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主はモーセに言われた。
「人を遣わして、
わたしがイスラエルの人々に与えようとしているカナンの土地を偵察させなさい。
父祖以来の部族ごとに一人ずつ、それぞれ、指導者を遣わさねばならない。」
モーセは主の命令に従い、パランの荒れ野から彼らを遣わした。
彼らは皆、イスラエルの人々の長である人々であった。
モーセは、彼らをカナンの土地の偵察に遣わすにあたってこう命じた。
「ネゲブに上り、更に山を登って行き、
その土地がどんな所か調べて来なさい。
そこの住民が強いか弱いか、人数が多いか少ないか、
彼らの住む土地が良いか悪いか、彼らの住む町がどんな様子か、
天幕を張っているのか城壁があるのか、
土地はどうか、肥えているかやせているか、木が茂っているか否かを。
あなたたちは雄々しく行き、その土地の果物を取って来なさい。」
それはちょうど、ぶどうの熟す時期であった。
彼らは上って行って、ツィンの荒れ野からハマトに通じるレホブまでの土地を偵察した。
彼らはネゲブを上って行き、ヘブロンに着いた。
そこには、アナク人の子孫であるアヒマンとシェシャイとタルマイが住んでいた。
ヘブロンはエジプトのツォアンよりも七年前に建てられた町である。
エシュコルの谷に着くと、彼らは一房のぶどうの付いた枝を切り取り、
棒に下げ、二人で担いだ。また、ざくろやいちじくも取った。
画像1:POUSSIN, Nicolas 1594−1665
『Autumn』 1660-64
この場所がエシュコルの谷と呼ばれるのは、
イスラエルの人々がここで一房(エシュコル)のぶどうを切り取ったからである。
四十日の後、彼らは土地の偵察から帰って来た。
パランの荒れ野のカデシュにいるモーセ、
アロンおよびイスラエルの人々の共同体全体のもとに来ると、
彼らと共同体全体に報告をし、その土地の果物を見せた。
画像2:Giovanni Lanfranco 1582−1647
『Moses and the Messengers from Canaan 』1621 - 1624
彼らはモーセに説明して言った。
「わたしたちは、あなたが遣わされた地方に行って来ました。
そこは乳と蜜の流れる所でした。これがそこの果物です。
しかし、その土地の住民は強く、町という町は城壁に囲まれ、大層大きく、
しかもアナク人の子孫さえ見かけました。
ネゲブ地方にはアマレク人、山地にはヘト人、エブス人、アモリ人、
海岸地方およびヨルダン沿岸地方にはカナン人が住んでいます。」
カレブは民を静め、モーセに向かって進言した。
「断然上って行くべきです。そこを占領しましょう。必ず勝てます。」
しかし、彼と一緒に行った者たちは反対し、
「いや、あの民に向かって上って行くのは不可能だ。彼らは我々よりも強い」
と言い、
イスラエルの人々の間に、偵察して来た土地について悪い情報を流した。
「我々が偵察して来た土地は、そこに住み着こうとする者を食い尽くすような土地だ。
我々が見た民は皆、巨人だった。
そこで我々が見たのは、ネフィリムなのだ。
アナク人はネフィリムの出なのだ。
我々は、自分がいなごのように小さく見えたし、彼らの目にもそう見えたにちがいない。」
共同体全体は声をあげて叫び、民は夜通し泣き言を言った。
イスラエルの人々は一斉にモーセとアロンに対して不平を言い、
共同体全体で彼らに言った。
「エジプトの国で死ぬか、この荒れ野で死ぬ方がよほどましだった。
どうして、主は我々をこの土地に連れて来て、剣で殺そうとされるのか。
妻子は奪われてしまうだろう。
それくらいなら、エジプトに引き返した方がましだ。」
そして、互いに言い合った。
「さあ、一人の頭を立てて、エジプトへ帰ろう。」
モーセとアロンは、イスラエルの人々の共同体の全会衆の前でひれ伏していた。
土地を偵察して来た者のうち、
ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブは、衣を引き裂き、
イスラエルの人々の共同体全体に訴えた。
「我々が偵察して来た土地は、とてもすばらしい土地だった。
もし、我々が主の御心に適うなら、主は我々をあの土地に導き入れ、
あの乳と蜜の流れる土地を与えてくださるであろう。
ただ、主に背いてはならない。
あなたたちは、そこの住民を恐れてはならない。
彼らは我々の餌食にすぎない。
彼らを守るものは離れ去り、主が我々と共におられる。
彼らを恐れてはならない。」
しかし、共同体全体は、彼らを石で打ち殺せと言った。
画像3:BOTTICELLI, Sandro 1445 −1510
『The Punishment of Korah and the Stoning of Moses and Aaron』1481-82
主の栄光はそのとき、臨在の幕屋でイスラエルの人々すべてに現れた。
主はモーセに言われた。
「この民は、いつまでわたしを侮るのか。
