シブシブ、私は空のグラスを持ってGO。
「いらっしゃいませ。私もいただいてよろしいでしょうか?」
私は満面の作り笑い。浜田さんと、もう一人に会釈。
「親父、コイツです」
コイツって誰のことさぁ?
親父が私にオイデオイデ。隣りに座ったら、ヨシコ姉が私の隣に座って逃走防止。
「名前は?」
親父ってゆ〜か、爺ぃが私に質問。
「マキです」
「馬鹿野郎!本名言え!」
「槇野正樹です」
ムカムカしながらお返事。爺ぃは私の顔をシゲシゲ&フンフン。じっと見つめられて、爺ぃを空手チョップでビスッてやってみたい。怖くて出来ないけどっ。
「茨城はどの辺だ?」
「東京で親戚はどこにいる?」
「家族は?」
爺ぃの質問攻撃。適当な返事をしてたら衝撃の質問。
「お前、定吉さんの孫だろ?」
爺ぃ以外、み〜んな目が点。
「正確には曾孫です」
「昔よくよぉ、親子みてぇに飲ましてもらってなぁ」
爺ぃはニコニコ。
「お爺ちゃんはどこで知り合ったんですか?」
世代的に大正生まれの曾祖父&戦前の生まれの爺ぃ。
「誰が爺ちゃんなんだよっ!」
浜田さんが私に教育的指導。
「浜田、イイんだ。浅草橋にいるだろ?」
「はい、います」
お婆ちゃんより若い曾祖父の妾。浅草橋の黒板塀の元芸者置屋。
「何回もいっしょに飲んだぞ」
私は複雑。戦前&戦後商売で、財をなしたドンファン定吉。嬬恋・草加・浅草橋、腹違いのお爺ちゃんの兄弟達、私と年の近い父のいとこ達。はぁ〜、なぁ〜んで、二号さんのことを地名で呼んだろ?
「これもなんかの縁だ。オレの頼みを聞いてくれるよな?」
断れるワケもなく、私はウンウン。私の草食動物的延命本能が『逃げきれない』って告げてる。耳元でコウモリの羽根を生やしたミニチュアの私が『言うこと聞いといて、後はトンズラ〜』って囁いてる。
 針のムシロのような時間が経過。

お店が終了、居酒屋でお疲れ様。
「おいっ、ボン!アタシに注げ!」
なにっ?私の事?私にからむミエ姉。
「マキちゃんはイ〜イとこのボンボ〜ンのボン!」
私は不発弾のBOMになりそう。
「浜田さんより、ステージが上の人って初めて見た」
「アタシもっ」
私はマコ姉とミエ姉の言葉で黄昏ちゃいそう。
「マキちゃん、大丈夫?」
ヨシコ姉の心配顔に私はウンウン。そんなマジに質問されると、逆にも〜っと不安になっちゃう。
「あたしにも写真見せて」
手首から足首まで墨がミッチリ。
「マコっ、これ描いてくれって」
爺ぃの依頼は、もちろん刺青画+α。
「ヒャヒャヒャ〜」
私はデジャヴ。マコ姉とミエ姉は写真を交互に眺め…、まぁ〜他人事だからね。
「全〜然、学習能力なくて、人の話し聞かないんだから」
ヨシコ姉の小言。
「お爺ちゃ〜んって甘えたら、なぁ〜んでも買ってくれたりしてさぁ」
ミエ姉は私をからかってんだか?ケンカ売ってんだか?
「孫になっちゃえばイイのに往生際が悪いんだyo〜」
両方でやんの。
「な〜んで、私が往生して孫になんなきゃなんないのさぁ?」
「ジーク孫っ!ハイル孫っ!ビバ孫っ!き〜っと大事にしてくれるって」
ヤッパ、のぉ〜味噌がお酒でメロンパン。
「マキちゃん、描けませんってゴメンなさいしちゃえば?」
「マコ、も〜う、だめ、ダメ、駄目っ!」
そう、むり、ムリ、無理っ!ヨシコ姉の言葉に同感。
「ちゃんと仕上げなさいよ。お店とマキちゃんの、お客様だからね」
ママは教育的指導&念押し。
「はい。十分わかっています」
「ママ、マキちゃん大丈夫かな?」
「ヨシコ、心配なし。とられた方より、とった方が後始末大変だから」
納得しつつ、何か釈然としない何か〜が引っかかる私。お酒飲んでんのに醒めてる脳幹が漢字変換。とるは、盗る取る採る撮る捕る執る獲る摂る録る?
私はキランッ!
後始末が大変な『とる』は『殺る』。
はぁ〜、また、憂鬱の溜息が出ちゃいそう。
めでたくねぇ。
本当にっ、めでたくねぇよ。

ACT7!

