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GWは単なる週末でした。

ユディト記

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第十一章

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ホロフェルネスはユディトに言った。
「女よ、心配するな。怖がらなくともよい。
全世界の王ネブカドネツァルに仕える道を選んだ者に、わたしは危害を加えたことはない。
この山地に住むお前の民も、わたしを侮りさえしなかったなら、
わたしは彼らに対して武器を取るようなことはしなかったであろう。
彼らは自ら今の事態を招いたのだ。
さあ、どうして彼らから逃げて来たのか、話なさい。
お前はここにいれば安全だ。
心配はない。今夜からは、お前の命を保障しよう。
だれもお前に危害を加える者はなく、
皆、わが主君ネブカドネツァル王の家来と同様、お前を大切に扱うであろう。」

そこでユディトはホロフェルネスに向かって次のように言った。
「どうかこのはしための願いを聞き届け、この仕えめが御前で語ることをお許しください。
今夜、わが主に対して私が申し上げることに、偽りはございません。
もし、この仕えめの言葉のとおり実行なさるならば、
わが主と共に神が働かれて事を達成してくださり、
わが主はその責務を果たされる上で失敗されることはないでしょう。
全世界の王ネブカドネツァルの御聖寿に誓って、
また、命あるすべてのものに秩序をもたらすため、
わが主を遣わされた王の権勢に誓って申し上げます。
わが主のお働きによって、単に人々が王に仕えるようになるだけではなく、
野の獣や家畜、空の鳥までが御威光によって必ず、
ネブカドネツァルとその御一族のために生きるようになるでしょう。
私たちは、わが主の知恵と聡明さについて聞き及んでおり、
また、わが主が、王国で最も優れた方であり、
知識にあふれ戦術にたけた方であることは世界中に知れ渡っているからです。
ところで、会議の席上アキオルが述べたことについては、彼から話を聞きました。
ベトリアの人々に助けられたとき、彼がわが主の前で述べたことをすべて、人々に話して聞かせたのです。
御主人様、彼の言葉を軽んじないで、しっかり心に留めてください。
彼の言ったことは本当なのです。
確かに私たちの民は、神に対して罪を犯さないかぎり罰を受けることもなく、
剣に攻め立てられることもありません。
しかし今は、わが主が敗れて目的を果たせなくなるということはないはずです。
彼らには死が迫っています。
既に彼らは罪に捕らえられており、道に外れたことを行うごとに神を憤らせているからです。
食糧が尽き、水もほとんどなくなったために、彼らは家畜を殺すことにし、
また神が律法をもって食べることを禁じている物までもみな、食べようと決めました。
その上、エルサレムで神の御前に仕える祭司のために聖別して取って置いた。
一般の人はだれも手を触れることさえ許されない初物の献げ物の小麦と、
十分の一奉納のぶどう酒とオリーブ油をも使い果たすことを決定したのです。
それで、エルサレムでも住民たちが同じようなことをした例があるということで、
その許可を願う使者をエルサレムの長老会議に送りました。
その返事が届いて、それを実行に移すその時、彼らはわが主に渡されて滅びるのです。
これらのことがすべて分かったので、このはしためは彼らから逃げ出したのです。
神はその私を、世界中、聞く人だれもが驚くような事をわが主と共に行わせるために、ここへ送られました。
このはしためは神を敬い、昼も夜も天の神にお仕えする者だからです。
わが主よ、私はおそばにとどまり、夜ごと谷へ出て、神に祈りましょう。
そうすれば、イスラエル人が罪を犯したとき、神はそれを教えてくださるでしょう。
私がそれを知らせに参りますから、そのとき全軍を率いて出陣してください。
彼らのうちだれ一人、わが主に立ち向かう者はございません。
そこで、私が御案内しますから、わが主はユダヤの中央を通ってエルサレムへお進みください。
私は町の中心に御座を設けましょう。
人々は飼い主のいない羊のようにわが主の後について行きます。
犬でさえわが主に向かってうなり声をあげることはないでしょう。
実にこれらのことは、先見の力によって示され、知らされたことであり、
私はこれをお知らせするために遣わされたのです。」

