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サムエル記 上

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サムエル記 上 3

イメージ 1

イメージ 2

ペリシテ人は神の箱を奪い、エベン・エゼルからアシュドドへ運んだ。
ペリシテ人は神の箱を取り、ダゴンの神殿に運び入れ、ダゴンのそばに置いた。
翌朝、アシュドドの人々が早く起きてみると、
主の箱の前の地面にダゴンがうつ伏せに倒れていた。
人々はダゴンを持ち上げ、元の場所に据えた。
その翌朝、早く起きてみると、
ダゴンはまたも主の箱の前の地面にうつ伏せに倒れていた。
しかもダゴンの頭と両手は切り取られて敷居のところにあり、
胴体だけが残されていた。
そのため、今日に至るまで、ダゴンの祭司やダゴンの神殿に行く者はだれも、
アシュドドのダゴンの敷居を踏まない。
主の御手はアシュドドの人々の上に重くのしかかり、災害をもたらした。
主はアシュドドとその周辺の人々を打って、はれ物を生じさせられた。
アシュドドの人々はこれを見て、言い合った。

画像1:CAROSELLI, Angelo 1585−1652
『The Plague at Ashdod』 1631
Copy of Poussin's original in Louvre, Paris,
but with differences in the background.

「イスラエルの神の箱を我々のうちにとどめて置いてはならない。
この神の手は我々と我々の神ダゴンの上に災難をもたらす。」
彼らは人をやってペリシテの領主を全員集め、
「イスラエルの神の箱をどうしたものか」と尋ねた。
彼らは答えた。
「イスラエルの神の箱をガトへ移そう。」
イスラエルの神の箱はそこに移された。
箱が移されて来ると、主の御手がその町に甚だしい恐慌を引き起こした。
町の住民は、小さい者から大きい者までも打たれ、はれ物が彼らの間に広がった。
彼らは神の箱をエクロンに送った。
神の箱がエクロンに着くと、住民は大声で叫んだ。
「イスラエルの神の箱をここに移して、わたしとわたしの民を殺すつもりか。」
彼らは人をやってペリシテの領主を全員集め、そして言った。
「イスラエルの神の箱を送り返そう。
元の所に戻ってもらおう。
そうすれば、わたしとわたしの民は殺されはしないだろう。」
実際、町全体が死の恐怖に包まれ、神の御手はそこに重くのしかかっていた。
死を免れた人々もはれ物で打たれ、町の叫び声は天にまで達した。
主の箱は、七か月の間ペリシテの地にあった。
ペリシテ人は、祭司たちと占い師たちを呼んで尋ねた。
「主の箱をどうしたものでしょう。
どのようにしてあれを元の所に送り返したらよいのか、教えてください。」
彼らは答えた。
「イスラエルの神の箱を送り返すにあたっては、何も添えずに送ってはならない。
必ず賠償の献げ物と共に返さなければならない。
そうすれば、あなたたちはいやされ、
神の手があなたたちを離れなかった理由も理解できよう。」
ペリシテ人は言った。
「それでは、返すにあたって、賠償の献げ物は何がよいのでしょうか。」
彼らは答えた。
「同一の災厄があなたたち全員とあなたたちの領主にくだったのだから、
ペリシテの領主の数に合わせて、
五つの金のはれ物と五つの金のねずみにしなさい。
はれ物の模型と大地を荒らすねずみの模型を造って、
イスラエルの神に栄光を帰すならば、
恐らくイスラエルの神は、あなたたち、あなたたちの神々、
そしてあなたたちの土地の上にのしかかっているその手を軽くされるだろう。
なぜ、あなたたちは、
エジプト人とファラオがその心を固くしたように、心を固くするのか。
神が彼らを悩ませたので、彼らはイスラエル人を行かせざるをえなくなり、
イスラエル人は去って行ったではないか。
今、新しい車一両と、まだ軛をつけたことのない、
乳を飲ませている雌牛二頭を用意しなさい。
雌牛を車につなぎ、子牛は引き離して小屋に戻しなさい。
主の箱を車に載せ、
賠償の献げ物として主に返す金の品物を箱に入れ、傍らに置きなさい。
それを送り出し、行くがままにしなさい。
そして見ていて、それが自分の国に向かう道を、
ベト・シェメシュへ上って行くならば、
我々に対してこの大きな災難を起こしたのは彼らの神だ。
もし、その方向に上って行かなければ、
彼らの神の手が我々を打ったのではなく、
偶然の災難だったのだということが分かる。」
人々はそのとおりに行った。
乳を飲ませている二頭の雌牛を連れて来て車につなぎ、
子牛を小屋に閉じ込めた。
主の箱を車に載せ、金で造ったねずみとはれ物の模型を入れた箱も載せた。
雌牛は、ベト・シェメシュに通じる一筋の広い道をまっすぐに進んで行った。
歩きながら鳴いたが、右にも左にもそれなかった。