 天気は雨、予報は曇りのち雨。団地と新興住宅地に囲まれた丘の上に学校が建ってて、どんなルートを通っても、坂道を登らなきゃいけない。ホント足が太くなっちゃいそう。土砂降りの雨が降ったら坂道は川に変身。昨年、所得単位が不足した私は『今年こそ!』って心を入れ換え通学中。デッキシューズは水を含み、靴下もグショグショ。子供の頃から、雨は大嫌い。
雨にも負けず、でも朝から強い雨でメゲてた私はクラスの掲示板を見てさらにメゲメゲ。九時から始まる午前中の一時限目と二時限目が休講。午後一時から始まる三時限目まで、あと四時間。私は急に休講を決めた教授達にプンプン。学生だってこんな日は学校に来たくないよ。ま〜ったく、学者はワガママ。アパートに戻ろうと思っても、雨が強くって、た〜まにピカッ&ゴロゴロ。私は猫だから、足元が濡れるのが大嫌い。
 私は学食で、コンビニで買った新聞をバサバサ。記事は事故、詐欺や窃盗&殺人。お金が欲しいから盗んで、愛情が貰えなかったから殺してさぁ。私も殺伐とした気持ちになって『渡る世間は鬼しかいねぇこんちくしょう』って、憂鬱の溜息が漏れちゃいそう。私はコンビニのオニギリをモグモグ&ペットボトルのお茶をゴクゴク。
「槇野っ、金ないんか?」
関西出身の塚田が私の対面に座った。コイツの絵はダリもどき。
「食事なんてタダの補給だろ」
成績はお互い低空飛行。そりゃ、自分より切羽ツマった奴がいた方がいいけど、二人してイッパイイッパイ。
「もう、風俗評論家はヤメたん?」
「特攻隊長にお任せ」
新宿の居酒屋厨房でバイトしてるコトになってる私に付けられたアダナは風俗評論家で、こいつは風俗特攻隊長。複数の隊員をまとめるリーダー格。私が女装趣味を持ってて、バイトはニューハーフのパブで働いるのはないしょ。
「女遊びやめたんか?お前がやめれるワケないやん」
奴はヘラヘラ。言葉のブロックが私の額にコツッ。私はムカムカ。私が風俗のお姉さん達に評判良くって可愛がられてって言ったら、どんな顔をすんの?
「止めたら本がいっぱい買えるようになったぞ」
私の返事にフフンって顔。私たちはいつも、悪口嫌味を交換しつつ…。
「I袋のホテヘルでズッポシ成功したんやで〜。グラビアに出てくるような超〜プレミアムギャル!」
「そんなんで勝ち誇んなっ」
私達が口ゲンカする理由はお互い先に手を出すのが嫌いだから。
「ラブホなら店にバレないからって、思ったんじゃねぇの?」
「実技代の追加料金は自分の取り分になるから必死なんやろ」
「追加払ったの?」
「当たり前だろ」
お前の魅力じゃねぇつ〜のっ、♀の打算。
「お前が追加払うなんて、よっぽどイイ娘だったんだなぁ」
「姦ったんじゃなくて、姦られたんじゃねぇ〜の?」
「今月も家賃滞納や〜」
「何ヶ月滞納してんのさぁ?」
「2ヶ月目や」
「来月こそ出てけって、言われるんじゃないか?」
家賃滞納。だいたい3ヶ月が限界で出てけ!
「せやねぇ」
「梅淋ギャルに姦られちゃえ」
人間関係が円滑になるように、ニコニコ笑って言った私に、彼の額がミルミル青筋。
「ちょっと待ちぃ、ほんっと気にいらねーなぁ」
お互い話し合ってないけど、相手に先に手を出させ、一発殴られてから、倍返し!
「なにが気にいらねぇーんだよ?」
多分、きっと近親憎悪。私たちは似たところが多い。
「お前の性格が嫌いなんだよ」
「俺も大嫌いだから、心配すんな」
「うれしいねぇ」
「嬉がれたくねぇなっ」
不毛なっ、にらみ合い。奴の方が目つきは悪く、私の方が少〜し背が高い。男の私の目つきの悪さに気の短さ、我が道って個人主義的なトコと、所得単位数の少なさ。性格&内面が、行動すら似てる。
「先〜輩、午後のバスケット休講だってぇ〜」
可〜愛い新一年生がトレイを持って、私の隣に着席。
「今度ぉ私達と合コンどうですかぁ?」
塚田が標的変更、口がマシンガン。
露骨に下心アリアリ。
変わり身早っ!