ホロフェルネスと側近の者たちは皆、ユディトの言葉に満足し、
またその知恵に驚いて言った。
「地の果てから果てに至るまで、これほど美しく、
しかもこのような洞察に満ちた言葉を語る女はいまい。」
そこでホロフェルネスは彼女に言った。
「民の中からお前を遣わして、我々には力をもたらし、
わが主君を侮る者には滅びをもたらすとは、神も良いことをされた。
お前は姿形もあでやかで、話す言葉も優れている。
もし、お前が言ったとおりやってくれるなら、わたしもお前の神をわたしの神として認めよう。
お前はネブカドネツァル王の宮殿に住むことになり、お前の名は世界に知れ渡るであろう。」

画像1:CARAVAGGIO 1571―1610
『Judith Beheading Holofernes』 1598
眉間に縦シワ、嫌々成敗。
嬉々として剣を振るう絵画よりは、私自身が納得出来そう。

画像2&3:GENTILESCHI, Artemisia 1593−1651
2)『Judith Beheading Holofernes』1612-21
3)『Judith and her Maidservant』1612-161
アルテミジアは1593年7月8日ローマに、画家であるオラーツィオ・ジェンティレスキの第一子として生まれた。
カラヴァッジェスキの女性画家。
十八世紀から女流画家の進出が目立ってきたけど、作品のテーマは静物画&小型の肖像画。
デッサンさえも女性が男性を描くことが許されない時代で、もち歴史画なんて描かせてもらえない。
国立アカデミーが最初に設立されたのは十六世紀。
1563年、美術史家ヴァザーリがトスカーナ公国に設立。
1664年、フランスでルイ14世も創立。
次々、各国でも設立され、伝統&権威をもって美の生産・発展に影響力を持った。
描く主題でさえ、以下の序列があった。
1. 宗教画
2. 肖像画
3. 風俗画
4. 静物画
静物画が軽く扱われたのは、フルーツ&野菜等の対象が卑しい現実だと、、、
絵画で高尚なのは人体描写だと。。。
人物を描き宗教世界の高尚な精神世界観の意味内容を持つ大画面&大壁画がアカデミーが考える最高級の絵画。
はてぇ?
パパが画家とはいえ、娘が描く事を許された主題だったのか?
とっいう予備知識を持って以下のWikiの記事を読んでもらいたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%9F%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%AD
多くの方は絵画を感性で観るものだとし、解説を好まない。
私自身もフロイト的に解説されるとなんだかなぁ〜。。。
でも、それは印象派以降の絵画についての話。
絵画も文学も歴史を学ばなければいけないのだと思う。
描いた人物&時代背景の予備知識を持っていたならば、
さらに絵画鑑賞は楽しめます。

第十章

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ユディトは、イスラエルの神に向かって叫ぶのをやめてこの祈りを終えると、
ひれ伏していたところから立ち上がり、侍女に声をかけて、
安息日と祝祭日にしか使ったことのない屋内に下りて来た。
彼女は着けていた粗布を取り、喪服を脱いで水で身を清め、芳醇な香油を塗った。
そして髪を整えて髪飾りを付け、夫マナセが生きていたときに着ていた晴れ着をまとった。
足にはサンダルを履き、足輪や腕輪、指輪や耳飾りなど、あらゆる装身具で装いを凝らした。
その上、彼女を見る男達の目を惑わすために、できるだけ美しく化粧した。
それから彼女は、ぶどう酒の革袋とオリーブ油の壺を侍女に渡し、
袋に炒り麦といちじく菓子と上等のパンを詰め、食器も全部包みにして侍女に持たせた。
二人は出かけて、ベトリアの町の門にやって来た。
そこにはオジヤと町の長老カブリスとカルミスが立っていた。