画像2:BOURDON, Sebastien 1616−1671
『The Return of Ark』 1659

ペリシテの領主たちは、ベト・シェメシュの国境まで後をつけて行った。
ベト・シェメシュの人々は谷あいの平野で小麦を刈り入れていたが、
目を上げると主の箱が見えた。
彼らはそれを見て喜んだ。
車はベト・シェメシュの人ヨシュアの畑に着くと、そこに止まった。
そこには大きな石があったので、人々は車に使われた木材を割り、
雌牛を焼き尽くす献げ物として主にささげた。
レビ人たちは主の箱と、その脇に置いてあった金の品物の入った箱とを下ろし、
大きな石の上に置いた。
その日ベト・シェメシュの人々は、焼き尽くす献げ物や、
他のいけにえを主にささげた。
ペリシテの五人の領主はこれを見届けると、その日のうちにエクロンへ戻った。
ペリシテ人が、主に賠償の献げ物として送った金のはれ物は、
アシュドドのために一つ、ガザのために一つ、アシュケロンのために一つ、
ガトのために一つ、エクロンのために一つである。
金のねずみの数は、ペリシテの砦の町から田舎の村まで、
五人の領主に属するペリシテ人のすべての町の数に合っていた。
主の箱が置かれた大きな石は、今日でも、
ベト・シェメシュの人ヨシュアの畑にある。
主はベト・シェメシュの人々を打たれた。
主の箱の中をのぞいたからである。
主は五万のうち七十人の民を打たれた。
主が民に大きな打撃を与えられたので、民は喪に服した。
ベト・シェメシュの人々は言った。
「この聖なる神、主の御前に誰が立つことができようか。
我々のもとから誰のもとへ行っていただこうか。」
彼らはキルヤト・エアリムの住民に使者を送って言った。
「ペリシテ人が主の箱を返してきました。
下って来て、主の箱をあなたがたのもとに担ぎ上ってください。」

