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GWは単なる週末でした。

サムエル記 上

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サムエル記 上 終

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ペリシテ軍はイスラエルと戦い、イスラエル兵はペリシテ軍の前から逃げ去り、
傷ついた兵士たちがギルボア山上で倒れた。
ペリシテ軍はサウルとその息子たちに迫り、
サウルの息子ヨナタン、アビナダブ、マルキ・シュアを討った。
サウルに対する攻撃も激しくなり、射手たちがサウルを見つけ、
サウルは彼らによって深手を負った。

画像:Pieter Bruegel the Elder 1525/30-1569
『The Suicide of Saul』 1562

サウルは彼の武器を持つ従卒に命じた。
「お前の剣を抜き、わたしを刺し殺してくれ。
あの無割礼の者どもに襲われて刺し殺され、なぶりものにされたくない。」
だが、従卒は非常に恐れ、そうすることができなかったので、
サウルは剣を取り、その上に倒れ伏した。
従卒はサウルが死んだのを見ると、自分も剣の上に倒れ伏してサウルと共に死んだ。
この同じ日に、サウルとその三人の息子、従卒、更に彼の兵は皆死んだ。
谷の向こう側と、ヨルダンの向こう側のイスラエル人は、
イスラエル兵が逃げ、サウルとその息子たちが死んだのを見ると、
町をことごとく捨てて逃げ去ったので、ペリシテ軍が来てそこにとどまった。
翌日、戦死者からはぎ取ろうとやって来たペリシテ軍は、
サウルとその三人の息子がギルボア山上に倒れているのを見つけた。
彼らはサウルの首を切り落とし、武具を奪った。
ペリシテ全土に使者が送られ、彼らの偶像の神殿と民に戦勝が伝えられた。
彼らはサウルの武具をアシュトレト神殿に納め、
その遺体をベト・シャンの城壁にさらした。
ギレアドのヤベシュの住民は、ペリシテ軍のサウルに対する仕打ちを聞いた。
戦士たちは皆立って、夜通し歩き、
サウルとその息子たちの遺体をベト・シャンの城壁から取り下ろし、
ヤベシュに持ち帰って火葬に付し、
彼らの骨を拾ってヤベシュのぎょりゅうの木の下に葬り、七日間、断食した。

サムエル記 上12

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ダビデは心に思った。
「このままではいつかサウルの手にかかるにちがいない。
ペリシテの地に逃れるほかはない。
そうすればサウルは、イスラエル全域でわたしを捜すことを断念するだろう。
こうしてわたしは彼の手から逃れることができる。」
ダビデは立って、彼に従う兵六百人と共に、
ガトの王、マオクの子アキシュのもとに移って行った。
ダビデとその兵はおのおのの家族と共にガトのアキシュのもとに身を寄せた。
ダビデは二人の妻、
イズレエルのアヒノアムとカルメルのナバルの妻であったアビガイルを連れていた。
ダビデがガトに逃げたと聞いたサウルは、二度とダビデを追跡しなかった。
ダビデはアキシュに言った。
「御厚意を得られるなら、地方の町の一つに場所をください。
そこに住みます。
僕が王国の首都で、あなたのもとに住むことはありません。」
その日、アキシュは彼にツィクラグを与えた。
こうして、今日に至るまでツィクラグはユダの王に属することになった。
ダビデがペリシテの地に住んだ期間は、一年と四か月であった。
ダビデとその兵は上って行っては、ゲシュル人、ゲゼル人、アマレク人を襲った。
昔からこれらは、シュルからエジプトの地に至る地方の住民であった。
ダビデはこの地方を討つと、男も女も生かしておかず、
羊、牛、ろば、らくだ、衣類を奪っては、アキシュのもとに戻った。
アキシュが、「今日はどこを襲ったか」と尋ねると、
ダビデは、ユダのネゲブを、エラフメエル人のネゲブを、
カイン人のネゲブを、と答えた。
ダビデは、男も女も生かしてガトに引いて来ることはなかった。
「彼らが我々について、『ダビデがこうした』と通報しないように」
と考えたからである。
ダビデがペリシテの地に住む間、これがダビデの策であった。
アキシュはダビデを信じて、
「彼は自分の民イスラエルにすっかり嫌われたから、
いつまでもわたしの僕でいるだろう」と思っていた。