彼らは、ユディトの面ざしが変わり、服装もすっかり変わっているのを見て、
その美しさに驚嘆し、彼女に言った。
「我々の先祖の神があなたに恵みを得させ、
イスラエル人の誇りとエルサレムの栄光のために、
あなたの使命を果たさせてくださるように。」
そして彼らは神を礼拝した。
ユディトは長老たちに言った。
「町の門を開くように命じてください。
わたしたちが話し合ったことを果たすために出かけます。」
長老たちが、ユディトの願いどおり門を開くように若者たちに命じると、門は開かれた。
ユディトと召し使いの女は連れ立って出て行った。
町の人々は、彼女が山を下り、谷づたいに行ってその姿が見えなくなるまで見送った。
二人は谷をまっすぐに進んで行った。

するとアッシリア人の前哨部隊にぶつかった。
彼らはユディトを捕らえて、
「お前はどこの者か。どこから来て、どこへ行くのか。」と尋問した。
ユディトは答えた。
「わたしはヘブライ人の娘です。
ヘブライ人があなたがたの餌食にされそうでしたので逃げて来ました。
わたしは軍の総司令官ホロフェルネスさまのもとへ行き、わたしどもの実情をお知らせし、
ホロフェルネスさまが一兵、一命たりとも失わずに進軍してこの山地一帯を支配することができるように、その道を教えましょう。」
兵士たちはユディトの言葉を聞きながらその顔に見とれていた。
彼らの目にその美しさは非常な驚きであった。
彼らは言った。
「お前は、我らの主君のところに進んでやって来て、命拾いをいたのだ。
すぐに主君の天幕に行くがよい。
だれかに案内させ、主君に引き合わせよう。
主君の前に立ったなら、怖がらずに、今言ったとおりのことを申し上げるがよい。
主君はお前によくしてくださるだろう。」
そして兵百人を選んで彼女と侍女に付け、ホロフェルネスの天幕に連れて行かせた。

彼女の来たことが兵営に触れ回られたため、陣営中が大騒ぎとなった。
ユディトのことがホロフェルネスに報告される間、
ユディトは総司令官の天幕の外に立っていたが、兵士たちがやって来て彼女の周りを取り囲んだ。
彼らはユディトの美しさに驚き、また彼女ゆえにイスラエル人に驚いて、口々に隣の者に言った。
「これほどの女たちのいる民を、だれが侮れよう。
彼らを一人でも生かしておくのはまずい。
ほうっておけば世界中を籠絡するにちがいない。」
さて、ホロフェルネスは、紫布や金、エメラルドなどの宝石を織り込んだ天蓋の中、寝台の上で休んでいたが、
彼女について報告を受けると、銀の燭台を先に立てて控えの間に出て来た。
ユディトがホロフェルネスとその側近たちの前に進み出ると、
その容姿の美しさに皆驚いた。
彼女はひれ伏してホロフェルネスに礼を尽くした。
すると従者たちが彼女を助け起こした。

画像1&2:VALENTIN DE BOULOGNE 1591―1632
1)『Judith and Holofernes』 1626
2)『Judith』1626-28
17世紀フランスのカラヴァッジェスキの画家。
画家については以下参照。
http://www.salvastyle.com/menu_classicism/valentin.html