彼らの間で行ったすべてのしるしを無視し、いつまでわたしを信じないのか。
わたしは、疫病で彼らを撃ち、彼らを捨て、あなたを彼らよりも強大な国民としよう。」
モーセは主に訴えた。
「エジプト人は、あなたが御力をもって、
彼らのうちからこの民を導き上られたことを聞いて、
この地方に住む者に伝えます。
彼らは、主よ、あなたがこの民のただ中におられ、
主よ、あなたが目の当たりに現れられること、
また、あなたの雲が民の上にあり、
あなたが、昼は雲の柱、夜は火の柱のうちにあって先頭に進まれることを聞いています。
もし、あなたがこの民を一挙に滅ぼされるならば、
あなたの名声を聞いた諸国民は言うことでしょう。
主は、与えると誓われた土地にこの民を連れて行くことができないので、
荒れ野で彼らを殺したのだ、と。
今、わが主の力を大いに現してください。
あなたはこう約束されました。
『主は、忍耐強く、慈しみに満ち、罪と背きを赦す方。
しかし、罰すべき者を罰せずにはおかれず、
父祖の罪を子孫に三代、四代までも問われる方である』と。
どうか、あなたの大きな慈しみのゆえに、
また、エジプトからここに至るまで、この民を赦してこられたように、
この民の罪を赦してください。」
主は言われた。
「あなたの言葉のゆえに、わたしは赦そう。
しかし、わたしは生きており、主の栄光は全地に満ちている。
わたしの栄光、わたしがエジプトと荒れ野で行ったしるしを見ながら、
十度もわたしを試み、わたしの声に聞き従わなかった者はだれ一人として、
わたしが彼らの先祖に誓った土地を見ることはない。
わたしをないがしろにする者はだれ一人としてそれを見ることはない。
しかし、わたしの僕カレブは、別の思いを持ち、
わたしに従い通したので、わたしは彼が見て来た土地に連れて行く。
彼の子孫はそれを継ぐ。
しかし、今はアマレク人とカナン人とがあの平野に住んでいるから、
向きを変え、明日、葦の海の道を通って、荒れ野に向けて出発しなさい。」
主はモーセとアロンに仰せになった。
「この悪い共同体は、いつまで、わたしに対して不平を言うのか。
わたしは、イスラエルの人々がわたしに対して言う不平を十分聞いた。
彼らに言うがよい。
『主は言われる。わたしは生きている。
わたしは、お前たちが言っていることを耳にしたが、
そのとおり、お前たちに対して必ず行う。
お前たちは死体となってこの荒れ野に倒れるであろう。
わたしに対して不平を言った者、つまり戸籍に登録をされた二十歳以上の者はだれ一人、
わたしが手を上げて誓い、あなたたちを住まわせると言った土地に入ることはない。
ただし、エフネの子カレブとヌンの子ヨシュアは別だ。
お前たちは、子供たちが奪われると言ったが、
わたしは彼らを導き入れ、彼らは、お前たちの拒んだ土地を知るようになる。
しかし、お前たちは死体となってこの荒れ野で倒れる。
お前たちの子供は、荒れ野で四十年の間羊飼いとなり、
お前たちの最後の一人が荒れ野で死体となるまで、お前たちの背信の罪を負う。
あの土地を偵察した四十日という日数に応じて、
一日を一年とする四十年間、お前たちの罪を負わねばならない。
お前たちは、わたしに抵抗するとどうなるかを知るであろう。
主であるわたしは断言する。
わたしに逆らって集まったこの悪い共同体全体に対して、わたしはこのことを行う。
彼らはこの荒れ野で死に絶える。』」
モーセが遣わした男たちは、土地の偵察から帰ると、
その土地について悪い情報を流し、共同体全体が彼に向かって不平を言うようにしたが、
土地について悪い情報を流した者は、主の御前で疫病にかかって死んだ。
しかし、土地を偵察に行った者のうち、
ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブだけは生き残った。
モーセはこれらのことをイスラエルのすべての人々に語って聞かせた。
民は深く嘆いた。
彼らは翌朝早く起き、山の頂を目指して上って行こうとして言った。
「さあ、主が約束された所へ上って行こう。我々は誤っていた。」
モーセは言った。
「あなたたちは、どうして主の命令に背くのか。成功するはずはない。
主があなたたちのうちにおられないのだから、上って行ってはいけない。
敵に打ち破られてはならない。
行く手にはアマレク人とカナン人がいて、あなたたちは剣で倒される。
主に背いたから、主はあなたたちと共におられない。」
彼らはかまわず、山の頂を目指して上って行った。
主の契約の箱とモーセは宿営から離れなかった。
山地に住むアマレク人とカナン人は山を下って彼らを撃ち、ホルマまで来て彼らを破った。
注.私のHPでは絵画主題としての旧約聖書を取り上げたいと思いますので、
物語の整合性は求めていません。
布教するつもりもありません。
絵画を読み解く知的遊戯ってことで御理解下さいませ。
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