キルヤト・エアリムの人々はやって来て、主の箱を担ぎ上り、
丘の上のアビナダブの家に運び入れた。
そして、アビナダブの息子エルアザルを聖別して、主の箱を守らせた。
主の箱がキルヤト・エアリムに安置された日から時が過ぎ、二十年を経た。
イスラエルの家はこぞって主を慕い求めていた。
サムエルはイスラエルの家の全体に対して言った。
「あなたたちが心を尽くして主に立ち帰るというなら、
あなたたちの中から異教の神々やアシュタロトを取り除き、心を正しく主に向け、
ただ主にのみ仕えなさい。
そうすれば、主はあなたたちをペリシテ人の手から救い出してくださる。」
イスラエルの人々はバアルとアシュタロトを取り除き、ただ主にのみ仕えた。
サムエルは命じた。
「イスラエルを全員、ミツパに集めなさい。
あなたたちのために主に祈ろう。」
人々はミツパに集まると、水をくみ上げて主の御前に注ぎ、
その日は断食し、その所で、
「わたしたちは主に罪を犯しました」と言った。
サムエルはミツパでイスラエルの人々に裁きを行った。
イスラエルの人々がミツパに集まっていると聞いて、
ペリシテの領主たちはイスラエルに攻め上って来た。
イスラエルの人々はそのことを聞き、ペリシテ軍を恐れて、
サムエルに乞うた。
「どうか黙っていないでください。
主が我々をペリシテ人の手から救ってくださるように、
我々の神、主に助けを求めて叫んでください。」
サムエルはまだ乳離れしない小羊一匹を取り、
焼き尽くす献げ物として主にささげ、
イスラエルのため主に助けを求めて叫んだ。
主は彼に答えられた。
サムエルが焼き尽くす献げ物をささげている間に、
ペリシテ軍はイスラエルに戦いを挑んで来たが、
主がこの日、ペリシテ軍の上に激しい雷鳴をとどろかせ、
彼らを混乱に陥れられたので、彼らはイスラエルに打ち負かされた。
イスラエルの兵はミツパを出てペリシテ人を追い、
彼らを討ってベト・カルの下まで行った。
サムエルは石を一つ取ってミツパとシェンの間に置き、
「今まで、主は我々を助けてくださった」と言って、
それをエベン・エゼル(助けの石)と名付けた。
ペリシテ人は鎮められ、二度とイスラエルの国境を侵すことはなかった。
サムエルの時代を通して、主の手はペリシテ人を抑えていた。
ペリシテ人がイスラエルから奪い取っていた町々は、
エクロンからガトまで再びイスラエルのものとなった。
イスラエルはその周辺の村々をもペリシテ人の手から救った。
イスラエルとアモリ人との間は平和であった。
サムエルは生涯、イスラエルのために裁きを行った。
毎年、ベテル、ギルガル、ミツパを巡り歩き、
それらの地でイスラエルのために裁きを行い、ラマに戻った。
そこには彼の家があった。
彼はそこでもイスラエルのために裁きを行い、主のために祭壇を築いた。

注.私のHPでは絵画主題としての旧約聖書を取り上げたいと思いますので、
物語の整合性は求めていません。
絵画を読み解く知的遊戯ってことで御理解下さいませ。

サムエル記 上 2

イメージ 1

少年サムエルはエリのもとで主に仕えていた。
そのころ、主の言葉が臨むことは少なく、幻が示されることもまれであった。
ある日、エリは自分の部屋で床に就いていた。
彼は目がかすんできて、見えなくなっていた。
まだ神のともし火は消えておらず、
サムエルは神の箱が安置された主の神殿に寝ていた。
主はサムエルを呼ばれた。
サムエルは、「ここにいます」と答えて、
エリのもとに走って行き、「お呼びになったので参りました」と言った。
しかし、エリが、「わたしは呼んでいない。戻っておやすみ」と言ったので、
サムエルは戻って寝た。
主は再びサムエルを呼ばれた。
サムエルは起きてエリのもとに行き、
「お呼びになったので参りました」と言った。
エリは、「わたしは呼んでいない。わが子よ、戻っておやすみ」と言った。

画像:LA TOUR, Georges de  1593−1652
『The Dream of St. Joseph』 1640
Traditionally interpreted as depicting the dream of St. Joseph,
but also interpreted as Samuel waking up Eli.