 めでたし?
 たぶん、めでたし!

Side story 6!

『佐智子からも、正樹に帰って来るように言って』
お母さんに心配かけて、正樹のバカ。
「じゃぁ、電話かけとく」
ホントに愚図。正樹が生まれる前は平和だった。あたしが友達の家から走って帰ると、台所からお母さんが野菜を刻む音がして、鍋からは湯気が出てて…。
『サチも手伝う』
あたしはお母さんの横にビール瓶のプラスチックケースを伏せたものを引きずって、ザルに乗せられたナスとキュウリを洗ったりしてた。
『今日は給食、全〜部食べれた?』
『うん』
食が細く痩せっぽちのあたしを気遣ってくれた、優しいお母さん。
『いじめられてない?』
子供の頃、死別れの母子家庭で育って、近所のガキ大将に泣かされてたと言うお母さん。お母さんはあたしを心配して、よくあたしに聞いてた。
『だいじょうぶ』
『おとなしくしてちゃダメよ』
『あたしの方が泣かしてやる』
あたしは洗ってた野菜を振り回し、水滴がピシピシ。ニコニコ笑いながら、エプロンの裾で手を拭き、頭を撫でてくれるお母さんが大好き。あたしもニマニマ、お手伝いをしてるのが大好き。正樹が生まれる前の幸せだった時間。あの頃のあたしはお手伝いって言うより、水遊びの延長。
『男の子だったらこの子が跡取りよ』
スーパーで立ち話をするお母さんと手を繋いだ小さいあたし。お母さんは自慢げに妊娠中の大きなお腹を擦ってた。
『絶〜対、妹だよ』
いっしょに遊んだり、絵本読んであげたり、友達の姉妹を見て、こうすればイイんだって知ってた。いっしょにシルバニア遊びが出来る可愛い人形のような妹。絶対に妹!妹が欲しかった。そんで、あたしが婿取りで跡取り。
『サッちゃん、お姉ちゃんになるんだね。良かったわね〜』
『うん!』
幼稚園の遠足で、あたしはお父さんといっしょ。あたしだけ父親といっしょだった。お腹の大きなお母さんは大事をとって来れなかった。あたしだけ、お父さんといっしょのお弁当。恥ずかしかった。悲しかった。惨めだった。お父さんといっしょにお母さんが作ったお弁当を食べた。他の子達はミンナ、お母さんといっしょ!お父さんは何んであたしが不機嫌だか、不思議だったらしい。大人になっても思い出すたび、強烈な劣等感。
『ちゃんと面倒見れる?』
『うん、ちゃんと面倒見れるよ』
妹が欲しいって期待むなしく、弟の正樹が誕生。あたしとお母さんの時間は変化。学校で褒められたこと、頑張ったこと、楽しかったこと、悲しかったこと。いつも、いっしょに聞いてくれたお母さんが…。正樹が理由で…。
『ごめんね、後でね』
『ちょっと、後でね』
『もう少し、後でね』
『がまんしてね、後でね』
全部、正樹が原因だった。学校から戻っても手作りのオヤツはない。いつもあった蒸しパン。ホットケーキとかお好み焼き。つまらなかった。悲しかった。正樹が妹だったら…、いなければ…、実家にいられたのに…。
「ふえぇ〜ん」
芳江が泣いてる。
「佐智子さん、芳江が泣いてるわよっ」
奥の部屋で大腸癌の手術後、療養中の義母が怒鳴る。
「昌直、アンタなにしたのっ?!」
芳江の頬が赤い。
「バカッ、お兄ちゃんでしょ!」
ビシッ。平手、、、自分で言った言葉にハッとなった。
「うえぇ〜ん」
4才でも、あたしを妹に取られたと思ってんの?そう、あたしもお母さんを正樹に取られたと思ってた。
『お姉ちゃんでしょ!』
お母さんに、あたしが言われた言葉。さっき、息子にあたしが言った言葉。
正樹の夜泣きが続くと、昼は正樹といっしょに寝ちゃうことが多くて、あたしは二の次。つまらなかった。
「うえぇ〜ん」
「ふえぇ〜ん」
Wで泣かないでよ。全部、正樹が原因だった。
「佐智子さん、うるさいわよっ」
「はいっ、すいませんっ!」
育児なんて子供の時はバーチャルなママゴト遊びだったけど、現実は……。転んで、泣きながら帰宅するとお母さんの姿が見えなかった。泣きながら家の中を捜すと、寝室で正樹と二人で眠ってた。哺乳瓶が転がってるのを見て、傷の痛みで泣いてたのが、悲しくて泣いた。悔しくて泣いた。今も涙が出てる。お母さんの腕の中は正樹に盗られてたので、お母さんの背中にしがみ付いて…そのうち寝てしまった。
 正樹がいなければ、家にいられたのに!正樹は家族ではなくて泥棒!あたしからお母さんを、お父さんを、家までも盗った強盗!
「うえぇ〜ん」
「ふえぇ〜ん」
泣きたいのはあたしよぉっ!