第九章

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ユディトは地にひれ伏し、頭に灰をかぶり、身に着けていた粗布をあらわにした。
そして、エルサレムの神殿で夕べの香が献げられる時刻になると、主に向かって大きな声で祈った。
「わたしの先祖シメオンの神なる主よ、
あなたはシメオンの手に剣を渡し、かの異邦人どもに報復することを許されました。
彼らがおとめの胎を開いて汚し、その腿をあらわにして辱め、
胎を犯して人々の非難の的にしたからです。
『してはならぬ』とお命じになったことを彼らはしたのです。
それゆえ、あなたはその指導者たちを殺戮にゆだね、
彼らの欺きによる行為に赤面した同じ寝床を欺きをもって朱の血に染め、
家来ともども諸侯を、王座に座る諸侯を打たれました。
あなたは彼らの妻たちを略奪させ、娘たちをとりこにさせ、
その上、分捕り品はすべて、あなたの愛する民に分け与えられました。
この民は、あなたへの思いに熱く燃え、民の血が汚されることを忌み嫌い、
あなたに助けを呼び求めたのです。
神よ、わが神よ、このやもめの願いも聞き入れてください。
これらのことは、その前のことも後のことも、すべてあなたの御業でした。
現在のことも未来のことも、すべてあなたのお考えのまま。
心に思われたことはすべて実現し、
望まれたものは現れ出て『はい、ここにおります』と言う。
あなたの裁きは予知をもってなされます。
御覧ください。
アッシリア人はその兵力を満たし、馬と騎兵に心おごり、
歩兵の力を誇り、盾と槍、弓と投石器に希望を置いています。
彼らは知りません、あなたが『戦をたたかう主』であることを。
あなたの名は『主』。
御力をもって彼らの武力をたたきつぶし、
憤りをもって彼らの権勢を打ち砕いてください。
彼らは聖所を冒涜し、栄光の主が宿る幕屋を汚し、
祭壇の角を剣で打ち落とそうとねらっています。
彼らの傲慢さを御覧になり、頭上に御怒りをお下しください。
このやもめの腕に企てを成し遂げる力をお与えください。
この欺きの唇によって、家来ともどもその頭を、頭ともどもその側近をお打ちください。
女の腕をもって彼らの倣岸さを打ち砕いてください。
あなたの力は人の数によるものではなく、あなたの主権は強者に頼るものでもありません。
あなたは虐げられた者の神、小さき者の助け主、弱き者の支え、
見捨てられた者の守り、希望を失った者の救い主。
そうです、そのとおりです。
わが先祖の神よ。
イスラエルが代々受け継ぐ遺産を守られる神よ。
天地の主、もろもろの水の造り主、全被造物の王よ、
わたしの祈りを聞き入れてください。
わたしの言葉と欺きによって彼らに痛手を負わせ、打撃を与えてください。
彼らは、あなたの契約に対して、また、聖別されたあなたの家とシオンの頂に対して、
あなたの子らが所有する家に対して災いをたくらんだのです。
あなたの民すべてに、そのすべての部族に悟らせてください。
あなたこそ、全能にして力ある神、あなたをおいてイスラエルの民を守る者のないことを。」

画像1&2:MASSYS, Jan 1510-1575
1)『Judith』 −
2)『Judith with the Head of Holofernes』1543
ヤン・マセイスはフランドルの画家である、クエンティン・マセイスの息子。
Wikiで父の記事はあったけど、
http://en.wikipedia.org/wiki/Quentin_Matsys
息子の記事はなかった。
画家は例え主題が依頼であろうとも、自己の思いを作品に秘める。
唇の端が上げて描くと笑ってるように描ける。
この2枚の微笑は何ゆえだろうか?
もっと研究が進んでくれる事を切望する。
特に日本語で。。。

第八章

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このことはやがてユディトの耳にも入った。
彼女はメラリの娘で、祖父はヨセフの子オクス、
さかのぼって、オジエル、ヘルキア、ハナニア、ゲデオン、ラファイン、アキトブ、エリウ、ケルキア、エリアブ、ナタナエル、シェルミエル、ツリシャダイそしてイスラエルに至る。
ユディトの夫マナセは彼女と同族で、同じ家系に属していたが、大麦の刈り入れのときに死んだ。
畑で麦を束ねる人々の監督をしていたとき、日射病にうたれて床に就くようになり、
故郷のベトリアで死に、ドタンとバラモンの間の野に、先祖と共に葬られた。
ユディトはやもめとなって三年四か月の間、家に引きこもっていた。
彼女は自分の家の屋上に天幕を張り、腰に粗布を着け、喪服を身にまとった。
そして、やもめとなって以来、安息日とその前日、新月の日とその前日、
およびイスラエルの祝祭日のほかは毎日、断食をした。
彼女は非常に美しく、魅力的な女性であった。
彼女には夫マナセが残した金銀や男女の召し使い、
それに家畜や土地があったが、これらを立派に管理した。
また、深く神を畏れるひとであったので、だれも彼女を悪く言う者はなかった。