サムエルはまだ主を知らなかったし、主の言葉はまだ彼に示されていなかった。
主は三度サムエルを呼ばれた。
サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。
エリは、少年を呼ばれたのは主であると悟り、
サムエルに言った。
「戻って寝なさい。もしまた呼びかけられたら、
『主よ、お話しください。僕は聞いております』と言いなさい。」
サムエルは戻って元の場所に寝た。
主は来てそこに立たれ、これまでと同じように、サムエルを呼ばれた。
「サムエルよ。」サムエルは答えた。
「どうぞお話しください。僕は聞いております。」
主はサムエルに言われた。
「見よ、わたしは、イスラエルに一つのことを行う。
それを聞く者は皆、両耳が鳴るだろう。
その日わたしは、エリの家に告げたことをすべて、
初めから終わりまでエリに対して行う。
わたしはエリに告げ知らせた。
息子たちが神を汚す行為をしていると知っていながら、とがめなかった罪のために、
エリの家をとこしえに裁く、と。
わたしはエリの家について誓った。
エリの家の罪は、いけにえによっても献げ物によっても
とこしえに贖われることはない。」
サムエルは朝まで眠って、それから主の家の扉を開いた。
サムエルはエリにこのお告げを伝えるのを恐れた。
エリはサムエルを呼んで言った。
「わが子、サムエルよ。」
サムエルは答えた。
「ここにいます。」
エリは言った。
「お前に何が語られたのか。
わたしに隠してはいけない。
お前に語られた言葉を一つでも隠すなら、
神が幾重にもお前を罰してくださるように。」
サムエルは一部始終を話し、隠し立てをしなかった。
エリは言った。
「それを話されたのは主だ。
主が御目にかなうとおりに行われるように。」
サムエルは成長していった。
主は彼と共におられ、その言葉は一つたりとも地に落ちることはなかった。
ダンからベエル・シェバに至るまでのイスラエルのすべての人々は、
サムエルが主の預言者として信頼するに足る人であることを認めた。
主は引き続きシロで御自身を現された。
主は御言葉をもって、シロでサムエルに御自身を示された。

サムエルの言葉は全イスラエルに及んだ。
イスラエルはペリシテに向かって出撃し、エベン・エゼルに陣を敷いた。
一方、ペリシテ軍はアフェクに陣を敷き、
イスラエル軍に向かって戦列を整えた。
戦いは広がり、イスラエル軍はペリシテ軍に打ち負かされて、
この野戦でおよそ四千の兵士が討ち死にした。
兵士たちが陣営に戻ると、イスラエルの長老たちは言った。
「なぜ主は今日、我々がペリシテ軍によって打ち負かされるままにされたのか。
主の契約の箱をシロから我々のもとに運んで来よう。
そうすれば、主が我々のただ中に来て、敵の手から救ってくださるだろう。」
兵士たちはシロに人をやって、
ケルビムの上に座しておられる万軍の主の契約の箱を、そこから担いで来させた。
エリの二人の息子ホフニとピネハスも神の契約の箱に従って来た。
主の契約の箱が陣営に到着すると、
イスラエルの全軍が大歓声をあげたので、地がどよめいた。
ペリシテ軍は歓声を聞いて言った。
「ヘブライ人の陣営にどよめくあの大歓声は何だろう。」
そして、主の箱がイスラエル軍の陣営に到着したと知ると、
ペリシテ軍は、神がイスラエル軍の陣営に来たと言い合い、恐れて言った。
「大変だ。このようなことはついぞなかったことだ。
大変なことになった。
あの強力な神の手から我々を救える者があろうか。
あの神は荒れ野でさまざまな災いを与えてエジプトを撃った神だ。
ペリシテ人よ、雄々しく男らしくあれ。
さもなければ、ヘブライ人があなたたちに仕えていたように、
あなたたちが彼らに仕えることになる。
男らしく彼らと戦え。」
こうしてペリシテ軍は戦い、
イスラエル軍は打ち負かされて、それぞれの天幕に逃げ帰った。
打撃は非常に大きく、イスラエルの歩兵三万人が倒れた。
神の箱は奪われ、エリの二人の息子ホフニとピネハスは死んだ。
ベニヤミン族の男が一人、戦場を出て走り、その日のうちにシロに着いた。
彼の衣は裂け、頭には塵をかぶっていた。
到着したとき、エリは道の傍らに設けた席に座り、
神の箱を気遣って目を凝らしていた。
その男が町に知らせをもたらすと、町全体から叫び声があがった。
エリは叫び声を耳にして、尋ねた。
「この騒々しい声は何だ。」
男は急いでエリに近寄り報告した。
エリは九十八歳で目は動かず、何も見ることができなかった。
男はエリに言った。
「わたしは戦場から戻って来た者です。
今日戦場から落ちのびて来ました。」
エリは尋ねた。
「わが子よ、状況はどうなのか。」
知らせをもたらした者は答えた。
「イスラエル軍はペリシテ軍の前から逃げ去り、兵士の多くが戦死しました。
あなたの二人の息子ホフニとピネハスも死に、神の箱は奪われました。」
その男の報告が神の箱のことに及ぶと、
エリは城門のそばの彼の席からあおむけに落ち、首を折って死んだ。
年老い、太っていたからである。
彼は四十年間、イスラエルのために裁きを行った。
エリの嫁に当たる、ピネハスの妻は出産間近の身であったが、
神の箱が奪われ、しゅうとも夫も死んだとの知らせを聞くと、
陣痛に襲われてかがみ込み、子を産んだ。
死の迫っている彼女に、付き添っていた女たちが語りかけた。
「恐れることはありません。
男の子が生まれました。」
しかし彼女は答えず、心を留めなかった。
神の箱が奪われ、しゅうとも夫も死に、栄光はイスラエルを去ったと考えて、
彼女は子供をイカボド(栄光は失われた)と名付けた。
彼女は言った。
「栄光はイスラエルを去った。
神の箱が奪われた。」