ACT6!

青山墓地の遊歩道はホントに桜の回廊。一方通行で車も走る。ちょっと肌寒く、私たちはコートをON。ピンク、桃色。カクテルだったら、カンパリかグレナデン・シロップになに混ぜよう。歩いてる人もなぜかセンスがいい。マンバもセンターGAYもいない。カッコイイ外人のカップルとすれ違った。でも、木立の間から見える灰色の四角柱と卒塔婆がミスマッチ。千恵姉と腕を組んで歩く私の前を、瞳の色が左右違ってる猫がトボトボ。
「千恵姉、猫!」
私は猫にオイデオイデ。毛足の長いペルシャのミックスで少し短足。
「人間であんな瞳をもってたらイジメられちゃうよね」
「人間意外だったら天使か悪魔かなぁ」
千恵姉の言葉に私の返事。猫は私を一瞥、無視してテクテク。
「猫って人間の女性の声の周波数が好みに合ってて、男性よりは女性がすきなんだってさぁ」
猫に無視された私は目元をぬぐったけど、涙は流れてなかった。
「ファーストが猫なの?」
「そう」
千恵姉の肘が私のわき腹にヒット。そのうち猫にこだわってる理由を話してあげよう。ポツポツ歩いて、墓地の中央には墓参り者の臨時駐車場。
「マキちゃん、コッチ!コッチ!」
クレープや焼きそば屋台の端から、ママの呼ぶ声。ピクニックシートに座ったママ達は缶ビールを片手にもう姦しい。アルコールが体内を駆け巡ってるのか、コートを脱いで露出の高い服。
「ホラッ、千恵ちゃん飲んで飲んで」
出来上がってるマコ姉にビールを手渡された。
マコ姉はビールとクレープを交互にゴクゴク&モグモグ。
「ヨシコ姉は?」
「アッチで団体に混じってる」
「マキちゃん、嘘じゃなかったでしょ」
「ごめんなさい、かなり疑ってました」
ママに謝る私。
「千恵姉、何か食べたい?」
「クレープ買ってきて」
「ラジャー」
テクテク、私はお買い物。ダメ、ムサイ叔父さんが焼いてる。木立の間からは墓石。明治時代、日本の近代化に貢献した外国人の洋風の墓もポツポツ。抱き合ってるカップルがチラホラ。な〜んか場違い?おっ、あっちではお姉さんが焼いてる。
「マキちゃん、遅いよ。千恵ちゃんが厭きちゃうよ」
「オネエさんのクレープが混んでてさぁ」
「何でワザワザ遠いトコで買って来るのよっ。ほんと、要領悪い」
ミエ姉の質問。
「だって、オヤジだったら、トイレ行っても手ぇ洗わないかも知れないじゃない?」
ビタン、後頭部にマコ姉の平手。
「何〜であたし達が食べ終わってからそんなコト言うのよっ!」
「口直しに寄こしなさいよ!」
ミエ姉にクレープを取上げられた。
「マキちゃん、桜ってキレイだね」
千恵姉はアルコールと桜でウットリ。
「うん。来て良かったね」
「アタシ、上京してから花見てキレイって思ったこと無かったよ」
私は千恵姉がリラックス出来るように肩をモミモミ。コートを脱いで襟元から見える鎖骨に私は桜より見惚れながら…。背中を押す右手親指が、人差し指が、中指がブラのホックをピシッ。胸元に滑り込む私の左手。
「どうしたの?」
「キレイだなって思ってさぁ」
「ゆうべ出来なかったくせに」
「だって、サバが見てるんだよ。出来ないって」
アメショーのサバのネコパンチ&ネコキックの攻撃とクリクリの瞳が気になって萎えちゃった私。
「もう大丈夫なんだ?」
「自分から触る場合なら鳥肌は出ないみたい」
「マキちゃんはビアンみたい」
「それって?褒めてんの?」
「マキちゃん、アタシさぁ、お店の仲間に入れて貰って嬉しいなぁ」
背後から抱きしめる私。
「そこっ、お墓で発情禁止!」
「お墓で姦ったらバチ当るわよ!」
ミエ姉とマコ姉の教育的指導。
「アッ、さては私に惚れてて、私達の赤い糸切りしようと思ってんじゃないの?」
「あんた達を見てたら暑いのよ」
「エ〜ッ、あっちのバカップルにも言ってきてよ」
顔だけ動かして、他のペアを指示する私。
「見ず知らずの人に言えないわよ」
「大体、見せ付けてんじゃないわよ」
「なにさぁ、八つ当たりじゃない」
「八つ当たりのどこが悪いの?」
開き直る姉さん達。
「ホラ、ホ〜ラ。ケンカしないの。ヨシコが団体捕まえたから行くわよ」
ママにシブシブのマコ姉とミエ姉。
「マキちゃんはお店開けて頂戴ね」
私はお客様で、てんてこ舞い。ママ達はブラに名刺をシコタマ挟んでカモの団体連れて、フラフラになって来店!
 やれやれ。
 めでたくなし。
 めでたくなし。。。

つづく〜

ACT5!