そのころ、ペリシテ人はイスラエルと戦うために軍を集結させた。
アキシュはダビデに言った。
「あなたもあなたの兵もわたしと一緒に戦陣に加わることを、
よく承知していてもらいたい。」
ダビデはアキシュに答えた。
「それによって、僕の働きがお分かりになるでしょう。」
アキシュはダビデに言った。
「それなら、常にあなたをわたしの護衛の長としよう。」
サムエルが死んだ。
全イスラエルは彼を悼み、彼の町ラマに葬った。
サウルは、既に国内から口寄せや魔術師を追放していた。
ペリシテ人は集結し、シュネムに来て陣を敷いた。
サウルはイスラエルの全軍を集めてギルボアに陣を敷いた。
サウルはペリシテの陣営を見て恐れ、その心はひどくおののいた。
サウルは主に託宣を求めたが、主は夢によっても、
ウリムによっても、預言者によってもお答えにならなかった。
サウルは家臣に命令した。
「口寄せのできる女を探してくれ。
その女のところに行って尋ねよう。」
家臣は答えた。
「エン・ドルに口寄せのできる女がいます。」
サウルは変装し、衣を替え、夜、二人の兵を連れて女のもとに現れた。
サウルは頼んだ。
「口寄せの術で占ってほしい。
あなたに告げる人を呼び起こしてくれ。」
女は言った。
「サウルのしたことをご存じでしょう。
サウルは口寄せと魔術師をこの地から断ちました。
なぜ、わたしの命を罠にかけ、わたしを殺そうとするのですか。」
サウルは主にかけて女に誓った。
「主は生きておられる。この事であなたが咎を負うことは決してない。」
女は尋ねた。
「誰を呼び起こしましょうか。」
「サムエルを呼び起こしてもらいたい」と彼は頼んだ。
その女は、サムエルを見ると、大声で叫び、サウルに言った。
「なぜわたしを欺いたのですか。あなたはサウルさまではありませんか。」
王は言った。
「恐れることはない。それより、何を見たのだ。」
女はサウルに言った。
「神のような者が地から上って来るのが見えます。」
サウルはその女に言った。
「どんな姿だ。」
女は言った。
「老人が上って来ます。上着をまとっています。」
サウルにはそれがサムエルだと分かったので、顔を地に伏せ、礼をした。
サムエルはサウルに言った。

画像1:William Blake 1757−1827
『The Ghost of Samuel appearing to Saul』1800

「なぜわたしを呼び起こし、わたしを煩わすのか。」
サウルは言った。
「困り果てているのです。
ペリシテ人が戦いを仕掛けているのに、神はわたしを離れ去り、
もはや預言者によっても、夢によってもお答えになりません。
あなたをお呼びしたのは、なすべき事を教えていただくためです。」
サムエルは言った。
「なぜわたしに尋ねるのか。主があなたを離れ去り、敵となられたのだ。
主は、わたしを通して告げられた事を実行される。
あなたの手から王国を引き裂き、あなたの隣人、ダビデにお与えになる。
あなたは主の声を聞かず、アマレク人に対する主の憤りの業を遂行しなかったので、
主はこの日、あなたに対してこのようにされるのだ。
主はあなたのみならず、イスラエルをもペリシテ人の手に渡される。
明日、あなたとあなたの子らはわたしと共にいる。
主はイスラエルの軍隊を、ペリシテ人の手に渡される。」
サウルはたちまち地面に倒れ伏してしまった。