注1.私のHPでは絵画主題としての旧約聖書を取り上げたいと思いますので、
物語の整合性は求めていません。
絵画を読み解く知的遊戯ってことで御理解下さいませ。

サムエル記 上 1

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

エフライムの山地ラマタイム・ツォフィムに一人の男がいた。
名をエルカナといい、その家系をさかのぼると、
エロハム、エリフ、トフ、エフライム人のツフに至る。
エルカナには二人の妻があった。
一人はハンナ、もう一人はペニナで、ペニナには子供があったが、
ハンナには子供がなかった。
エルカナは毎年自分の町からシロに上り、万軍の主を礼拝し、
いけにえをささげていた。
シロには、エリの二人の息子ホフニとピネハスがおり、祭司として主に仕えていた。
いけにえをささげる日には、
エルカナは妻ペニナとその息子たち、娘たちにそれぞれの分け前を与え、
ハンナには一人分を与えた。
彼はハンナを愛していたが、主はハンナの胎を閉ざしておられた。
彼女を敵と見るペニナは、
主が子供をお授けにならないことでハンナを思い悩ませ、苦しめた。
毎年このようにして、ハンナが主の家に上るたびに、彼女はペニナのことで苦しんだ。
今度もハンナは泣いて、何も食べようとしなかった。
夫エルカナはハンナに言った。
「ハンナよ、なぜ泣くのか。
なぜ食べないのか。
なぜふさぎ込んでいるのか。
このわたしは、あなたにとって十人の息子にもまさるではないか。」

さて、シロでのいけにえの食事が終わり、ハンナは立ち上がった。
祭司エリは主の神殿の柱に近い席に着いていた。
ハンナは悩み嘆いて主に祈り、激しく泣いた。
そして、誓いを立てて言った。
「万軍の主よ、はしための苦しみを御覧ください。
はしために御心を留め、忘れることなく、男の子をお授けくださいますなら、
その子の一生を主におささげし、その子の頭には決してかみそりを当てません。」
ハンナが主の御前であまりにも長く祈っているので、
エリは彼女の口もとを注意して見た。
ハンナは心のうちで祈っていて、唇は動いていたが声は聞こえなかった。
エリは彼女が酒に酔っているのだと思い、彼女に言った。
「いつまで酔っているのか。
酔いをさましてきなさい。」
ハンナは答えた。
「いいえ、祭司様、違います。
わたしは深い悩みを持った女です。
ぶどう酒も強い酒も飲んではおりません。
ただ、主の御前に心からの願いを注ぎ出しておりました。
はしためを堕落した女だと誤解なさらないでください。
今まで祈っていたのは、訴えたいこと、苦しいことが多くあるからです。」
そこでエリは、
「安心して帰りなさい。
イスラエルの神が、あなたの乞い願うことをかなえてくださるように」と答えた。
ハンナは、「はしためが御厚意を得ますように」と言ってそこを離れた。
それから食事をしたが、彼女の表情はもはや前のようではなかった。
一家は朝早く起きて主の御前で礼拝し、ラマにある自分たちの家に帰って行った。
エルカナは妻ハンナを知った。
主は彼女を御心に留められ、
ハンナは身ごもり、月が満ちて男の子を産んだ。
主に願って得た子供なので、その名をサムエル(その名は神)と名付けた。
さて、夫エルカナが家族と共に年ごとのいけにえと
自分の満願の献げ物を主にささげるために上って行こうとしたとき、
ハンナは行こうとせず、夫に言った。
「この子が乳離れしてから、一緒に主の御顔を仰ぎに行きます。
そこにこの子をいつまでもとどまらせましょう。」
夫エルカナは妻に言った。
「あなたがよいと思うようにしなさい。
この子が乳離れするまで待つがよい。
主がそのことを成就してくださるように。」
ハンナはとどまって子に乳を与え、乳離れするまで育てた。
乳離れした後、ハンナは三歳の雄牛一頭、麦粉を一エファ、ぶどう酒の革袋を一つ携え、
その子を連れてシロの主の家に上って行った。
この子は幼子にすぎなかったが、
人々は雄牛を屠り、その子をエリのもとに連れて行った。
ハンナは言った。
「祭司様、あなたは生きておられます。
わたしは、ここであなたのそばに立って主に祈っていたあの女です。
わたしはこの子を授かるようにと祈り、
主はわたしが願ったことをかなえてくださいました。
わたしは、この子を主にゆだねます。
この子は生涯、主にゆだねられた者です。」
彼らはそこで主を礼拝した。