「もう、お花見ねぇ。みんな、今年はどこに行きたい?」
カウンターに座ってカクテルを飲みながら、ママが提案。
 「去年と同じでイイ〜」
ミエ姉とマコ姉の無気力なお返事。
 「去年はどこに行ったの?」
私はヨシコ姉のボックスのフルーツを作りながら疑問を質問。
 「青山墓地よ」
 「お墓でお花見っ!な〜んかバチが当たりそう」
ママの回答に私の感想。
 「マキちゃん、横浜の外人墓地だってデートコースじゃない」
 「ママさぁ、和風と洋風じゃぁ、雰囲気が違うでしょう」
トイレの話しみたい。和風の墓地でお花見?本当?
 「桜の木の下に死体を埋めると、骨がピカピカ、ツルツルになるって、何かで読んだけどさぁ」
 「マキちゃん、わりとお墓なんて気にならないわよ」
 「六本木が近いから、オシャレな花見客ばっかり。焼きそばだって、クレープ屋なんかの屋台も出てるし」
マコ姉とミエ姉の言葉に、私は疑いの目。
 「そりゃ、ミンナお酒に卑しいからっ、お酒があれば満足だろうけど…」
田舎者の私は信じられない。絶対だまされてる気がする。根拠はないけど、本能がからかわれてるって感じてる。私の野生草食動物的危険回避の本能が、全員グルだって告げてる。き〜っと、かつがれてるんじゃないの?
 「御苑の方が近いじゃない。歩いて行けるじゃない?」
 「御苑は入園料がいるし、お酒飲めないわよ」
ミエ姉の呆れ顔の説明。
 「マキちゃん、もしかして疑ってんの?」
マコ姉が私に質問。
 「だって、墓地で花見ってミスマッチ。みんなで私を騙してんじゃないの?」
ここまでロコツにウサンクサイと、かえって新鮮ですがすがしい〜かな?
 「いいから、アンタも参加すんのよっ」
ミエ姉のキツイ口調。
 「明日の五時に青山墓地の真ん中ね」
ママのアバウトな待ち合わせ場所と遅い時間。
 「はい。は〜い。フルーツ出来ました」
お皿の真ん中のシェリーグラスにドライアイスをコロン、ペパーミントリキュールをトクトク。モクモクのドライアイスの冷気がフルーツをヒエヒエ。出来上がったフルーツ盛をミエ姉たちが運搬。
ドアベルがカラン。
 「いらっしゃいませ」
 「久しぶり〜」
千恵姉が来店、カウンターに着席。
 「疲れが吹っ飛ぶようなカクテル欲しいなぁ」
 「ラジャ〜!」
私はシャンパングラスにクラッシュアイス詰めて、ペパーミントリキュールをトクトク。
 「は〜い、どうぞ」
 「ありがとっ」