画像2:MOUNT, William Sidney 1807-1868
『Saul and the Witch of Endor』1828

サムエルの言葉におびえたからである。
また彼はこの日、何も食べていなかったため、力が尽きていたのである。
その女はサウルに近づき、サウルがおびえきっているのを見て、言った。
「はしためはあなたの声に聞き従いました。
命をかけて、あなたが言った言葉に聞き従ったのです。
今度は、あなたがはしための声に聞き従ってください。
ささやかな食事をあなたに差し上げますから、
それを召し上がり、力をつけてお帰りください。」
サウルは拒み、食べたくないと言った。
しかし、家臣もその女も強く勧めたので、彼らの勧めに従い、
地面から起き上がって、床の上に座った。
女の家には肥えた子牛がいたので急いで屠り、
小麦粉を取ってこね、種なしパンを焼いた。
女が、サウルと家臣にそれを差し出すと、
彼らは食べて、その夜のうちに立ち去った。

注.私のHPでは絵画主題としての旧約聖書を取り上げたいと思いますので、
物語の整合性は求めていません。

サムエル記 上 11

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ジフ人がギブアに来てサウルに、
「砂漠の手前、ハキラの丘にダビデが隠れている」と告げた。
サウルは立ってイスラエルの精鋭三千を率い、
ジフの荒れ野に下って行き、ダビデをジフの荒れ野で探した。
サウルは、砂漠の手前、道に沿ったハキラの丘に陣を敷いた。
ダビデは荒れ野にとどまっていたが、サウルが彼を追って荒れ野に来たことを知り、
斥候を出して、サウルが来たことを確認した。
ダビデは立って、サウルが陣を敷いている所に近づき、
サウルとサウルの軍の司令官、ネルの子アブネルが寝ている場所を見つけた。
サウルは幕営の中で寝ており、兵士がその周りに宿営していた。
ダビデは、ヘト人アヒメレクとヨアブの兄弟、ツェルヤの子アビシャイに問いかけた。
「サウルの陣地に、わたしと下って行くのは誰だ。」
アビシャイが、「わたしがあなたと行きましょう」と答えた。
ダビデとアビシャイは夜になって兵士に近寄った。
サウルは幕営の中に横になって眠り込んでおり、
彼の槍はその枕もとの地面に突き刺してあった。
アブネルも兵士もその周りで眠っていた。
アビシャイはダビデに言った。
「神は、今日、敵をあなたの手に渡されました。
さあ、わたしに槍の一突きで彼を刺し殺させてください。
一度でしとめます。」