画像1:VICTORS, Jan 1620−1676
『Hannah giving her son Samuel to the priest』 1645

ハンナは祈って言った。
「主にあってわたしの心は喜び 主にあってわたしは角を高く上げる。
わたしは敵に対して口を大きく開き 御救いを喜び祝う。
聖なる方は主のみ。
あなたと並ぶ者はだれもいない。
岩と頼むのはわたしたちの神のみ。
驕り高ぶるな、高ぶって語るな。
思い上がった言葉を口にしてはならない。
主は何事も知っておられる神 人の行いが正されずに済むであろうか。
勇士の弓は折られるが よろめく者は力を帯びる。
食べ飽きている者はパンのために雇われ 飢えている者は再び飢えることがない。
子のない女は七人の子を産み 多くの子をもつ女は衰える。
主は命を絶ち、また命を与え 
陰府に下し、また引き上げてくださる。
主は貧しくし、また富ませ 低くし、また高めてくださる。
弱い者を塵の中から立ち上がらせ 貧しい者を芥の中から高く上げ
高貴な者と共に座に着かせ 栄光の座を嗣業としてお与えになる。
大地のもろもろの柱は主のもの 主は世界をそれらの上に据えられた。
主の慈しみに生きる者の足を主は守り 主に逆らう者を闇の沈黙に落とされる。
人は力によって勝つのではない。
主は逆らう者を打ち砕き 天から彼らに雷鳴をとどろかされる。
主は地の果てまで裁きを及ぼし 王に力を与え
油注がれた者の角を高く上げられる。」
エルカナはラマの家に帰った。
幼子は祭司エリのもとにとどまって、主に仕えた。