さて、水不足のために不安にかられた人々が町の指導者オジアを非難したことは、
ユディトの耳にも入った。また、オジアが人々に答えたその内容もすべて、
すなわち、五日後に町を明け渡すと誓ったことも彼女は知った。
それでユディトは、家政全般を取りしきらせている侍女を遣わして、
町の長老のオジアとガブリスとカルミスを招いた。

彼らがやって来るとユディトは言った。
「ベトリアの住民の指導者である方々、どうかわたしの申し上げることをお聞きください。
今日、人々の前であなたがたが言われたことは、間違っています。
あなたがたは神に誓いを立て、
もし、所定の期日までに主が救いの手を差し伸べてくださらなければ、敵に町を明け渡す、
と言って約束なさいました。
いったいあなたがたは何者ですか。
あなたがたは今日、神を試みたうえに、神に代わって人々の間に君臨しようとしているのです。
今、あなたがたが瀬踏みをしている相手は、全能の主です。
いつまでたっても何も分かりはしないでしょう。
人間の心の奥すら見通せず、その思いを理解することもできないのに、
どうして、万物を造られた神の心を探ってこれを悟り、その考えを知ることができましょうか。
決してできはしません。
兄弟の皆さん、神なる主を怒らせるようなことはしないでください。
たとえこの五日以内にわたしたちを助ける御意志がないとしても、
主は、お望みの日数の間わたしたちを守ることもでき、
また、反対に、敵の前で滅ぼすこともおできになるからです。
神の御意志を束縛するようなことはやめてください。
『神は人間と違って脅しに左右されることなく、決断を押しつけられることもない』のです。
ですから、神からの救いを待ち望みつつ、助けを呼び求めましょう。
御心ならば、わたしたちの願いを聞き入れてくださるでしょう。
かつては人の手で造った神々を礼拝する者もいましたが、
今日、わたしたちの世代には、そのようなことをする部族や氏族、村や町はありません。
わたしたちの先祖はそれを行ったために剣に渡され、略奪されて、敵の前に無残にも倒れました。
しかし、わたしたちは主以外の神を認めたことはありません。
ですから、主がわたしたちを、また、この民のだれ一人をも軽んじられることはない、
とわたしたちは確信しています。
わたしたちの所が占領されることは全ユダヤの屈服につながり、
わたしたちの聖所も荒らされてしまいます。
そんなことになれば、神はその冒涜行為の責任をわたしたちに問われ、
同胞の殺戮、国土の接収、代々受け継いだ遺産の荒廃をわたしたちの上に下されるでしょう。
そして、わたしたちは奴隷にされ、連れて行かれた先の異邦人の中で、
買い主から余計者、恥知らずの扱いを受けるのです。
しかも、わたしたちの奴隷生活は何ら実りをもたらさず、
かえって神なる主はそれを恥辱に満ちたものとされるからです。
兄弟の皆さん、わたしたちの同胞の命が我々にかかっており、
聖所も神殿も我々を支えとしていることを、今こそ同胞にはっきり示そうではありませんか。
そして、これらすべてにまして神なる主に感謝いたしましょう。
主は、わたしたちの先祖になさったように、今わたしたちに試練を与えておられるのです。
主がアブラハムに対してどんな仕打ちをなさったか、イサクにどのような試練を与えられたか、
また、シリア・メソポタミアでヤコブが母方の伯父ラバンの羊を牧していたとき、
どういうことが起きたかを思い起こしてください。
主は彼らの心を試すために火のような試練を与えられましたが、
わたしたちの場合も同じで、決して報復ということではなく、
主に近づこうとする者を教え諭すために鞭打たれるのです。」