画像:Count Feodor Tolstoy 1783-1873
『 David Refuses to Kill Sleeping Saul』 1806

ダビデはアビシャイに言った。
「殺してはならない。
主が油を注がれた方に手をかければ、罰を受けずには済まない。」
更に言った。
「主は生きておられる。
主がサウルを打たれるだろう。
時が来て死ぬか、戦に出て殺されるかだ。
主が油を注がれた方に、わたしが手をかけることを主は決してお許しにならない。
今は、枕もとの槍と水差しを取って立ち去ろう。」
ダビデはサウルの枕もとから槍と水差しを取り、彼らは立ち去った。
見ていた者も、気づいた者も、目を覚ました者もなかった。
主から送られた深い眠りが彼らを襲い、全員眠り込んでいた。
ダビデは向こう側に渡り、遠く離れた山の頂に立った。
サウルの陣営との隔たりは大きかった。
ダビデは兵士に向かって、またネルの子アブネルに向かって呼ばわった。
「アブネル、答えないのか。」
アブネルは答えた。
「王に呼ばわるお前は誰だ。」
ダビデはアブネルに言った。
「お前も男だろう。
お前に比べられる者は、イスラエルにいない。
そのお前が、なぜ自分の主人である王を守れなかったのだ。
敵兵が一人、お前の主人である王を殺そうと忍び込んだのだ。
お前の行いは良くない。
主は生きておられる。
お前たちは死に値する。
主が油を注がれた方、お前たちの主人を守れなかったからだ。
さあ、枕もとの槍と水差しがどこにあるか見てみよ。」
サウルはダビデの声と気づいて、言った。
「この声はわが子、ダビデではないか。」
ダビデは答えた。
「わが主君、王よ。わたしの声です。」
ダビデは続けた。
「わが主君はなぜわたしを追跡なさるのですか。
わたしが何をしたというのでしょう。
わたしの手にどんな悪があるというのでしょうか。
わが主君、王よ。
僕の言葉をお聞きください。
もし、王がわたしに対して憤られるように仕向けられたのが主であるなら、
どうか、主が献げ物によってなだめられますように。
もし、人間であるなら、主の御前に彼らが呪われますように。
彼らは、『行け、他の神々に仕えよ』と言って、
この日、主がお与えくださった嗣業の地からわたしを追い払うのです。
どうか、わたしの血が主の御前を遠く離れた地で流されませんように。
まことにイスラエルの王は、山でしゃこを追うかのように、
蚤一匹をねらって出陣されたのです。」
サウルは言った。
「わたしが誤っていた。
わが子ダビデよ、帰って来なさい。
この日わたしの命を尊んでくれたお前に、
わたしは二度と危害を加えようとはしない。
わたしは愚かであった。
大きな過ちを犯した。」
ダビデは答えた。
「王の槍はここにあります。
従者を一人よこし、これを運ばせてください。
主は、おのおのに、その正しい行いと忠実さに従って報いてくださいます。
今日、主はわたしの手にあなたを渡されましたが、
主が油を注がれた方に手をかけることをわたしは望みませんでした。
今日、わたしがあなたの命を大切にしたように、
主もわたしの命を大切にされ、
あらゆる苦難からわたしを救ってくださいますように。」
サウルはダビデに言った。
「わが子ダビデよ。
お前に祝福があるように。
お前は活躍し、また、必ず成功する。」