画像2:Sir David Wilkie 1785-1841
『Samuel in the temple』1839

エリの息子はならず者で、主を知ろうとしなかった。
この祭司たちは、人々に対して次のように行った。
だれかがいけにえをささげていると、
その肉を煮ている間に、祭司の下働きが三つまたの肉刺しを手にやって来て、
釜や鍋であれ、鉢や皿であれ、そこに突き入れた。
肉刺しが突き上げたものはすべて、祭司のものとした。
彼らは、シロに詣でるイスラエルの人々すべてに対して、このように行った。
そればかりでなく、人々が供え物の脂肪を燃やして煙にする前に、
祭司の下働きがやって来て、いけにえをささげる人に言った。
「祭司様のために焼く肉をよこしなさい。
祭司は煮た肉は受け取らない。
生でなければならない。」
「いつものように脂肪をすっかり燃やして煙になってから、
あなたの思いどおりに取ってください」
と言っても、下働きは、
「今、よこしなさい。さもなければ力ずくで取る」
と答えるのであった。
この下働きたちの罪は主に対する甚だ大きな罪であった。
この人々が主への供え物を軽んじたからである。
サムエルは、亜麻布のエフォドを着て、下働きとして主の御前に仕えていた。
母は彼のために小さな上着を縫い、
毎年、夫と一緒に年ごとのいけにえをささげに上って来るとき、それを届けた。
エリはエルカナとその妻を祝福し、
「主に願って得たこの子の代わりに、
主があなたにこの妻による子供を授けてくださいますように」と言った。
こうして彼らは家に帰った。
主がハンナを顧みられたので、ハンナは身ごもり、息子を三人と娘を二人産んだ。
少年サムエルは主のもとで成長した。
エリは非常に年老いていた。
息子たちがイスラエルの人々すべてに対して行っていることの一部始終、それに、
臨在の幕屋の入り口で仕えている女たちとたびたび床を共にしていることも耳にして、
彼らを諭した。
「なぜそのようなことをするのだ。
わたしはこの民のすべての者から、お前たちについて悪いうわさを聞かされている。
息子らよ、それはいけない。
主の民が触れ回り、わたしの耳にも入ったうわさはよくない。
人が人に罪を犯しても、神が間に立ってくださる。
だが、人が主に罪を犯したら、誰が執り成してくれよう。」
しかし、彼らは父の声に耳を貸そうとしなかった。
主は彼らの命を絶とうとしておられた。

画像3:Sir Joshua Reynolds 1723-1792
『The Infant Samuel』 1776

一方、少年サムエルはすくすくと育ち、主にも人々にも喜ばれる者となった。
神の人がエリのもとに来て告げた。
「主はこう言われる。
あなたの先祖がエジプトでファラオの家に服従していたとき、
わたしは自らをあなたの先祖に明らかに示し、
わたしのためにイスラエルの全部族の中からあなたの先祖を選んで祭司とし、
わたしの祭壇に上って香をたかせ、エフォドを着せてわたしの前に立たせた。
また、わたしはあなたの先祖の家に、
イスラエルの子らが燃やして主にささげる物をすべて与えた。
あなたはなぜ、わたしが命じたいけにえと献げ物を
わたしの住む所でないがしろにするのか。
なぜ、自分の息子をわたしよりも大事にして、
わたしの民イスラエルが供えるすべての献げ物の中から最上のものを取って、
自分たちの私腹を肥やすのか。
それゆえ、イスラエルの神、主は言われる。
わたしは確かに、あなたの家とあなたの先祖の家はとこしえにわたしの前に歩む、
と約束した。
主は言われる。
だが、今は決してそうはさせない。
わたしを重んずる者をわたしは重んじ、わたしを侮る者をわたしは軽んずる。
あなたの家に長命の者がいなくなるように、
わたしがあなたの腕とあなたの先祖の家の腕を切り落とす日が来る。
あなたは、わたしの住む所がイスラエルに与える幸いをすべて敵視するようになる。
あなたの家には永久に長命の者はいなくなる。
わたしは、あなたの家の一人だけは、わたしの祭壇から断ち切らないでおく。
それはあなたの目をくらまし、命を尽きさせるためだ。
あなたの家の男子がどれほど多くとも皆、壮年のうちに死ぬ。
あなたの二人の息子ホフニとピネハスの身に起こることが、
あなたにとってそのしるしとなる。
二人は同じ日に死ぬ。
わたしはわたしの心、わたしの望みのままに事を行う忠実な祭司を立て、
彼の家を確かなものとしよう。
彼は生涯、わたしが油を注いだ者の前を歩む。
あなたの家の生き残った者は皆、彼のもとに来て身をかがめ、
銀一枚、パン一切れを乞い、
『一切れのパンでも食べられるように、祭司の仕事の一つに就かせてください』
と言うであろう。」

注.私のHPでは絵画主題としての旧約聖書を取り上げたいと思いますので、
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