オジアはユディトに言った。
「あなたが語ったことはすべて、善良な心から出ている。
あなたの言葉に反対する者はいまい。
あなたの知恵が明らかにされたのは今日が初めてではなく、
幼いころから、その洞察力は周知のことであった。
あなたの心根が良いからだ。
ところで、人々は非常に渇きに苦しんでおり、
我々は強いられてあのような約束をさせられ、かつ誓いまで立てさせられてしまった。
これを破るわけにはいかないのだ。
どうか我々皆のために祈ってくれ。
あなたは敬虔な婦人だ。
きっと主は雨を降らせて貯水池を満たし、
我々がこれ以上弱り果てることのないようにしてくださるだろう。」

そこでユディトは長老たちに言った。
「わたしの申し上げることをお聞きください。
わたしはあることを実行します。
それはこの民の子孫に代々伝えられることでしょう。
今晩、あなたがたは町の門のところにいてください。
わたしは侍女と共に町を出ます。
敵に町を明け渡すとあなたがたが約束したその日までに、
主はわたしを用いて、イスラエルを顧みてくださるはずです。
けれども、わたしが行うことを詮索しないでください。
それを成し遂げるまでは申し上げられません。」

オジアと町の指導者たちはユディトに言った。
「無事に行って来なさい。
神なる主があなたの先に立ち、我々の敵に報復してくださるように。」
それから彼らは天幕を出て、自分たちの持ち場に帰って行った。

画像1:UNKNOWN MASTER, Italian 1500s
『Judith』 1500s

画像2&3:MANTEGNA, Andrea  1431-1506
1)『Judith and Holofernes』 1495
2)『Judith and Holofernes』 1495-1500

第七章

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明くる日、ホロフェルネスはその全軍と、彼の支援隊に加わったすべての民に、
陣営を畳んでベトリアに向かい、山地への登り道を先に制圧してイスラエル人を攻撃せよ、と命じた。
強力な兵士たち全員が、即日、移動を開始した。
軍勢は、歩兵十七万、騎兵一万二千の兵士たちと、
このほか荷駄や徒歩で続く男たちからなっており、おびただしい人の群れであった。
彼らはベトリアに近い谷の、泉のそばに陣を張った。
その陣営の広がりはドダンを越えてベルバイムに至り、
その長さはベトリアからエスドレロンに面するキアモンにまで及んだ。
イスラエル人は人の群れを見てひどく動揺し、互いに言い合った。

「この者たちは、今に全地の面をなめ尽くすだろう。
高い山も、谷も丘も、彼らの重みに耐えられはしない。」
そしておのおの武器を取り、塔の上でかがり火をたいて、その夜は一晩中警戒に当たった。

二日目、ホロフェルネスは、ベトリアのイスラエル人が見ている前に全騎兵を引き出して、
町への登り道を検分し、また、水源を巡ってそれらを確保した後それぞれに兵士の一隊を配して野営させ、自分は本陣に戻った。
エサウの民の指導者とモアブの民の指揮官が皆、海岸地方の将軍たちと共に進み出て、言った。

「我らの主君よ、どうか我々の進言を聞き入れてください。
そうすればあなたの軍隊が損傷を受けることはないでしょう。
イスラエルの子孫であるこの民が頼りにしているのは武器ではなく、今住んでいる山の高さです。
実に、山頂に達するのは容易なことではありません。
主君よ、彼らに対しては戦列による攻撃戦法をもって戦ってはなりません。
あなたの民のうち一人たりとも失うことがあってはならないからです。
あなたは陣営にいて全軍の兵士をそこに留め置き、
この僕どもに山のふもとにわき出る水源を占拠させてください。
ベトリアの全住民はそこから水を得ています。
やがて彼らは渇きに打ちのめされ、町を明け渡すことでしょう。
我々は手勢を連れ、近くの山の頂に登ってそこに陣取り、町からだれ一人出る者のないように見張ります。
彼らはその妻も子も飢えのために弱り果て、剣が彼らに挑むまでもなく、ここかしこの街角に倒れ伏すことでしょう。
こうして、あなたに逆らい、平和のうちにあなたを迎えることを拒んだ彼らに対して、存分に報復することがおできになるのです。」