ダビデは自分の道を行き、サウルは自分の場所に戻って行った。

注.私のHPでは絵画主題としての旧約聖書を取り上げたいと思いますので、
物語の整合性は求めていません。

サムエル記 上 10

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かなり中略。。。

サムエルが死んだので、全イスラエルは集まり、
彼を悼み、ラマにある彼の家に葬った。
ダビデは立ってパランの荒れ野に下った。
一人の男がマオンにいた。
仕事場はカルメルにあり、非常に裕福で、羊三千匹、山羊千匹を持っていた。
彼はカルメルで羊の毛を刈っていた。
男の名はナバルで、妻の名はアビガイルと言った。
妻は聡明で美しかったが、夫は頑固で行状が悪かった。
彼はカレブ人であった。
荒れ野にいたダビデは、ナバルが羊の毛を刈っていると聞き、
十人の従者を送ることにして、彼らにこう言った。
「カルメルに上り、ナバルを訪ね、わたしの名によって安否を問い、
次のように言うがよい。
『あなたに平和、あなたの家に平和、あなたのものすべてに平和がありますように。
羊の毛を刈っておられると聞きました。
あなたの牧童は我々のもとにいましたが、彼らを侮辱したことはありません。
彼らがカルメルに滞在していた間、無くなったものは何もないはずです。
あなたの従者に尋ねてくだされば、そう答えるでしょう。
わたしの従者が御厚意にあずかれますように。
この祝いの日に来たのですから、お手もとにあるものを僕たちと、
あなたの子ダビデにお分けください。』」
ダビデの従者は到着すると、教えられたとおりダビデの名によってナバルに告げ、
答えを待った。
ナバルはダビデの部下に答えて言った。
「ダビデとは何者だ、エッサイの子とは何者だ。
最近、主人のもとを逃げ出す奴隷が多くなった。
わたしのパン、わたしの水、
それに毛を刈る者にと準備した肉を取って素性の知れぬ者に与えろというのか。」
ダビデの従者は道を引き返して帰り着くと、言われたままをダビデに報告した。
ダビデは兵に、「各自、剣を帯びよ」と命じ、
おのおの剣を帯び、ダビデも剣を帯びた。
四百人ほどがダビデに従って進み、二百人は荷物のところにとどまった。
ナバルの従者の一人がナバルの妻アビガイルに報告した。
「ダビデは、御主人に祝福を述べようと荒れ野から使いをよこしたのに、
御主人は彼らをののしりました。
あの人たちは実に親切で、我々が野に出ていて彼らと共に移動したときも、
我々を侮辱したりせず、何かが無くなったこともありません。
彼らのもとにいて羊を飼っているときはいつも、
彼らが昼も夜も我々の防壁の役をしてくれました。
御主人にも、この家の者全体にも、災いがふりかかろうとしている今、
あなたが何をなすべきか、しっかり考えてください。
御主人はならず者で、だれも彼に話しかけることができません。」
アビガイルは急いで、パンを二百、ぶどう酒の革袋を二つ、
料理された羊五匹、炒り麦五セア、干しぶどう百房、
干しいちじくの菓子を二百取り、何頭かのろばに積み、
従者に命じた。
「案内しなさい。後をついて行きます。」
彼女は夫ナバルには何も言わなかった。
アビガイルが、ろばに乗って山陰を進んで行くと、
向こうからダビデとその兵が進んで来るのに出会った。