千恵姉は通りすがりの王子様じゃなくてもキスしたくなる程の黒髪アジアンビューティ。性格は優しいけど、口と行動は凶暴で凶悪。
 「あれっ、目の下赤いよ。どうしたの?」
顔の赤たん発見。
 「客に殴られちゃってさぁ。支配人にシメてもらった」
 「痛くない?」
カウンターから手を伸ばしてナデナデ。
 「すぐ氷で冷やしたから腫れなくてよかったんだ」
 「危ないお客だった?」
 「う〜ん。春だからねぇ」
 「四月馬鹿?」
 「うん、暖かくなって活動開始」
 「今日の客も?」
 「オタクっぽいのが多くて、ヤになんの。ホント、全国から来んの。わざわざ電車に乗って、東北とか名古屋から…」
 「春とか夏のHOTな気温になると連中が増えてくるのよ」
 「ママ違う、あいつらは年がら年じゅう活動してんだってぇ」
 「今日の客はねぇ、加○ちゃんの家を探しに来たロリ」
 「ロリは人間特有で、生殖能力のない♀に性欲を感じることを、動物行動学者は『エラー』って言うんだって」
ママのウンチク。
 「マキちゃんもエラ〜?」
千恵姉の質問。
 「エラ〜じゃなくて、服装フェチなのかなぁ?」
私は自分でも釈然としない自己回答。
 「キレ〜だからイイじゃないさぁ。ヤツらのチャーム・ポイントは油でギトギトになってる肌」
 「引き篭もってますよって感じの白い肌に眼鏡!」
私はゴキを見た人が殺虫剤を手にするように、喋りながらジェスチャー。
 「そうそう!」
私と千恵姉はクスクス。
 「一匹見たら百匹いるって、故郷のママが言ってたけどねぇ」
 「頭に『ゴ』のつく虫の話じゃないけど、まったく思い込みの激しい人間ば〜っか来んのさぁ」
千恵姉はグラスの柄を持ってフリフリ、御代わりの合図。

楽しい時間はあっという間に過ぎて。
 「居心地がいいなぁ〜」
酔ってラリパッパの千恵姉。
 「友達になってくれたママと恋人になってくれたマキ。ここはさぁ友達のいないアタシがリラックスできる場所」
私とママはウンウン。
 「あ〜と何だっけ…zzz」
はぁ、私は溜め息。
 「ママぁ、千恵姉が寝ちゃったから、私一緒に帰るね。サバにご飯あげなきゃ」
 「明日は千恵ちゃんも連れて来なさいよ」
 「はい、は〜い」
千恵姉とスクラム組んでヨタって帰宅。
 重っ!
めでたくなし!
めでたくなし!
          つづく〜。

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