この進言はホロフェルネスと側近の者たち皆の気に入り、そのとおり実行に移せという命令が下された。
そこでアンモン人たちは陣営を畳み、アッシリア人五千と共に谷に進んで陣を張り、イスラエル人の水とその水源を奪い、確保した。
次いでエサウの民とアンモン人はドタンに面した山地へ進み、そこに陣を張った。
彼らはそのうち一隊を南東の方向に、すなわち、モクムル川のほとり、クスの近くのエグレベルに向かって派遣した。
アッシリア軍の残りの者は平野に陣取ったが、彼らは地の面を埋め尽くし、
天幕と物資は陣営にあふれ、その軍勢は巨大なものになっていた。
イスラエル人は、周囲をすっかり敵に包囲されて脱出することがかなわなくなり、
士気を失い、神なる主に向かって叫びをあげた。
アッシリアの全軍は、歩兵も戦車も騎兵も総動員で、
三十四日間包囲を続け、ベトリアの住民のどの水がめも底をついた。
貯水池もかれ始めたため、飲み水は配給制となり、存分に飲むことのできる日は一日もなかった。
幼い子らは弱り果て、女も若者も渇きにあえいで街角や町の門の通路に倒れ伏し、もはや立ち上がる力はなかった。
そこで、民はこぞって、若者も女も子供も、オジアと町の指導者たちのところに押し寄せ、長老たちの前で大声で言った。

「神があなたがたとわたしたちの間を裁いてくださいますように。
あなたがたはアッシリア人と和議を結ばなかったことで、私たちに多大の不義を行ったのです。
もう、わたしたちに助け主はありません。
それどころか、神はわたしたちを敵の手に売り渡されたので、わたしたちは渇きとひどい消耗のため、敵の目の前で倒れていくのです。
今すぐ、彼らを呼び入れ、この町をそっくり戦利品として、ホロフェルネスの民と全軍に渡してください。
わたしたちは捕虜になる方がまだいいのです。
奴隷にされたとしても、命は助かるし、それに、目の前で赤子が死に、妻や子供たちが息を引き取っていくのを見ないで済むからです。
天と地にかけて、また我らの神、我らの先祖の神なる主、わたしたちの罪と先祖の罪に応じて今わたしたちに罰を下される神にかけてお願いします。
この願いのとおり、今日、必ず実行してください。」

このとき、心を一つにして集っていた人々の間から激しいすすり泣きが起こり、
やがて神なる主に向かっての大いなる叫びとなった。
しかし、オジアはこう言った。

「兄弟たちよ、頑張ってくれ。
あと五日耐え抜こう。
その間にきっと、神なる主は憐れみをもって我らを顧みてくださる。
我々を全く見捨ててしまえるはずがないのだ。
もし五日たっても助けが来ないなら、そのときあなたがたの願いどおりにしよう。」

オジアは人々をそれぞれの持ち場に帰らせた。
彼らは町の城壁や塔に戻って行った。
女や子供たちも家に帰された。
町中が失意の底に沈んでいた。

画像1:GIORGIONE 1477-1510
『Judith』 1504
イタリアの盛期ルネサンス、ヴェネツィア派。
信仰心の深いユディトが、将軍ホロフェルネスの首を踏みつけ、右手に剣が握られてる。
ホロフェルネスの顔はジョルジョーネ本人の自画像とも言われてる。

イタリア・ルネサンスの影響が、ドイツ・ルネサンスに見られるらしい。
でもねぇ、主題は同じだけど違う絵だし、、、
主人公ユディトの目が、どこ見てるの?

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