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第11章
ナアマ人ツォファルは話し始めた。
これだけまくし立てられては答えないわけにいくまい。
口がうまければそれで正しいと
認められるだろうか。
あなたの無駄口が人々を黙らせるだろうか。
嘲りの言葉を吐いて
恥をかかずに済むだろうか。
あなたは言う。
「わたしの主張は正しい。
あなたの目にもわたしは潔白なはずだ」と。
しかし、神があなたに対して唇を開き
何と言われるか聞きたいものだ。
神が隠しておられるその知恵を
その二重の効果をあなたに示されたなら
あなたの罪の一部を見逃していてくださったと
あなたにも分かるだろう。
あなたは神を究めることができるか。
全能者の極みまでも見ることができるか。
高い天に対して何ができる。
深い陰府について何が分かる。
神は地の果てよりも遠く
海原よりも広いのに。
神が傍らに来て捕え、集めるなら
誰が取り返しえようか。
神は偽る者を知っておられる。
悪を見て、放置されることはない。
生まれたときには人間も
ろばの子のようなものだ。
しかし、愚かな者も賢くなれる。
もし、あなたも正しい方向に思いをはせ
神に向かって手を伸べるなら
また、あなたの手からよこしまなことを遠ざけ
あなたの天幕に不正をとどめないなら
その時こそ
あなたは晴れ晴れと顔を上げ、動ずることなく
恐怖を抱くこともないだろう。
その時、あなたは労苦を忘れ
それを流れ去った水のように思うだろう。
人生は真昼より明るくなる。
暗かったが、朝のようになるだろう。
希望があるので安心していられる。
安心して横たわるために、自分のねぐらを掘り
うずくまって眠れば、脅かす者はない。
多くの人があなたの好意を求める。
だが、神に逆らう者の目はかすむ。
逃れ場を失って
希望は最後の息を吐くように絶える。
画像:FOUQUET, Jean 1420−1480
『Job and his False Comforters』1452-60
第12章
ヨブは答えた。
確かにあなたたちもひとかどの民。
だが、死ねばあなたたちの知恵も死ぬ。
あなたたち同様、わたしにも心があり
あなたたちに劣ってはいない。
だれにもそのくらいの力はある。
神に呼びかけて
答えていただいたこともある者が
友人たちの物笑いの種になるのか。
神に従う無垢な人間が
物笑いの種になるのか。
人の不幸を笑い、よろめく足を嘲ってよいと
安穏に暮らす者は思い込んでいるのだ。
略奪者の天幕は栄え
神を怒らせる者
神さえ支配しようとする者は安泰だ。
獣に尋ねるがよい、教えてくれるだろう。
空の鳥もあなたに告げるだろう。
大地に問いかけてみよ、教えてくれるだろう。
海の魚もあなたに語るだろう。
彼らはみな知っている。
主の御手がすべてを造られたことを。
すべての命あるものは、肉なる人の霊も
御手の内にあることを。
耳は言葉を聞き分け
口は食べ物を味わうではないか。
知恵は老いた者と共にあり
分別は長く生きた者と共にあるというが
神と共に知恵と力はあり
神と共に思慮分別もある。
神が破壊したものは建て直されることなく
閉じ込められた人は解放されることがない。
神が水を止めれば干ばつとなり
水を放てば地の姿は変わる。
力も策も神と共にあり
迷うこと、迷わせることも神による。
神は参議をはだしで行かせ
裁判官を狂いまわらせ
王の権威を解き
腰の帯をもって彼らをつながれる。
祭司をはだしで行かせ
地位ある者をその地位から引き降ろされる。
信任厚い者の口を閉ざし
長老の判断を失わせ
自由な者に嘲りを浴びせかけ
強い者の帯を断ち切られる。
神は暗黒の深い底をあらわにし
死の闇を光に引き出される。
国々を興し、また滅ぼし
国々を広げ、また限られる。
この地の民の頭たちを混乱に陥れ
道もなく茫漠としたさかいをさまよわせられる。
光もなく、彼らは闇に手探りし
酔いしれたかのように、さまよう。
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