画像1&2:RUBENS, Peter Paul 1577−1640
『The Meeting of David and Abigail』1630
『The Meeting of David and Abigail』1625-28

ダビデはこう言ったばかりであった。
「荒れ野で、あの男の物をみな守り、何一つ無くならぬように気を配ったが、
それは全く無益であった。
彼は善意に悪意をもって報いた。
明日の朝の光が射すまでに、ナバルに属する男を一人でも残しておくなら、
神がこのダビデを幾重にも罰してくださるように。」
アビガイルはダビデを見ると、急いでろばを降り、
ダビデの前の地にひれ伏し礼をした。
彼女はダビデの足もとにひれ伏して言った。
「御主人様、わたしが悪うございました。
お耳をお貸しください。
はしための言葉をお聞きください。
御主人様が、あのならず者ナバルのことなど気になさいませんように。
名前のとおりの人間、ナバルという名のとおりの愚か者でございます。
はしためは、お遣わしになった使者の方々にお会いしてはいないのです。
主は生きておられ、あなた御自身も生きておられます。
あなたを引き止め、
流血の災いに手を下すことからあなたを守ってくださったのは主です。
あなたに対して災難を望む者、あなたの敵はナバルのようになりましょう。
ここにある物は、はしためが持参した贈り物でございます。
お足もとに仕える従者にお取らせくださいますように。
どうかはしための失礼をお許しください。
主は必ずあなたのために確固とした家を興してくださいます。
あなたは主の戦いをたたかわれる方で、
生涯、悪いことがあなたを襲うことはございませんから。
人が逆らって立ち、お命をねらって追い迫って来ても、
お命はあなたの神、主によって命の袋に納められ、
敵の命こそ主によって石投げ紐に仕掛けられ、投げ飛ばされることでございましょう。
また、主が約束なさった幸いをすべて成就し、
あなたをイスラエルの指導者としてお立てになるとき、
いわれもなく血を流したり、御自分の手で復讐なさったことなどが、
つまずきや、お心の責めとなりませんように。
主があなたをお恵みになるときには、はしためを思い出してください。」
ダビデはアビガイルに答えた。
「イスラエルの神、主はたたえられよ。
主は、今日、あなたをわたしに遣わされた。
あなたの判断はたたえられ、あなたもたたえられよ。
わたしが流血の罪を犯し、自分の手で復讐することを止めてくれた。
イスラエルの神、主は生きておられる。
主は、わたしを引き止め、あなたを災いから守られた。
あなたが急いでわたしに会いに来ていなければ、
明日の朝の光が射すころには、ナバルに一人の男も残されていなかっただろう。」
ダビデは、彼女の携えて来た贈り物を受け、彼女に言った。
「平和に帰りなさい。
あなたの言葉を確かに聞き入れ、願いを尊重しよう。」
アビガイルがナバルのもとへ帰ってみると、
ナバルは家で王の宴会にも似た宴会の最中であった。
ナバルは上機嫌で、かなり酔っていたので、
翌朝、日が昇るまで、彼女は事の大小を問わず何も話さなかった。
翌朝、ナバルの酔いがさめると、彼の妻は成り行きを話して聞かせた。
ナバルは意識を無くして石のようになった。
十日ほどの後、主はナバルを打たれ、彼は死んだ。
ナバルが死んだと聞いたダビデは、
「主はたたえられよ。主は、ナバルが加えた侮辱に裁きを下し、
僕に悪を行わせず、かえって、ナバルの悪をナバルの頭に返された」と言った。
ダビデはアビガイルに人を遣わし、彼女を妻にしたいと申し入れた。
ダビデの部下がカルメルにいたアビガイルのもとに来て、
「ダビデは我々をあなたのもとに遣わし、あなたを妻として迎えたいと言っています」
と告げた。
彼女は立ち上がり、地に伏して礼をし、
「わたしは御主人様の僕たちの足を洗うはしためになります」と答え、
すぐに立ち、急いでろばに乗り、彼女に仕える侍女を五人連れて、
ダビデの使者の後に従った。
アビガイルはダビデの妻となった。
ダビデはイズレエル出身のアヒノアムをめとっていたので、
この二人がダビデの妻となった。
サウルは、ダビデの妻であった自分の娘ミカルを、
ガリム出身のライシュの子パルティに与えた。

注.私のHPでは絵画主題としての旧約聖書を取り上げたいと思いますので、
物語の整合性は求めていません。

サムエル記 上 9

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ダビデはラマのナヨトから逃げ帰り、ヨナタンの前に来て言った。
「わたしが、何をしたというのでしょう。
お父上に対してどのような罪や悪を犯したからといって、
わたしの命をねらわれるのでしょうか。」
ヨナタンはダビデに答えた。
「決してあなたを殺させはしない。
父は、事の大小を問わず、何かするときには必ずわたしの耳に入れてくれる。
そのような事を父がわたしに伏せておくはずはない。
そのような事はない。」
それでもダビデは誓って言った。
「わたしがあなたの厚意を得ていることをよくご存じのお父上は、
『ヨナタンに気づかれてはいけない。苦しませたくない』
と考えておられるのです。
主は生きておられ、あなた御自身も生きておられます。
死とわたしとの間はただの一歩です。」
ヨナタンはダビデに言った。
「あなたの望むことは何でもしよう。」
ダビデはヨナタンに言った。
「明日は新月祭で、王と一緒に食事をしなければならない日です。
あなたが逃がしてくだされば、三日目の夕方まで野原に隠れています。
そのとき、お父上がわたしの不在に気づかれたなら、
『ダビデは、自分の町ベツレヘムへ急いで帰ることを許してください、
一族全体のために年ごとのいけにえをささげなければなりません、
と頼み込んでいました』と答えてください。
王が、『よろしい』と言われるなら、僕は無事ですが、
ひどく立腹されるなら、危害を加える決心をしておられると思ってください。
あなたは主の御前で僕と契約を結んでくださったのですから、
僕に慈しみを示してください。
もし、わたしに罪があるなら、あなた御自身わたしを殺してください。
お父上のもとに引いて行くには及びません。」
ヨナタンは言った。
「そのような事は決してない。
父があなたに危害を加える決心をしていると知ったら、必ずあなたに教えよう。」
ダビデはヨナタンに言った。
「だが、父上が厳しい答えをなさったら、誰がわたしに伝えてくれるのでしょう。」
「来なさい、野に出よう」とヨナタンは言った。
二人は野に出た。
ヨナタンはダビデに言った。
「イスラエルの神、主にかけて誓って言う。
明日または、明後日の今ごろ、父に探りを入れ、
あなたに好意的なら人をやって必ず知らせよう。
父が、あなたに危害を加えようと思っているのに、
もしわたしがそれを知らせず、あなたを無事に送り出さないなら、
主がこのヨナタンを幾重にも罰してくださるように。
主が父と共におられるように、あなたと共におられるように。
そのときわたしにまだ命があっても、死んでいても、
あなたは主に誓ったようにわたしに慈しみを示し、
また、主がダビデの敵をことごとく地の面から断たれるときにも、
あなたの慈しみをわたしの家からとこしえに断たないでほしい。」
ヨナタンはダビデの家と契約を結び、こう言った。
「主がダビデの敵に報復してくださるように。」
ヨナタンは、ダビデを自分自身のように愛していたので、
更にその愛のゆえに彼に誓わせて、こう言った。
「明日は新月祭だ。あなたの席が空いていれば、あなたの不在が問いただされる。
明後日に、あなたは先の事件の日に身を隠した場所に下り、
エゼルの石の傍らにいなさい。
わたしは、その辺りに向けて、的を射るように、矢を三本放とう。
それから、『矢を見つけて来い』と言って従者をやるが、そのとき従者に、
『矢はお前の手前にある、持って来い』と声をかけたら、出て来なさい。
主は生きておられる。
あなたは無事だ。
何事もない。
だがもし、その従者に、『矢はあなたのもっと先だ』と言ったら、
逃げなければならない。
主があなたを去らせるのだ。
わたしとあなたが取り決めたこの事については、
主がとこしえにわたしとあなたの間におられる。」
ダビデは野に身を隠した。
新月祭が来た。
王は食卓に臨み、壁に沿ったいつもの自分の席に着いた。
ヨナタンはサウル王の向かいにおり、
アブネルは王の隣に席を取ったが、ダビデの場所は空席のままであった。
その日サウルは、そのことに全く触れなかった。
ダビデに何事かあって身が汚れているのだろう、
きっと清めが済んでいないのだ、と考えたからである。
だが翌日、新月の二日目にも、ダビデの場所が空席だったので、
サウルは息子ヨナタンに言った。
「なぜ、エッサイの息子は昨日も今日も食事に来ないのか。」
ヨナタンはサウルに答えた。
「ベツレヘムに帰らせてほしい、という頼みでした。
彼はわたしに、『町でわたしたちの一族がいけにえをささげるので、
兄に呼びつけられています。
御厚意で、出て行かせてくだされば、兄に会えます』と言っていました。
それでダビデは王の食事にあずかっておりません。」
サウルはヨナタンに激怒して言った。
「心の曲がった不実な女の息子よ。
お前がエッサイの子をひいきにして自分を辱め、
自分の母親の恥をさらしているのを、
このわたしが知らないとでも思っているのか。
エッサイの子がこの地上に生きている限り、お前もお前の王権も確かではないのだ。
すぐに人をやってダビデを捕らえて来させよ。
彼は死なねばならない。」
ヨナタンは、父サウルに言い返した。
「なぜ、彼は死なねばならないのですか。
何をしたのですか。」
サウルはヨナタンを討とうとして槍を投げつけた。
父がダビデを殺そうと決心していることを知ったヨナタンは、
怒って食事の席を立った。
父がダビデをののしったので、ダビデのために心を痛め、
新月の二日目は食事を取らなかった。
翌朝、取り決めた時刻に、ヨナタンは年若い従者を連れて野に出た。
「矢を射るから走って行って見つけ出して来い」
と言いつけると、従者は駆け出した。
ヨナタンは彼を越えるように矢を射た。
ヨナタンの射た矢の辺りに少年が着くと、ヨナタンは後ろから呼ばわった。
「矢はお前のもっと先ではないか。」
ヨナタンは従者の後ろから、「早くしろ、急げ、立ち止まるな」と声をかけた。
従者は矢を拾い上げ、主人のところに戻って来た。
従者は何も知らなかったが、ダビデとヨナタンはその意味を知っていた。
ヨナタンは武器を従者に渡すと、「町に持って帰ってくれ」と言った。
従者が帰って行くと、ダビデは南側から出て来て地にひれ伏し、三度礼をした。
彼らは互いに口づけし、共に泣いた。
ダビデはいっそう激しく泣いた。

画像1:Gustave Dore 1833-1883
『David and Jonathan』1865

ヨナタンは言った。
「安らかに行ってくれ。
わたしとあなたの間にも、わたしの子孫とあなたの子孫の間にも、
主がとこしえにおられる、と主の御名によって誓い合ったのだから。」
ダビデは立ち去り、ヨナタンは町に戻った。
ダビデは、ノブの祭司アヒメレクのところに行った。
ダビデを不安げに迎えたアヒメレクは、彼に尋ねた。
「なぜ、一人なのですか、供はいないのですか。」
ダビデは祭司アヒメレクに言った。
「王はわたしに一つの事を命じて、
『お前を遣わす目的、お前に命じる事を、だれにも気づかれるな』と言われたのです。
従者たちには、ある場所で落ち合うよう言いつけてあります。
それよりも、何か、パン五個でも手もとにありませんか。
ほかに何かあるなら、いただけますか。」
祭司はダビデに答えた。
「手もとに普通のパンはありません。
聖別されたパンならあります。
従者が女を遠ざけているなら差し上げます。」
ダビデは祭司に答えて言った。
「いつものことですが、わたしが出陣するときには女を遠ざけています。
従者たちは身を清めています。
常の遠征でもそうですから、まして今日は、身を清めています。」
普通のパンがなかったので、祭司は聖別されたパンをダビデに与えた。
パンを供え替える日で、焼きたてのパンに替えて主の御前から取り下げた、
供えのパンしかなかった。
そこにはその日、サウルの家臣の一人が主の御前にとどめられていた。
名をドエグというエドム人で、サウルに属する牧者のつわものであった。
ダビデは更にアヒメレクに求めた。
「ここに、あなたの手もとに、槍か剣がありますか。
王の用件が急なことだったので、
自分の剣も武器も取って来ることができなかったのです。」
祭司は言った。
「エラの谷で、あなたが討ち取ったペリシテ人ゴリアトの剣なら、
そこ、エフォドの後ろに布に包んであります。
もしそれを持って行きたければ持って行ってください。
そのほかには何もありません。」

画像2:Aert de Gelder 1645-1727
『Ahimelech giving the sword of Goliath to David』 1680s

ダビデは言った。
「それにまさるものはない。
それをください。」
ダビデは立ってその日のうちにサウルから逃れ、ガトの王アキシュのもとに来た。
アキシュの家臣は言った。
「この男はかの地の王、ダビデではありませんか。
この男についてみんなが踊りながら、
『サウルは千を討ち、ダビデは万を討った』と歌ったのです。」
ダビデはこの言葉が心にかかり、ガトの王アキシュを大変恐れた。
そこで彼は、人々の前で変わったふるまいをした。
彼らに捕らえられると、気が狂ったのだと見せかけ、ひげによだれを垂らしたり、
城門の扉をかきむしったりした。
アキシュは家臣に言った。
「見てみろ、この男は気が狂っている。
なぜ連れて来たのだ。
わたしのもとに気の狂った者が不足しているとでもいうのか。
わたしの前で狂態を見せようとして連れて来たのか。
この男をわたしの家に入れようとでもいうのか。」

注.私のHPでは絵画主題としての旧約聖書を取り上げたいと思いますので、
物語の整合性は求めていません。

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